厄介ごとの放課後
お久しぶりです。初めての方もようこそ。ちょっと実社会でイラつくことがあったので罵詈雑言満載かもしれませんがよろしく。
学校とは静謐な時間が流れていなければならない。
少なくともカーライルはそう思う。
カーライルはその端正な目元を細めた。
静謐な中ただ学問と戯れるためにこの場所にいるはずなのに。何なんだろうこの目の前の生き物は。
カーライルは足元にしがみついている世にも醜い男を見下ろした。
本当に無様だ。知性というものが全く感じられない。その上どうして静かに読書を楽しみたい自分の足元で人の迷惑も顧みず泣きわめいたりするんだろう。
カーライルは暫く耐えていた。そっと窓の外を見た。窓の外では校庭で球技を楽しむ生徒たちの歓声が風に乗って流れてくる。
みんなとても楽しそうだ。なのにどうして自分だけがこんな状況にあらねばならないのだろう。
そして思った。これは原因を殴っても自分に罪はないのではないだろうか。そう考え手にしていた本を机に置いた。
彼は自分の足元で泣きじゃくっている男の襟首をつかんだ。そして細身だが均整の取れた奇麗な筋肉のついた左腕で持ち上げつつ立ちあがった。
そしてその右手で拳を作りを大きく振りかぶった。
「何してんだよお前」
その腕に取りすがる誰かがいた。
「何故邪魔をする?」
「いや、この状況を見たらだれでも止めるだろう」
「どうして?」
背後からもう一人現れた。
「僕としても状況がわからないんだけど、足元で泣いている人間をいきなりつかみ上げて殴ろうとはふつうしないもんだよ」
凡庸としか言いようのない顔をしかめながらクルトはそう言った。
凡庸なのは顔だけではない、成績は上位にぎりぎり入るが運動に関しては普通に限りなく近い。
あまりにも凡庸すぎて周囲に埋没すらできない。あまりにも個性がないせいだ。
「というかお前もいったい何をしてたんだ?」
そう言ってカーライルの手から無理やりその襟首を話させて。ピーターはその泣きじゃくる無様な存在に声をかける。
「本当にどうしたの、なんか酷いことを言ったの?」
「お前は人をなんだと思っているんだ」
「いいからいいから、カーライルにどんな酷いことを言われたんだ?」
二人はカーライルを無視してまだ泣きじゃくっている相手に口々に尋ねた。
「俺、どうしてもお願いしたいことがあって、相談に乗ってほしいって頭を下げて頼んだのに、一言も話す前にいやだって」
「少しぐらいはいいんじゃないの?」
あまりに哀れを誘う姿に思わず来るとは言った。
「なんで俺がどうせくだらないだろう話に付き合わなければならないんだ?」
「いや、それ言いすぎだって」
ピーターがそう言ってカーライルをなだめる。
「で、どうしたんだ、俺たちが相談に乗ってやるぞ」
ピーターが無責任に言った。