三種の神器
愛野薬子を重宝すれば、この国は大いに栄える。しかし、愛野薬子をぞんざいに扱うと、国は滅びる。
宰相のビスマルクからの警告だ。
さて、アルマムーン帝国には、帝国に代々伝わる、三種の神器という武器がある。
アルマムーンの剣、アルマムーンの槍、
アルマムーンの弓矢だ。
アルマムーン帝国の中央帝都は変わった。
愛野薬子が来てから、街灯に電気が灯り、発電所から電気が送られ、家々には蛍光灯が灯るようになった。
さらに、鉄道が開通し、空港までできた。
そして、さらにさらに、ファンタジーの世界に、まさに魔法のような『家電』なるものが普及し始めた。
家電の三種の神器、電気冷蔵庫、電気洗濯機、そして、テレビだ。まさに、魔法のような存在だ。
とりわけ、テレビは、スイッチをいれると画面の向こう側に、見知らぬ人物たちがいて、お笑いネタを披露したり、歌を歌ったり、芝居をしたりする。
中に誰かいるのか?と不思議に思われることもあったが、こりゃ本当に、魔法の箱だわ、テレビという、この機械は、ということになり、たちまち帝都の人々の間で評判になった。
ちなみに、テレビの普及率は、アルマムーン帝国の中央帝都で100%となった。
他のどの国でも、この数字は達成できていない。まさに世界一の都となった。
さらに、ファンタジー世界初の、鉄筋コンクリートの高層マンションを建設することになった。急増する人口に対処するためだ。
これはさすがに、物議をかもした。アルマムーン帝国の中央帝都の、昔からの景観を台無しにしてしまうという懸念があった。
そこで、高層マンションは、新市街地の
再開発という名目で、新たに開発が行われる新市街地地域に建設することになった。
「なんだか、愛野薬子様が、この国の女王様のような気がしてきたな。」
町の人々の間では、こんなことが言われていた。あまりにも愛野薬子の貢献度が高まっていたからだ。
敵国も、魔物も、そんな愛野薬子に恐れをなしたのか、攻め込んでこなくなっていた。
「うう、あの女、次から次へと、見たこともない発明品を繰り出してくる。
不気味な女だ。うかつに手を出せないな。」




