アルマムーン帝都 観光案内
アルマムーン帝都は、光の都とも呼ばれる。
街灯を発明し、帝都の街中に設置させたのは、他ならぬ現在の皇帝だ。
帝都のほぼ真ん中には川が流れ、飲み水の供給や、水遊びの場として有名だ。
川にはいくつもの橋が架けられている。
最古の石造りの橋は、約400年前に架けられ、今日もまだ使用されている。
帝都の道は、碁盤の目のように整備されている。古代の歴代帝国の都を参考に、街が作られているという。
アルマムーンの帝国城は、街のほぼ、ど真ん中にある。
これは、四方どの方向から攻めこまれたとしても対応できるように、このような配置になっているという。
そして何より、この国には、『薬草・ポーション・アイテム錬金研究所』なる研究所があり、その研究所には、非常に優秀であり、なおかつ美しき女研究員がいるという。
優秀であり、見た目も美しい、しかしそのプライベートに関しては、謎に包まれている。
このようなことを、わざわざ観光案内に書いているのだ。
この研究所では、薬草、ポーション、指輪、腕輪、アクセサリーだけではなくて、例えば2種類、3種類の食材を錬金で組み合わせて料理を作ったりとか、いろんな錬金の研究をしているという。その組み合わせは、無限大だという。
次に、帝都の外に目を向ける。城壁で囲まれている範囲から外に出ると、そこにはのどかな耕作地が広がっている。
川は、どこまでも流れている。そして耕作地では、米、麦、キャベツ、レタス、トマト、それから、根菜や、緑黄色野菜、さらには、珍しい種類のものも栽培されている。
果樹園や、畜産も盛んだ。りんご、みかん、いちごなどが特産品である。
食肉は、牛肉、豚肉、鶏肉など。
川や海で獲れる各種の魚も、また美味で、さまざまなジャンルの料理人も集う。
帝都の北の方には、『王家の墓』と呼ばれる遺跡群があり、古代アルマムーン第1王朝時代、約4500年前に建造されたものだという。
内部の構造は、現在発掘調査中であるという。考古学者たちによる著書も、多数出版されている。
遺跡群から発掘された骨董品には、鑑定士たちがその価値を決め、驚くほどの高値で取引されることもあるという。
歴代のアルマムーン帝国皇帝が、何世代もかけて国を建設してきた、たまものである。
我々の世代の時代もまた、そうして国造りを担ってきた数々の世代の中の一世代に過ぎないのかもしれない。我々の世代には何ができるか、何を残せるか、日々模索しているところだ。
このアルマムーン帝国の平和な日々がいつまでも続くことを願いたいが、万が一にも、この肥沃な土地を狙って、魔物や敵国が攻め込んでこないとも限らない。
その時には、我々アルマムーン帝国軍一同、全力で戦いに臨む所存だ。