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冬眠

  9-24

一人の犠牲でようやく事態が収まった。

「まさか、敵のエスパーに変身出来る奴が居れば、今の事態が判りますね」

「そんな奴が居るのですか?」

「居ます、習った勉強ではそんな能力の者、そして背景に同化する者も」

「気味が悪いですね」

「若しも、総理が敵に成って居たら今の事態は充分考えられる事ですね」

「我々の到着と同時に東京に消えたのが変だな」

足立の話を裏付ける様に、総理官邸の瓦礫の中から遺体が発見されたと報告が来た。

直ぐさま足立は全国の報道機関にこの事実を発表して、部下に総理の偽者のヘリの到着を自衛隊の包囲網の中で捕らえる為に待った。

着陸したへりから総理の姿は消えていた。

三人は悠然と東京の町に姿を消していたのだ。

(アトラン)から連絡がされて、再び変身をしたエスパーを見分ける事は出来なかった。


戦車と有田達の戦いの中に(シリウス)が乱入してきて、一気に形成は不利に成った。

バリヤーで防ぎ切れなく成って「退却だ」逃げる有田と南、レーザー砲が有田に命中したと思ったら、薄汚いロボットがそのレーザー光線を受けて跳ね飛んだ。

薄汚い背中の八の番号だけが、飛んだロボットの背中が綺麗に見える。

「何が、来たのだ」

「何かが身代わりに成った様だ、そこに倒れている」

しばらくしてそのロボットは立ち上がって、有田の処に飛んで来た。

「これは?」

「ボディガードよ」香澄が戻って来たのだ。

M1が香澄を抱いて飛んで来た。

「このM1と同じで有田さんを守るわ」香澄が加わると今度は形成逆転、バリヤーとサイコキネシスの力で(シリウス)の動きを止める。

Mロボットが背後を守るから戦い易い、そこに薄汚いロボットが次々に飛んでくる。

南のロボット、後方に待機している水谷のロボットも飛んで来た。

深海に一万年以上も眠って居たM型ロボットが、御主人の行動に合わせて作動したのだ。

戦わないが守りは堅い、自分の主人を守れる距離に待機して、危険が近づくと身を呈して守る。

地球上のあらゆる攻撃には耐えられる構造、統べて特殊金属、総ての超人達の傍らにM型ロボットが揃ったのはその日の夕方だった。

反逆コンピュター(アトラン)は超人達が集まっては勝ち目が無いので、戦車の動きが完全に停止した。

(シリウス)も何処かに飛んで行ってしまった。

潜水空母も海中に沈んで姿を消し、戦闘艦が移動をして東京湾の方向に向かった。

香澄はムー号から母船の機関部分を引き上げなければ成らないが、その為には特殊金属の潜水艇が必用なのだ。

この敵の特殊金属を加工して、潜水艇を作る方法しか無い(アトラン)の工場を使う事を考えていた。

本来なら地球がもっと発展して、生産が出来る施設も有る筈だった。

香澄は目の前の戦車を手に入れようと、奇襲攻撃に出た。

サイコキネシスで、裏向けにしてしまった。

有田の刀が戦車の裏を破壊する。

ロボットの操縦で作動していたのか、隙を突かれて三台とも行動不能状態に成った。

裏面は特殊金属が無いので、有田の刀でパンを切る様に破壊された。

佐藤が怪力で分解を手伝う、表面の特殊金属を回収してスクラップに成るのに、二日で二人は綺麗に終わった。

香澄は戦闘艦と潜水空母を手に入れれば相当金属が集まる。

何としても手に入れたい。


(アトラン)の動きが止まったのだ。

攻撃もしないで東京湾の入り口に停泊したまま、数日間活動をしていない。

超人達の行動も止まって(アトラン)は自動修復に入っていたのだ。

自分で自分を治す為に機械の点検を自動で行う、その期間は眠った様に成るのだ。

三年間に一度三日眠るから、冬眠の様な作業、それは誰にも判らない、この様にして一万年堪えず新しい能力を保っていたのだ。

超人達も埋め込まれたチップが止まって何も行動をしないので、唯普通の生活をしている。

東京に潜伏していた三人も普通の人間に戻った動きをしているだけだ。

ムー号にもこの(アトラン)と同じ様なコンピュターロボットが存在しているのだが、作動していない。

それを作動させるのが香澄達の役目、巨大な宇宙船が活動を始めるのだ。

母船の部分だけが本船から離れて海底から浮上して来る筈、もう本船は海底のゴミだろう。

母船が動き出せば惑星アールに戻れる。

地球の現状を伝えられるから、将来二つの惑星の利用で隕石の襲来から救える。

この地球の人達を救う事も出来るのだ。


香澄はイージス艦に自分達が乗り込んで、戦闘艦の破壊を提案した。

何かトラブルが発生している今が好機と考えた。

戦闘艦に近づかなければ、サイコキネシスの力も半減するから、足立は総理亡き後はもう自由に指揮する以外道は無いと考えていたので、香澄を全面的に支持した。

台湾の様に東京を壊滅させる予定で、東京湾に停泊していると見ていた。

近づくイージス艦、無反応の戦闘艦、有田がジャンプで乗り移る。

戦闘艦の攻撃装置を切断しようとした時、大きく有田が海に跳ね飛ばされた。

Mロボットが素早く飛んで海面すれすれで助けて、イージス艦に戻す。

戦闘艦が動き出したのだ。

レーザー砲がイージス艦の方向に向く、イージス艦が離れる。

発射されるレーザー砲を右に逸れる。

南が方向を変えたのだが、連続攻撃には耐えられない。

「駄目です、逃げましょう」一斉に海に飛び込む有田、南、香澄、佐藤、森山はいち早く飛び込む、魚の様に泳ぐからMロボットは助けない。

他の四人が飛び込むと同時に、イージス艦の右舷に命中、Mロボットが四人を直ぐに救出して、空を飛ぶ。

イージス艦は二発目が命中して黒煙をあげた。

足立の元に戻った香澄が「残念でした、もう少しだったのですが」

「東京に攻撃が来るのか」

「多分」

「避難だな」

「はい、急いで下さい」

だが戦闘艦は東京湾の中に侵入してこなかった。

森山が船底に爆薬を放り込んだのだ。

船体の下の部分は普通の鉄で造られていたから、航行が不能状態に成った。

森山が戻って「香澄さんの考えの通りでした!船底は弱いです、スクリュー一基を壊しましたから、速度が落ちて、操舵が難しく成ったと思います」

「あの戦闘艦にどの様な超人が乗っているかが問題よ、今でも出て来ないから、飛べる超人は居ない、サイコキネシスは確実に居ます、何処かに接岸して超人を降ろして戦うか、潜水空母が来てそちらに移り移動するかのどちらかですね」

香澄の読みと異なって、戦闘ヘリが数機静岡上空から名古屋に向かって攻撃を始めた。

(シリウス)が同じく名古屋方面に飛来して暴れ始めた。

町を破壊していく戦闘ヘリに自衛隊のヘリと戦車が応戦するが劣勢、(シリウス)が加わって名古屋の町は壊滅状態、南と有田がMロボットに連れられて名古屋に向かった。

戦闘ヘリを撃ち落とさなければ(シリウス)と戦えない。

潜水空母は密かに戦闘艦に近づいて、超人達の移動が目的だ。

名古屋に気を取られている隙に全員が移動を完了して、輸送ヘリに乗り込んで超人達が何処でも行ける状態に成った。


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