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M1の能力

 9-33

「あっ、ネットが外れている」と堺少年が再び叫んだ。

ミサイルが空母に命中したので、大きな爆音がして空母が衝撃に揺れる。

辛うじて特殊金属の部分に命中して、衝撃だけで終わった。

南がサイコキネシスで動きをギリギリで止めると、有田がジャンプでサーベルを切りつけるが急所に命中しないので、磁気ネット銃で狙う佐藤、頭部を掠めて外れる。

三人の超人と(シリウス)の対決、南のサイコキネシスで海上に吹っ飛ばすと、有田と佐藤が銃を構える。

「体制を立て直して、体当たりをしてきます」堺少年が叫ぶと、南が再びサイコキネシスで、今度は上空に方向を変えると、空母の頭上をもの凄い勢いで飛んで行った。

南でも中々止められない、方向を変えるのが精一杯だ。

堺少年を戦闘艦から移動をさせた香澄の行動が空母を救った。

Mロボットが少年を運んで、護衛以外に移動をさせてくれる事を始めて知ったのだ。

テレパシーの使える超人にはこの使い方が判ったのだ。

Mロボットの能力はまだまだ不明な部分が多くて、M1はもっと大きな謎の部分が有った。

近くの島にそのまま激突した(シリウス)。

もう一度襲ってくると思っていたら、上空を飛び去っていった。

(アトラン)がもう一体のロボットを正常に動かそうと、救いに行かせたのだ。

一体では互角の戦いに成るから(ヘリオス)を使おうと考えたのだ。

しかし香澄はその二体に送る(アトラン)の微かな信号をテレパシーで捕らえたのだ。

発信された島に急行する戦闘艦「総攻撃をしましょう」ミサイル、レーザー砲で島を破壊する作戦だった。

潜水空母から島に渡った自衛隊と作業重機は、焼け野原の島の土砂を次々と海に落として行く。

ここが格納庫だとは判っているが、中から攻撃する気配は全く無いのだ。

(アトラン)は格納庫を開けることが出来なくなっていた。

超人達が近くに居たからだった。

直ぐに進入されて兵器を破壊されてしまうから、自衛隊だけなら速効で攻撃出来たのだが、今は二体のロボットの到着を待つのみ我慢の時だ。

だがそのアトランに大きな振動が伝わった。

戦闘艦から基地に砲撃が始まったのだ。

ロボット兵が緊急配備についた。

過去にこの場所は一度も攻撃された事は無いし、地震に対する免震構造も地球上の最高水準よりも高いので、この振動は攻撃以外の何ものでも無い事は直ぐに判る。

次々と撃ち込まれるミサイル、レーザー砲、危機を感じた(アトラン)は超人達を呼び戻す。

ロシアに潜入していたA-1,2,3、5の四人に連絡が行った。

絶え間なく続く振動、島の形が変わる。

草木が燃えて、土砂が海中に沈むと、やがて金属の扉の一部が露出して「ここに間違いが無いわ、でも特殊金属の扉だわ、頑丈で一点に集中攻撃でないと壊せないわ」と香澄が言う。

「面白い作戦が有ります」と石山が香澄に進言した。

「何ですか?」

「私と学生で作ったのですが電磁シールドです!ネットの逆バージョンです」

「成る程、今度は発信を混乱させる」

「はい、今まで(アトラン)の場所が判らなかったので、術が無かったのですが場所が確定すれば、この装置は完璧に使えます。距離が幾ら有るかが判りませんが」と言う。

香澄は砲撃を中断して、M1に電磁シールドの設置場所を掘り返す指示をした。

石山と香澄は島の地形を見ながら、攻撃している場所から離れた地点をM1に指示して直径一メートルの筒状の装置の設置を命じた。

戦闘艦から飛び出すM1、教えた場所に到達すると、身体をドリルの様に回転させて地表を掘り進む、これも特殊技能の一つだと香澄は思うのだった。

強烈に早い速度で自分の身体がすっぽりと入る穴が出来ると、反転出来る場所を作るM1今度はその穴を凄い早さで地上に飛び出してきた。

「わー、凄い!早いわ」と感嘆の声をあげる香澄。

潜水空母に居る超人達に場所を教える香澄、その島は自衛隊に任せてこちらの本部基地を攻撃しましょうと伝える。

M1が電磁シールドの筒を抱えて再び飛んで行った。

「これでロボットの動きが止められたら、我々の勝ちですね」

「まだ、超人達がいますよ」

「あの、変身とか催眠術、カメレオンの様な連中は困りものですね」

「何処に現れるか判りませんからね」と足立と話している間に「設置が終わった様です」と石山が叫んだ。

その話と同時に巨大な二体のロボットが戦闘艦の上空に現れた。

「おおー、戻って来た」足立が驚きの声をあげる。

基地の島に降りたって、M1ロボットと遭遇した。

穴から飛び出したのを、ハエを掴む様に(ヘリオス)が捕らえた。

「あっ、M1が危ない」と叫ぶ香澄「装置作動」石山が叫ぶ。

(ヘリオス)に捕まっていたM1が手の中から地上に落ちた。

二体が動きを完全に止めたのだ。

「成功です」

「石山さん、やりまたね」

「本体の(アトラン)は意外と近いですよ」

「空母が到着したら、総攻撃をしましょう」

香澄はこの二体のロボットも解体の対象に成るだろうと考える。

扉の廻りに集中して攻撃を加えるレーザー砲、徐々に扉の部分が広がって頑丈な特殊金属が露わに成った。

空母が到着して、有田達が戦闘艦にサイコキネシスで飛んでくる。

堺少年が島に上陸して、特殊金属の中を透視出来るか?

もし、出来れば攻撃の方法を考えるのに大いに役立つと思う香澄だ。

香澄のサイコキネシスで南も戦闘艦に乗り移る。

森山が海中に潜って、海底の様子を探索に向かった。

島の底の状態が判らないから、しばらくして「島の底にも扉が有ります」とテレパシーが届くが、海底は攻撃の手段が無い。

「海底も特殊金属?」

「はい、頑丈そうですが、地上の扉よりは破れそうですがね」

香澄はこの(ヘリオス)でも操縦できれば海底の扉を破壊できるが、現状では無理だと思った。

その時M1ロボットが反応をした。

「えー」(ヘリオス)が再び動き出したのだ。

そして海中に消えたて、M1も続いて海中に消えた。

不思議な光景に驚く香澄だった。


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