表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暗転と  作者: 石葉竜
3/6

慨世

 目に映る現実、それは虚構であり全て偽りで飾られている。 人は目に見えぬ真実こそ恐怖を感じる生き物なのだ。 人は真実を曲げて生きている。 僕には真実なんて必要としていないし曲げる事もない。 強いて言うのであれば、孤独こそ僕の真実だろう。


二十歳以来、自分自身を見失っていた僕は、毎日、毎日心を磨り減らしていた。 喜びを感じる事もなく怒りを覚える事もなく、ただこの空間の時間を運んでいるだけで、出来ることならもう運びたくは無いと思った。 なぜなら、僕の時計も二秒にまだ達していない。 鼓動が停止した瞬間が二秒を刻むのだと。


この空間、昔はとても嫌悪感と恐怖感があった。 しかし、今は比べ物にならないくらい居心地が良く、無音が響き渡るこの部屋は、恐怖と言う感覚を麻痺させてくれる。 純粋で、この社会や世間、人間関係を知らなかったあの頃の僕には残酷過ぎた空間。得体の知れぬ漆黒の渦巻きに飲込まれそうで怖かったし嫌いだった。 それでもこの空間は、二十歳を過ぎた僕を反芻しながらゆっくりと飲込んでいった。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ