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盗まれた米国

 9-30

香澄達が暴れるロボット達を尻目に一ヶ月が経過した。

大勢の自衛官達と一緒に本城姉妹も乗船した。

風間記者達マスコミ関係者、看護師、医者も数人が乗り込んだ。

往復半年以上の日程、日本政府のバックアップで一代プロジェクトに成って、横浜港を盛大に見送られて出港してゆく二隻の船、船内は相当安全だろうと思われる。

ロボットが攻撃に来ると、超人達と船の攻撃装備で戦えるからだ。

(アトラン)は全くこの二隻を警戒していない。

テレパシーを使わなければ、それ以外はテレビの画像とかしか超人達を把握出来ないのだ。


船が出港した翌日、アメリカ大統領が突然に核兵器の廃棄を発表したのだ。

驚く各国は勿論、アメリカ国内でも驚きで、マスコミも余りの唐突な発表に評価を出来ない状態に成ってしまった。

A-4が入れ替わって、大統領に成ってしまったのが原因だった。

急に三人が側近に成っているので、逆らう人達は、A-8の催眠術で簡単に従って、本物の大統領は殺害されてしまった。

(アトラン)は地球が破壊されるのは困るのと、アメリカを使って地球の征服を目論んでいた。

翌日には軍部の幹部を呼んで、秘密の攻撃の為の艦隊を組む様に指示をしてしまった。

何も判らない軍の幹部は、何か重大な事が起こっていると考えて大統領の指示に従った。

中国が攻められたので、今度はアメリカが狙われるのか?その懸念が有ったのだ。


香澄達の船がようやく沖縄を過ぎた時、世界を震撼させる演説が行われた。

アメリカ大統領が、今後は(アトラン)に全面的に協力すると発表をしたのだ。

逆らう国はアメリカ軍と巨大ロボットの攻撃を覚悟する様にと発表した。

驚いたのは議会の面々だったが、大統領の処に行くとA-8の催眠術で直ぐに服従状態に変わる。

数時間で議会も軍隊も一致団結で、アトラン帝国に服従しない国には制裁を加えると発表してしまった。

直ぐさま、日本にも服従の打診がされた。

国会は総理の代行が一時考えると答えて、足立に子細を説明して相談を持ちかけてきた。

アトラン討伐の為に、向かう戦闘艦の足立が香澄に相談をする。

「日本の総理の時と同じですね、変身の超人が大統領に成ってしまった様ですね」

「どの様にしましょう?」

「私達が基地に近づく迄は調子を合わせましょう、それと超人の科学者が亡くなって残された超人達が困っていると、報道を大々的にして下さい!安心させましょう、私達もテレパシーを使っていませんから、把握が難しいから困っていると思います」

「判りました、その様に」

日本政府は直ぐさまアメリカ追随を発表して、マスコミも超人のニュースを放送した。

それでも(アトラン)を欺く為に、香澄はM1に抱かれて東京に戻って、テレパシーを使って(アトラン)の監視の目を背けた。

マスコミの報道、超人のテレパシーには敏感な(アトラン)は所詮機械で、感情が無いのが唯一の欠点なのだ。

足立の計らいで、テレビ局各社に香澄が作った画像を順次流す手筈も整えたのだ。


アトラン帝国の呼びかけに応じなかった大きな国は、中国、ロシアの二カ国、アメリカ軍が大規模な艦隊の移動始めて再び世界に呼びかけた。

アトラン帝国に賛同しない国には、アメリカとアトラン帝国が制裁を加える。

ロシアも中国と連携して核兵器も辞さずの態度に変わって、アメリカに対抗意識を剥き出しにしてきた。

戦闘艦に戻った香澄に足立が「大丈夫でしょうか?核兵器を使用すると息巻いていますが?」

「無理よ、核兵器は直ぐに使えなくされるわ」

「何故?」

「殆どの兵器は、暗号入力に成っているか、指紋認証とかセキュリティが万全でしょう?」

「勿論だ!」

「(アトラン)はもう把握していますよ」

「作動しない?」

「その通りです、発射ボタンが押せません」

「恐い、ロボットだ」

「一万年以上住んでいますから、自分の基地の建設以外にも、地球上の事に精通していますよ」

「いつでも、乗っ取れた?」

「文明が低い時は、意味が無いので殆ど何もしていなかったと考えられますね」

「宇宙に行ける文明を待っていた?」

「私達が、一万年遅れて到着したのと同じです」

「母船が沈んでいなければ、この地球はどの様な状態だったのでしょう?」

「太陽系以外にも人類が行って開発していたでしょうね、特殊金属の様な物を採掘しているかも?」

「ロボットも作られていた?」

「アール星に移住の準備が進められていたでしょう」

「(アトラン)であの性能ならムー号にも同じ様な頭脳ロボットが?」

「同じ様な頭脳ロボットが有ります」

「それは?今?」

「私達が作動させないと停止しています、着陸した状態で停止していますね」

「帰る行動は行わない」

「はい、移住計画は私が入力します」足立は話しを聞いていても、理解がよく出来なかった。


アメリカの大規模な艦船が、ハワイから中国に近づいていた。

ロシア、中国の連合もアメリカの艦隊に対抗するべく、集結して第三次世界大戦即発状態が近づいていた。

(アトラン)は偽の服従と香澄が作った映像で超人達の動きを見ていたので、艦船の移動を感知していない。

香澄の指示で空母と戦闘艦に付いて居た。

(アトラン)との誘導、連絡、監視装置を撤去されていたからだ。

(アトラン)には、二隻は既に解体されたとの認識に変わっていた。

空母の中では、自衛隊員と超人達が友好関係を更に深めていた。

水谷姉妹、堺少年は人気者に成って、特に水谷姉妹の容姿には全員が好意を持つ、南と香澄のサイコキネシスで、二隻の船を自由に往来できるから、尚更交代で超人達との友好関係が築かれる。

怪我をしても一瞬で治る特技、堺少年が船の両端での遠視で読み上げる技術に驚嘆の隊員達だった。

これから決戦に向かう迄の和やかな一時を過ごしていた。

日本の自衛隊もアメリカ軍に加わって行動を共にして、近日中には戦闘に成りそうだった。



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