民道
同人誌で一度発行しています。
なので『民道』を読まれた方は同じものです。
つぎの、「デストピア・ディストピア・ユートピア」がわかりにくいので、今回丸ごと出したのです。
ピクシブにも掲載
旗がたなびく。
残念なことに、あまりの強風で、青と赤の二色がちらちらし、図案がわからない。
広げれば、下半分は水の青、上半分は戦火の赤、天地貫くように中央に一本の白い線が入っている、万界軍の軍旗である。
ソレに基盤となる国はなく。
ソレは連合国の体裁を作るが、独裁国家である。
ソレは最強の戦神たちを麾下と呼び、その一軍を持って、複数……数十の世界を支配した。
万界王。
世界はおよそ三つのタイプに別れた。
万界王のなじみ深い大宇宙世界。これを多宇宙型世界と呼ぶ。数千・数万の星系を持ち、天に輝く星々すべてが、恒星、太陽であり、それを囲み、惑星が複数回る世界。
それと対局なのが、単一型世界である。まるで神話の世界観のように、一枚の板に世界すべてが乗っているような。
その中間、星系が百未満の宇宙の体裁を持つ世界を、寡宇宙型世界。
およそ、というのはそこに入らないもう一つの型がある。
それは宇宙型に似ている。真空・絶対0度の、真っ暗な世界。そこに星はなく、板もなく、生命もない。ただ、多宇宙型より広く、暗い、支配する意味を持たぬ世界。多宇宙型の末期のようにも思われ、科学力の突出しているトークン族が熱心に調べたが、多宇宙型にならなかった宇宙型とでもいうべき、光を拒んで、ビッグバンを起こさずに、それでも膨張したという不思議な世界であった。
万界王はその四つ目には、異世界通行用門を設置したが、ほとんど無視した。ゴミ捨て場にちょうどよさそうとは思ったが、王は星新一のSFを思い出したので、やめた。トークン族の科学力、麾下の魔法の目で見つからないだけで、何か生命体がいたときに、はなっから嫌われる状況を作るのも、愚作だ。
なので、無視した。
そんな事情から、公式では世界は三種類とされている。
設定一覧
トークン族
多宇宙型に生息。泥(物質)の身としては最強種族。核兵器を使われても、直撃しなければふっとばされて「ああ、熱かった、痛かった」と、起きあがってくるような頑丈さ。
かつてドゥルックという種族名だった科学力すぐれた恐竜型知的生命体。頭が大きく、見た目はティラノサウルス。統治形態はアナイス・リリーという人工知能を施政責任者(というか企業経営者)においた、超社会主義的な平和国家だった。後に早百合と麾下達に『無血降伏』し、現在に至るまで最大の戦争功労種族である。一番の功労は、早百合の虐殺の半分以上を、その頑固さで止めてきたことだ。世界に愛された種族と早百合が呼んでいる。
ヤム族
単一世界に生息。茶色の鼠の姿をした、万界軍のマスコット。『無血降伏』後、早百合に愛されて身近な世話を任される。茶の用意、目覚めなど。ヤムは世界意志の総意で動き、早百合を神様と呼ぶ。自分たちがマスコットで、可愛いことをよくよく知っている腹黒さんたち。
アラクネ族
多宇宙型に生息する蜘蛛。柔らかな毛の下は最強度の皮膚を持ち、戦車に踏まれたぐらいではぴくともせず、弾丸も反れるほど。万界軍(というより早百合一人)に種族の半数を虐殺された後、下る。虫けらなので、その虐殺をあまり気にしていないが、遺伝子に早百合に逆らわないという本能はインプットされた。実際、自分たち以外の生き物をほとんど全滅させ、子への糧をとれなくなり、滅びに直面していたところだったので、獲物を確保できるチャンスをくれた万界王に感謝している。
早百合曰く「たくさんの種族をみてきましたが、初めてですよ、欲望のまま、惑星を全部果樹園にしてのけたようなのは(だいたい砂漠になる)」
その誠実と頑丈さと、潔さを愛されて、常に戦場に伴われる。
通貨
為替レートは『世界』対『世界』ではなく、いったん万界軍に通される。
そのとき、給料として便宜上使っていた点数が、まんま共通通貨化してしまったので、ポイントのままであった。今更名前を変えても、大変なので、このまま使用され続ける。物質(硬貨や紙幣)としての通貨ではなく、データーマネーである。
軍票(軍が発行する。紙幣もどき。約束手形)より不確かで、なにかの拍子に破綻する懸念があったが、トークン族の銀行頭取連が介入し、健全な通貨としての体裁を保っている。というより、現状、一番安心な通貨になっている。
早百合が万界構想の中心に置いたコンビニに、レアメタル・金などを中心に、データーマネーに用いている金額の約5/13相当を常に持っているので、酷い暴落は起きない、起こさない。またコンビニの商品全部かき集めると、おおむね9/13に相当する資金を常に所有していた。
コンビニとは、早百合が各世界に常時つながる『便利なお店』を置こうとして、結局巨大ショッピングモールになった上、三百六十五日・二十四時間営業はできなくなったモンスターショップのことである。商品を維持するために店時間で六日、最低倍速の世界に沈められ、一日だけ開店する。
早百合にしてみたら、三年に一度のバザールである。
異世界通行用門
ただのゲートだと混乱を招く、というだけの理由で『ベスト』をつけくわえられている。
ラブクラフト
麾下達に英語を教えたのは、その怪奇作家であったので、言葉がそちら寄り。麾下達には英語は読めるが日本語は読めない・たどたどしい者も多い。
めくれる電子書籍
トークン族製品。正式名称『紙に限りなく近づけた電子図書ダウンロード版アップロード12。防水・防炎対応』。好きな大きさに、好きな文字サイズに、そして正しい厚み(百ページの本ならその厚みに、千ページならそのようになる)になる。書き込んでも、すぐに消せて記録も可能。一枚一枚紙の厚みでめくって読める仕様に、早百合がしている。コンビニカタログ上梓(最初の本)以外は、万界軍の発行物はこれになる。風呂で読めるので重宝。防炎と明記されているので、火炎放射器に嬲られても壊れない優れものだが、太陽に落とすのはアウトである。
移動要塞
小型を『鮫』型と呼び、偵察・研究用はワンズ、戦闘用をソード、輸送用をカップ、護衛用をコインと呼ぶ(小アルカナ由来)。宇宙船であり、鮫型は「戦闘艦」とも呼ばれる。軽く数万人暮らせる。中型サイズは『鯱』型と呼ばれ、大アルカナ(タロットカード)で名前が付いている。
最大のものは「鯨型」。支配した世界に一基ずつ置かれ、執務室・代理王の居住区となっている。名前は百人一首からつけられている。
いずれも人工知能を搭載し、自己判断で要塞を動かせる。