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プロローグ

 ブラウン大陸では魔王と人の戦いが長い間繰り広げられてきた。

 

 争いの中、多くの敵を屠った者にはその武功を讃え二つ名が与えられるようになる。

 

 特に当時最前線だったトラヴァス王国、その主力である『剣鬼(けんき)』『騎士王(きしおう)』『賢者(けんじゃ)』『聖女(せいじょ)』『黒雷(くろいかずち)』『魔殺者(まさつしゃ)』の二つ名を持つ、種族も経歴も生き方も違う六人の実力者達。

 

 人々は彼らを『六大討滅者(ろくだいとうめつしゃ)』と呼び、数多の強力な魔物・魔族を葬り大陸中にその名を広めることとなった。


 永遠に続くかと思われた戦いも、魔族の長である魔王が倒されたことで終わりを迎える。

 

 ──それから更に五年。


 魔族の残党狩りに区切りをつけ、トラヴァス王国首都から少し離れたカーデナ街へやってきた『黒雷』のレトロは、街の酒場で耳にした自分と同年代であろう女性達の話をもう一度頭の中で復唱する。



(今の仕事初めてもう三年じゃん? だからそろそろ考えてるんだよね)

(考えてるって……何を?)

(何をって、そりゃあ……)




「…………」


 そこでゆっくりと瞼が持ち上げられ、そこから赤い瞳が覗く。

 顔の前で組んでいた手を外すと、ベットの横の暗がりへと彼女は視線を向ける。

 正確には……その影に溶け込みそうなほど黒い魔剣の名を呼んだ。



「マクスウェル」

『──どうした、我が(あるじ)よ』



 いつも通り、落ち着いた返事が返ってくる。

 彼も自分と一緒にあの場所にいたのだ、女性達の話は聞いていただろう。

 細かい説明を抜きにしてレトロは相棒へ、今しがた決めた決定事項を口にした。


「私……転職しようと思う」

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