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賢者 レオナ・ハリス

「東ポルト領を治めるハリス侯爵家、長女レオナ・ハリス。神の名において貴殿を勇者随行の賢者として命ずる。魔王ギガデーンを倒し、我らがソルエンド大陸の平和をもたらす任務を与える」


 ソルエンド大陸最大にして最強、最上級の教会。デレン・マギ教会の最高司祭より使命を与えられたのはレオナが十三歳の時だった。

 侯爵家の長女に生まれ落ちた瞬間から人が持つ力にして最大級の魔力を身に宿し、それに奢ることなく鍛錬し精進したレオナはその使命を授かった時にも自分には当然の神託だったし、自分以外の誰にも無理な役柄だと思っていた。

「ありがたき幸せにございます。誉れ高い勇者様の御一行の末席に置いていただけるのは身に余る光栄でございます」

 十三の小娘にしては上出来な受け答えをして、周囲を感心させた。

 レオナはサンジュルク魔法学院で常に成績トップ、教授には褒められて他の生徒の模範となるべく努力を続け、上級生から下級生まで全ての生徒に慕われてきた。

 魔法使いから賢者にランクアップするまでもたゆまぬ努力をし続けてきた。

 彼女は勇者の仲間になり、魔族、魔物を倒し、やがては魔王すら討伐してしまうだろう。


 神託の次に司祭は「未だ勇者は現れぬが、それを待つ間も鍛錬を怠るでないぞ」と仰った。だからレオナは勇者に出会うまで、決して奢らず、サボらず、ひたすら自力を高める努力を続けてきた。


 だが。

 勇者は未だ現れないまま十年がたっていた。


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