表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/35

秘密の基地

 9-19

戦闘艦はアフリカの沖を南に航行をしていた。

歯が立たなかったアメリカ軍はようやく日本の意見を聞いた。

そして戦闘艦が最初に現れたエーゲ海域の大規模調査が始まったのだ。

しかし、無人島を上空から探しても何も見つからない。

日本から潜水空母の映像とか資料をアメリカに送って、情報の交換を進めていたのだが、アメリカ軍には自分達の武器が通用しないショックが大きいのだった。


石山と村中の二人は研究所で翻訳機を制作して、武器もレーザー銃を作ろうとしていた。

香澄は二人に深海を調査できる船の制作も依頼していたのだ。

現在の地球上の素材で造れるかが最大の難問なのだ。

もし、潜水空母の金属が使えれば、深海調査が可能に成るのだが、それには加工技術も必要なのだが、石山達なら造れるのではとの考えも浮かんでいた。

ムー号の調査に行くなら深海の可能性が確実だったから、香澄は次の準備を始めていたのだ。

日本政府が本格的に協力したのは、当然の成り行きだった。

アメリカを始めヨーロッパの捜索隊が、今度は海上から捜索を初めていた。

戦闘艦の航路の解析でエーゲ海の島が突き止めるのには、時間は掛からなかった。

沢山の艦船が集結して上陸をしたが、密林だけの島で人が住んで居る形跡も全く無かった。

海中に何か有るのかと、潜水艦で調査をしても岩盤が有るだけの無人島、連合軍は戦闘艦がこの島付近から出現した事に疑問を持ち始めていたが、デーダは確かにこの無人島なのだ。

連合軍は島のあらゆる角度から撮影をして分析を始めた。

数百枚の写真と数々のデータは日本政府にも届いて居た。

軍事の専門家が見ても全く判らない程、それは無人島なのだ。

一万年もこの状態で(アトラン)は隠れて、この島で超人達を待っていたのだ。

急な崖の有る地形は開発には適さない為、過去から誰も手を付ける事が皆無だった。

船の接岸も出来ないこの島の付近は波が急に荒くなって、潮の流れが変わって危険とされていて漁民も近づかないのだ。

ヘリで、数人が上陸して調査をしたが、全く何も発見出来ない島なのだ。


現在の地球上の技術では、あの戦闘艦も潜水空母も建造は無理な事は香澄が知っていた。

手渡された資料を見て、アールの科学者がこの事件に関与していると考えていた。

この島に秘密の基地が存在して、工場もこの島に存在するのでは?アトランティスに積載された特殊金属の加工場もこの島に在るのでは、でも一万年も生きる?

アンドロイドは居ない?科学者の知識の継承は誰が?若しかして?ロボット?アトランティスの中枢ロボットなら、だが(アトラン)は母船のあらゆる装置を把握して、母船の飛行から住民の安全迄を取り仕切る忠実なコンピュターロボットだ。

自らは動けない様に作られているから、母船と共に沈没するのが普通なのだ。


ムー号の中枢ロボットは多分海中深くに沈んで、もう一万年以上経過しているのだろう。

香澄が暗号をインプットすれば、次の行動を起こすシステムなのだ。

本来は地球の中に溶け込んで人々の生活を支えて、文明の発達に寄与していただろうムー号とアトランティスの中枢ロボット。

ロボットの反乱?香澄はあり得ない仮説を想定して考えていた。

それなら、今の事件が統べて解決出来る。

我々超人達の落下場所、人数、アトランティスの超人の数、戦闘艦と潜水空母の謎、イギリスの超人が既にあの戦闘艦に乗船している事、何名の超人が存在しているのか?

(アトラン)の反乱なら、ムー号の存在が邪魔、我々はそのムー号を蘇らせようとしているからだ。

当然妨害する筈、香澄は仮説が正しいと確信し始めていた。

近い将来、全面対決に成ると、今の地球上の人達が大勢犠牲に成る可能性が有るから恐いのだった。


しばらく大人しくしていた戦闘ヘリが横浜に飛来して、無差別殺人を始めた。

時を同じくして大阪、京都、そして静岡にも、これは超人達の行動範囲を考えての作戦なのだ。

各地の警察、自衛隊が出動して事態の収拾に努力したが、無差別乱射の後は海上に逃亡して、追撃をかわす、海上自衛隊が急遽現場に向かうと潜水して消えていた。

警察も自衛隊もお手上げ状態で香澄達に要請が有ったが、香澄は「これは罠です、空母を壊す以外に方法は無いと思う」と答えていた。

それは石丸達の武器の完成とも繋がっていたのだ。

香澄にはこの時、見えない敵との知恵比べだと思っていたのだ。

戦闘艦はアメリカ軍の監視の中、悠然と南アフリカの沖を航行していた。

明らかに東南アジアに向かっているのだ。


鳥人間轟は香澄に島の様子をもう一度詳しく調べる様に指示を受けて、無人島の上空を旋回していた。

イギリスの戦闘機に発見されて、無人島の近くの島に降りたって捜索を始めていた。

(アトラン)は轟の行動を既に把握していた。

他の艦船、飛行機が居ないなら、直ぐに捕らえて仲間に引きずり込むのだが、今、動くのは得策ではないと機会を伺っていたのだ。

深夜の隙を狙って林が動く「あっ」轟が叫んだ時、数体のロボットが出て来た。

上空に飛び上がる轟に、ロボット達の銃口が向けられていた。

発射の閃光に監視中の全員が光の元を見た。

轟は素早くかわして、飛び去ってしまった。

今度は一斉に光の場所に砲撃が始まって、密林は焼け野原に成る。

ロボット数体は銃の乱射で飛行機を撃ち落とす。

艦船からの砲撃に粉々に成るロボット(アトラン)焦りの失敗だった。

数体のロボットは全滅、翌朝にはこの島に上陸をして、捜索で連合軍は一致した。

夜明けと共に、樹木を伐採しながら上陸した連合軍は、この地下に基地が在る様だと機械を持って来て土砂を取り除き始めた。

翌日に成って漸く土砂の下に鋼鉄の扉が出現した。

だがこの扉は戦闘艦と同じ特殊金属で作られていた。

爆弾、ダイナマイト、ドリルも全く歯が立たない。

扉を開く瞬間を攻撃する事にして、連合軍は昼夜の警戒をする事に成った。

その映像は世界にニュースとして配信された。

勿論香澄達もその様子を見ていた。

無差別ゲリラ攻撃も急に停止されていた。

「潜水空母は基地を助けに帰ったかも知れないわ」

「そんなに遠くに」

「基地の中から攻撃出来ないから、外から攻撃してくるかも知れないわ」

「でも時間がかかるわ」香澄の予想とは異なって、数機の爆撃機が洋上の潜水空母から飛び立っていた。

エーゲ海に向けて、その速度は地球上の戦闘機より遙かに速い速度だったのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ