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13話 色々な話①

年が明ける前からずっと忙しくてゆっくり出来ていなかった

そう思いながら、リンのお爺様が縁側でゆっくりと庭を見ると梅が咲いていた


「もうそんな時期か」

「本当に毎年早くなって困ります」


和服姿の年配の男女は縁側に並び

湯気が上がる湯呑みを持ちすすっていた


「もうすぐしたら桜が咲くね

咲いたら一緒に見に行こうか?」

「少し暇ができましたから

それも良いですけど

もうちょっとゆっくりしたらどうですか?」

「それを言うならお互いにだね」


フッーとゆっくり白い息を吐いて

湯気が立っているお茶をすする

夫婦共に去年の夏終わりに作る作品が決まり

秋終わりまでに作品を完成させた

作品を発表すると良い評価もらった上に

大量の注文をされたので

バリエーションを揃えて作り上げた


年が明けて、つい先日にやっと予定販売分を作り終えた

限定品にしておいてもこの量だったので

本当に限定品でよかったと夫婦は思った


「どうでした?久しぶりに働いた感想は?」

「いいね!やりきった感がある」


リンのお婆様はお茶をすすり、白い息を吐くと呟く


「覚悟ですか‥‥」


年配の男性はゆっくりと息を吐いてフッと笑う


「気になってるようだね

あの子は頭も勘も良い子だよ

わかった上で言っていると思うんだ

まぁ、リンは違う意味で理解していたようだけどね」


リンのお婆様は横目でリンのお爺様を見ながら


「あなたもずいぶんと気に入ってるようですね」

「ああ‥‥夏の終わりに良いモノをもらったからね

それにしても、今年の夏まで、まだ半年もあるんだね」

「仕事があれば、まだマシなんでしょうね」


リンのお爺様はふむっと考えてから


「何かあったかな」


リンのお婆様は夫の湯呑みを奪って

横にあった急須からお茶を入れて渡す


「まったく、今回はゆっくりしてください」

「おや?珍しい事を言われたよ」


2人は笑い合った



「もうすぐか」


キセルの先を灰皿にカンカンと叩きながらアヤノの祖父は呟く

テーブルの向こう側に座っていたアヤノの祖母は半眼になり、湯呑みを置いて、ハッ〜と息を吐く


「まったく、あといくつ寝たらなんでしょうね?」


アヤノの祖父はバツの悪そうな顔をしてキセルを箱にしまう


「何回聞いても早くなりませんよ、まったく」


アヤノの祖母は夫が見ている画面を見ている

アヤノの友達が編集したと言う追い出し会の動画が流れており、ちょうどシンが狙撃される所だった

これも何度も見たかわからないけども何度も見てしまう


「‥‥1回戦でって思う気持ちもありますけど、それも難しかったみたいね」


先日決まったトーナメント表をアヤノが部屋に貼って行った

それをアヤノの祖母は見ながら言う


「言ってやるな、それも含めてなんだろう」


アヤノの祖父は湯呑みを掴み、お茶をすする


「もどかしいわね、こういうのは」


アヤノの祖父は湯呑みを置いて、難しい顔をする


「何回も言うな

それよりもアヤノから連絡はこんのか?」

「聞いてますけど‥‥

全国大会終わるまであんまり連絡したくないって、向こうから言ってきたそうよ」


アヤノの祖父は箱にしまったキセルを取り出して、草を詰めて火をつける


「もどかしそうね」


アヤノの祖母にそう言われて

フンっと言いながらキセルを咥えて口に煙を溜め込み、煙を吸い込むとプカっと煙を吐いて、外を見ながら


「もう夏か」


もう1度キセル咥えて口に煙を溜め込んで煙を吸い込む


「あなたが待ちに待ったね」


アヤノの祖父は咽込んだ



あの日、寮の屋上でシンが夕日に照らされて言っていた言葉

リンはむ〜っと拗ねて

アヤノとサリはあははっと笑うも目が笑ってなかった

ウイ、ポー、ルカ、カヤはしょうがないかって感じで苦笑いする

エルとヒルは納得してない感じで下を向いていた



覚悟がね‥‥決まったのよ‥‥アンタ達ともう1回やりたいって



そう言って、シンは夕日を見ていた

表情は見えなかったし、見なかった

誰もがやる気に満ち溢れて獰猛な感じを想像していた


「そう言う事だから

誘ってもらって悪いけど、断るわ」


皆の方を向いてシンは笑いながら言う


「休みとかは遊べるよね?」

「冬休みとか、春休みとか」


エルとヒルが聞くとシンは難しい顔をして


「アネェ達次第かな

来年にはファミリーに入るって言ってたし

寮も泊まれなくなるだろうし」


シンは、ん〜っと伸びをすると


「そろそろ行くね

また誘ってよ

本当に今日は楽しかったぁ〜」


そう言って、シンは屋上の出入り口の方に歩いて行く


「またね〜」


シンは手を振ってドアの向こうに消えて行った

残された9人はシンが行った方向を見ていた


「よし!やるぞー!」

「来年は勝つんだからね!」


アヤノとサリは立ち上がって声を上げる

気合いが入った感じだった

ウイ、ポー、カヤは


「冬休みとかは長いわね」

「大丈夫よ、何とかなるから」

「シンに合う服ってどんなだと思う」


次に来るシンを可愛くしたいとノリノリで話し出していると


「私も」


ルカが参戦する


「「はっ〜‥‥振られた」」


エルとヒルが肩を落として、残念そうに言うと


「なんで!私は来年中学なんですの!!」


リンが言うと、全員から呆れたように


「「「「「「「「留年すれば」」」」」」」」


と言われて、キレていた


あんまりメッセージを送ってこないシンからグループにメッセージが送られてきた


〔全国大会終わるまではあんまし連絡しない〕


そんなメッセージがグループに送られてきたのは6月後半あたり地区大会の半分以上が終わった時だった

冬休みは会えずに春休みは1日だけしかシンと会えずにいたので、色々な悪い事を想像してしまう


〔メッセージを送りすぎだった〕


と送っても別にとかの返信が送られてくる

シンの母親に聞いてもなんかはぐらかす感じだったけど


〔本当に嫌いとかになったわけじゃないから安心して〕


と返ってきた


そこからグループのメッセージは誰も送らなくなった

ウイ、ルカ、エル、ヒルは意気消沈していた

アヤノとサリは気合いが入って練習に熱が入りまくっていた

ポーは中学の剣道の大会を勝ち進んでいるし、リンは中学バレーでレギュラーになって地区大会に出場していた

カヤは買い物とかで気持ちを紛らしてる

元々シンという共通点が無ければ集まる事がなかったので、それぞれ元の生活に戻っていった



今年の全国大会は開法学院で準々決勝以上が行われる

アヤノとサリは宗鳳学院で行われた1、2、3回戦の時にシンに会う事は出来なかった


アヤノとサリはシンに会おうと何度かメッセージ送ったけど返って来なかった

開法小はストレートで全部勝ったけど

咲川小は全部フルセットまでもつれて勝っていた

会場は違うけどスコアはわかる


最後の3回戦の後に見に行こうとしたけど

開法中学が3回戦フルセットの末、敗れた試合の応援をしていたので、見に行けなかった

それにカラマ監督にも止められたので、シンと会えないまま開法学院へと帰った

次勝てば準決勝で咲川小とやれる

決勝ではないけど緊張する

アヤノとサリは今までで1番緊張していた


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