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高性能M1

  9-27

科学者二人が欲しいのは、特殊金属とそれを加工する設備だ。

今の地球上に唯一存在するのは(アトラン)の工場だけだろう、多分そこには特殊金属で作られた溶鉱炉の様な物が存在して、加工が出来るのだろうと考えていた。

今の地球上では、この特殊金属を加工する設備は作れない。

戦闘艦に特殊金属を載せて、地中海まで運んで(アントラ)の基地で特殊金属を加工して、深海艇の建造をする作戦だ。

その為には、特殊金属の潜水空母も沈めずに捕らえる必要が有る。


香澄が「敵の戦力がアップした様ね、アメリカ軍が遊ばれたわ」

「超人八人ですね」

「大体判りましたね敵のエスパーの能力が、サイコキネシスが一人、刀ジャンプ、俊足の男、怪力、変身をする女、催眠術、壁にでも床にでも成るカメレオンの様な女、後一人は指令をしている、テレパシーの強い人でしょう」

「大きなロボットが強敵ですね」

「大きい、早い、頑丈、手強い」

「特殊金属で覆われて居るから、無敵ね」

「村中さん達、科学者の目から見て弱点は?」

「特殊金属の接合部分が弱い可能性が有りますね」

「腕の付け根、足の付け根ですね」

「そうです!有田さんの刀で、そこを切れれば打撃を与えられます」

足立を交えた超人達の会議が続いていた。

決戦は近い。

Mロボットの様に全体が特殊金属なら、地球上の兵器には無敵状態なのだが(シリウス)は外側だけが特殊金属なので、弱点は大いに有りとの判断。


敵方の超人達に戦闘ロボットの部下が配置されて、輸送ヘリで移動を始めた。

(シリウス)も戦闘に加わる様で、決戦の様相。

香澄は密かに森山に、潜水空母が浮上した時、船の横の特殊金属と普通の鋼鉄の境目にプラスチック爆弾をセットする様に指示していた。

潜水を出来なくして、逃げられなくする作戦を考えていた。


飛び立つ輸送ヘリ、潜水空母は駿河湾に現れた。

富士山の近くでの戦闘を考えた様だ。

A3を残して本隊が静岡に向かい、変身、カメレオン、催眠術の三人は再び研究施設を襲う為に移動をしていた。

戦闘ロボットは目立つから、三人の隠密行動、科学者二人の抹殺をすれば、ムー号の浮上は多分阻止出来るからだ。

駿河湾の潜水空母の船底に森山が近づいて爆弾をセットした。

「今、終わりました」とテレパシーを香澄に送った。

それをA3が感知して、何者かが近くに来て居るとテレパシーで探すので、船から離れる森山。

戦闘ロボットが数体空母から飛び立つ、短距離なら空も飛べる海も潜れる。

A3に居場所を発見されて追い掛けるロボット、魚の様に泳ぐ森山、五体のロボットのミサイルが発射される。

上手にかわす森山に命中しそうなミサイルは、Mロボットが身を呈して阻止をする。

「五体のロボットに追われています、やばい状態です」

「御前崎に水谷さん達を急行させるわ、怪我をしても戻って」

Mロボットも森山も攻撃能力は無いから、レーザー銃を持っているだけで、海中では威力が半減するから難しい。

香澄と水谷が御前崎にMロボットに抱き抱えられて向かった。

もうすぐ爆弾が爆発すると香澄が思った時、潜水空母に大きな爆発音が轟いた。

アンドロイドの船員が「船体の側壁が爆破されました、潜行不可能です」

「何!修理は出来ないのか」

「港に接岸しなければ、無理です」A3は移動を諦める。

総攻撃の為に爆撃機も出動させる為、アンドロイドの操縦士を乗せて離陸準備に入る。

研究所を爆撃する為だと日本軍は判っていても、飛行機が離陸出来る空港が近くに無い。


疲れる森山を襲うロボット五体、御前崎が見える位置まで近づいている。

既に三人は到着しているので、香澄はM1ロボットに森山の救出を命じた。

飛び立つM1、一気に水中に潜行して行くと、五体に囲まれて一斉にミサイルが打ち込まれる。

Mロボットが防ぐが森山の身体を掠めて爆発して、衝撃で吹っ飛ぶ森山をM1ロボットが素早く受け止める。

追い掛ける戦闘ロボット、早いM1ロボットは一気に海中から空に飛び上がる。

Mロボットも遅れて付いて来るので、まだ森山が生きて居る証拠だ。

「戻って来るわ、怪我をしているらしいわ、意識がない!」

香澄はテレパシーの返事が無いので、森山の身体が相当傷ついていると感じていた。

Mロボットの後を戦闘ロボットが追い掛けて来る。

ミサイルが次々発射されるがミサイルは方向を逸脱して飛ぶ、香澄のサイコキネシスが誘導をしている。

M1ロボットが森山を寝かせると、直ぐさま戦闘ロボットに向かって行く。

早い、戦闘ロボットに体当たりをするM1。

吹っ飛ぶロボット達、特殊金属の高性能M1に戦える筈も無く、地上に落下して鉄屑状態のバラバラに成って行く。

水谷姉妹の能力が間に有った森山は見る見る回復して目覚めた。

「危ない処でした、ありがとう」と笑った。

「森山さんのお陰で、潜水空母はもう潜水出来ません」

「良かった、これで勝てますね」

「敵も必死でしょう、総攻撃で清水の北の方に超人達が集まっていますね」

「山の方が被害が少なくて良いですね」

「超人達と戦闘ロボットの集団、佐藤さん、有田さん、南さんと護衛のMロボットの対決ですね、大型ロボットが参戦してくると不利に成ります、私達は近くに行って怪我をしたら助けましょう」

四人はMロボットに抱かれて、決戦場に向かう。

爆撃機が二機、空母を離陸して名古屋方面に向かった。

研究施設を攻撃の為、爆撃機が飛び立つと数機の戦闘ヘリも空母の甲板に現れた。

これでこの空母には何も残っていないので、A3は自身もヘリで密かに移動をした。

空母が襲われる危険が有るからだ。

香澄が研究施設に爆撃機が向かったのを知ったのは、しばらくしてからだった。

水谷達を残してM1に抱かれて急ぎ研究施設に行くと、バリヤーに守られた施設に爆撃が容赦なく落とされている。

M1に爆撃機を撃破する様に命ずる香澄、M1の動きは速い。

爆撃機の方向を勝手に変えてしまうと、一機ずつ海に移動させて墜落させるのに時間は掛からない。

素晴らしい能力と特殊金属の身体は地球上では不死身だ。

深海から何日も掛かって香澄を守って、唯一香澄のテレパシーの指示で行動するロボット。

おそらく惑星アールの最高技術で造られたロボットだろう。

香澄は知らない能力をまだまだ秘めていそうな気がするのだ。

だが三人の超人が村中と石丸に近づいていたのを、香澄も当人達も知らない。

(アトラン)はこの二人の抹殺が、香澄の使命の絶対条件、ムー号の地球脱出作戦の失敗を意味する。




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