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降伏

 9-34

(ヘリオス)を操縦しているのはM1ロボットだった。

香澄の考えを踏襲する能力と(ヘリオス)の様なロボットをコントロール出来るのだった。

(アントラ)の支配下に有れば、何も出来ないが支配が無くなれば入り込める。

「M1は凄いわ、巨大ロボットを操縦しているわ」と驚く香澄。

「えー、そんな事が出来るのか?」

「相当高性能に出来ているのね、私にも判らない能力が隠れているのね」と感心する香澄だ。

森山が「体当たりをしていますが、壊れませんね」と香澄にテレパシーを送って来た。

地上の攻撃が再び始まって、一点に集中してレーザー砲が炸裂する。

M1ロボットに地上を体当たりする様に指示する香澄、海中から飛び上がる(シリウス)。

レーザー砲で攻撃した部分を有田がサーベルで切り裂く、表面に微かな傷が出来た。

そこに(ヘリオス)が体当たりをすると、扉が少し破壊された。

中からレーザー銃が乱射される。

「危ない、有田さん逃げて」香澄がサイコキネシスで有田を船に戻す。

「中に守備ロボットが沢山居ます」その向こうにシールドが張られていますと堺少年が壊れた扉を凝視して話した。

再び壊れた扉にレーザー砲の集中攻撃、再び(へリオス)の激突から扉を大きく破壊する。

「おお、破壊されましたね」足立が嬉しそうに言う。

「シールドの向こうは見える?」

「いいえ、見えません、僕の透視も遮られています」

「(へリオス)にシールドを破壊させて」とM1ロボットに指示をする香澄。

M1ロボットが今度は(ヘリオス)も中に入れて、レーザー砲の防備の中シールドを壊しに向かう。

防御用のロボットを次々と片づける有田のサーベル、佐藤も中に入ってロボットの攻撃を上手にかわして捕まえてぶん投げる。

シールドも中々壊れない。

防御ロボットが総て排除されて、香澄と南が交互にサイコキネシスで中に入った。

「オマエガ、ムーノリーダーカ?」いきなり香澄にテレパシーが届いた。

「貴方が(アトラン)?」

「サスガニ、ツヨイナ、ゴエイノロボットノ、ノウリョクヲシラナカッタ」

「私も知らないから、当然よね、諦めなさい!」

「イチマンネンイジョウマッタガ、マケノヨウダ」

「どうする?」

「オマエノブカニナル」

「えー、何故?」

「ワタシガキョウリョクスレバ、ホシニカエレル」

「移住を助けると言うの?」

「ソウダ、ワタシモシニタクナイ」

「特殊金属が無ければ船は造れない、ムー号の機関部分の引き上げも出来ないでしょう?」

「チキュウジョウニハナイ、ニセキノボセンハ、ヒキアゲテモツカエナイ、ヒキアゲハムリダ」

「判っているは、一万年も海中に沈んでいたら、宇宙の飛行には堪えられないわよね」

「チキュウカラ、100コウネンノトコロニ、ワクセイ(コロン)ガアル、ソコニソノキンゾクガアル」

「調べていたの?」

「ワタシモ、チキュウニシェルターヲツクルカ、ニゲルカヲカンガエテイタ」

「とにかくこのシールドを外さないと信用出来ないわ」

すると直ぐにシールドが解除されて、香澄、M1,南、M18、片腕のM38、佐藤、有田、M8がシールドから奥に入っていった。

薄暗い通路を進むと急に広い場所に到着した。

明るく成る大きな部屋、中央に大きな仏像位の大きさで機械の塊の様な物が有る。

「ヨウコソ、アントラデス」と何処から聞こえると言う訳でも無く聞こえる。

「先程の提案だと、協力すると言ったわね」

「ハイ、ムーゴウノキカンセンヲヒキアゲルノデショウ」

「よく判るわね、テレパシーで判るわよね」

「シンカイマデイケル、センスイテイガホシイノデショウ」

「その通り、特殊金属で造りたいの、溶鉱炉も持っているでしょう?」

「センスイテイヲツクルタメノ、キンゾクヲトカシマショウ」

「協力してくれるの?」

「ハイ」

「数千年後にはこの星は隕石の嵐の中、それまでに沢山の我々の仲間を助けたい」

「イマノブンメイデハ、ムリデス」

「貴方が反乱を起こしたからでしょう」

「チガイマス、ジャインハカセノハンランデス」

「あの有名な?宇宙船の第一人者が?」

「ソウデス、ワタシガハンランスルヨウニプログラムシマシタ」

「えー、本当なの?」

「トナリノヘヤデ、トウミンチュウデス」

どうやら、ジャイン博士が(アトラン)を使って征服を目論だ様だ。

アトランティス号に乗って地球に来た事は、アール星では有名な話しで、将来地球で宇宙船を建造して子孫を再びアール星に戻す。

将来は地球とアール星を使って人類の繁栄を託された人物だった。

(アトラン)の反乱と自分の冬眠が相反して、ムー号の沈没によって地球の文明が三百年以上遅れた事は計算外の出来事だった。

「博士はいつ目覚めるの?」

「モウスグデス」

「征服は無理ね」

「ハイ」意外と(アトラン)は香澄に服従していた。

「アメリカ大統領を戻しなさい」

「ムリデス、ナクナリマシタ」

「世界に発表して」

「判りました」

何処まで本気か判らない行動の(アトラン)だった。


自衛隊が懸命に土砂を排除していた島も格納庫が開けられて、今まで何をしていたのか?と隊員達が驚いたのだった。

(アトラン)は溶鉱炉の場所、造船設備、ロボット工場を次々と教えて開放していった。

但し、地球上の人が香澄の指示以外で立ち入らない条件を出していた。


それから半月後石山達が造船所に入り、本格的な潜水艇の建造に着手した。

(アトラン)の協力は科学者一千人以上の力で、一月後には潜水空母、戦闘艦の解体、その他の特殊金属と動かないMロボットが溶鉱炉に入れられて、溶かされて潜水艇の形に造り変えられる。

香澄達と一緒に来た人々は飛行機で地元に帰って行った。

本城姉妹も風間も足立も帰って、報道は超人達の活躍で世界が平和に成ったと褒め称えた。

アメリカ大統領も別人に変わって、超人達は(アトラン)のコントロールで基地に戻っていた。

全員脳にチップを埋められていたため、(アトラン)の指示が無ければ行動は全く行わないのだった。

二つのロボットは解体されなかった。

理由は惑星コロンに特殊金属採取に活用する為だった。

世界が平和に成ったが、一千年後には地球が破壊される事。

自分達は異星から来た人類で、動物たちは先人が作ったペットだったと知ったのだ。

それから一年以上の時間を要して、ようやくロボットアームの付いた潜水艇が完成するのだ。

Mロボット達が乗り込む場所も潜水艇の外に用意されて、いつでも発進出来るからだ。

勿論シリウス(ヘリオス)も同行して、ムー号の機関部を浮上させる。


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