光の剣と闇の剣
鉄道と空港の建設が始まって、数ヶ月が過ぎた頃、テオドール皇帝が直々に研究所を訪れ、ある提案をしてきた。
テオドール「ふむ。鉄道や空港というのも悪くはないが、そもそもこの研究所では、薬草、ポーション、装飾品以外の錬金は、あえて行わないというのは、何か理由でもあるのか?」
これは、この研究所の初代創設者の信念だという。敵を倒すような武器よりも、薬草やポーション、装飾品など、傷を回復したり、身を守るようなものを錬金で作りたい、錬金の力を、そのような形で役に立てたい、とのことだったという。
テオドール「どうだ?そろそろ、この研究所でも、武器などの錬金を行う気は無いか?
この世界のどこかに、光の剣と闇の剣という、相対する二つの力を持つ剣があるという。
その光の剣と闇の剣とを、お前たちの錬金で組み合わせたとしたら、どんな剣になるのだろうな。
そして、その剣は私が所持することにする。」
魔王を倒すほどの力のある光の剣、一方で、闇の剣は世界を滅ぼすほどの力があると言われる。
だけど、まだどこにあるのかはわからない。世界中を探し回っているものの、見つからないという。
それに、普通の人間では、手に触れることすらできないという。選ばれた者にしか、所持、使用が許されないと伝えられる。
テオドール皇帝は、それを自らの権勢を内外に示すための道具として使いたいのだ。
薬子「わかりました。ただし、私たちの錬金の力を持ってしても、無事に組み合わせが成功するという保障は有りません。」
テオドール「なに、実際に探すのは、配下の将兵たちだ。
君はただ、私とともに、将兵たちが光の剣と闇の剣を探しあてるのを、指をくわえて待っておればよいのだ。余計なことは考えるな。」
薬子「わかりました。」
その一方で、アルマムーン帝国は、更なる領土の拡張に力を注いでいた。
既に大陸は統一したものの、外界には更に大きな大陸や、全くの未開の大陸、あるいは魔物に支配された大陸などもあり、いずれも戦火の絶えない地、未開の地、魔物に苦しめられている地など、さまざまだった。
アルマムーン帝国は、これらの地にも、
鉄道を敷設し、空港を築きたいと考えていた。そして、そのためには帝国の領土とする必要があると考えていた。
その一方で、テオドール皇帝は、レア装備のコレクターでもあった。
光の剣と闇の剣を手に入れようというのもその一環だった。レア装備をどれだけ所持しているかを示すことが、アルマムーン帝国の威光を内外に示す、その一環と位置づけていた。
レア装備とレア装備を錬金で組み合わせ、更にレアな装備に、それこそ世界に一つだけしか無いレア装備になるだろうと、彼は言っていた。
そして私は、いつものように、薬草とポーションの錬金を行っていく。




