無敵の戦闘艦
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ナスカの地上絵も、古代の人がアール星を懐かしみ描いた?マヤ文明もこの話が本当なら考えられる事なのだ。
マヤ文明とは、メキシコ南東部、グアテマラ、ベリーズなどいわゆるマヤ地域を中心として栄えた文明である。
高度な天文学と暦の正確さ、石の文明で米とかの栽培記録は無いのだ。
輝の超人の刀の話しを聞いて、簡単に石を細工出来ると風間は思ったのだ。
猿とか沢山の動物も宇宙船が運んで来たのなら納得出来る。
高度な知識を持った人もやがて亡くなり、何代も世代が変わって地球に文明が出来て、現在の社会に成ったのなら、やがて飛来する隕石の嵐を切り抜けなければ、人類の未来が無い事も判る気がするのだ。
翌日、ポルトガルの沖で一代決戦が始まっていた。
雲霞の如く飛来する三カ国連合の飛行機、数十隻の艦船、潜水艦から打ち出される魚雷、この魚雷をA-2が尽く軌道を変化させて、戦闘艦に当たらない様に操作していたのだ。
上空の飛行機には戦闘艦のレーザー砲とレーザー装置が炸裂して、次々と撃ち落としてゆく。
先日の様な飛行機同士の激突は殆ど無かった。
サイコキネシスは魚雷に集中していたからだ。
時々命中するミサイルには無傷の戦闘艦だから悠然と航行を続けて、連合軍の中心を抜けて行くのだった。
名古屋の県警本部に超人達が集まって来て、具体的な行動に入る打ち合わせをする。
県警の会議室の建物は先日のヘリの攻撃で修理中に成って、別館の部屋が用意されていた。
本館に暗殺ロボット三体が入って来た。
一見サングラスの若者風なので「何の用事?」と警官が声を掛けると、いきなり左手で身体を突き飛ばした。
警官は壁に激突して気絶した。
「乱入者だ」「警戒を」警棒で殴りかかると帽子が飛んで「あーー、ロボットだ」署内に声が轟いた。
腰からレーザー銃を取り出して、何かを探している様子、後ろから警棒で襲いかかる数人の警官、他の二体のロボットが銃を乱射し始めた。
次々と倒れる警官、銃声が署内に響き渡る。
別館の超人達にも銃声が聞こえて、本館に向かおうとするのを、堺少年が「ロボットは三体です、有田さんと佐藤さんでお願いします」と言った。
二人は急いで隣の建物に走って行く。
安西課長が堺少年に「見えるの?」と不思議そうに聞くと「はい、今二人が到着しました」と言う。
「一体の頭が飛びました、有田さんの刀でもう一体は胴が折れました」
「凄い」呆れる安西課長、こんな超人を束ねる香澄はどんな力を持っているのか?
可愛い顔をしているのにと見ていると「課長さん、ありがとう」と微笑まれて驚く安西だった。
「あのロボットもアールの形ですね、もっと沢山来ますよ」香澄が気を引き締めて言うのだった。
しばらくして別館の会議場で「あのロボットが来たので、潜水空母にはヘリ以外の兵器がまだ乗せて有ると思います」
「石山さんの翻訳機は?」
「明日には出来ます」
「村中さんの計算では、現在の言語を多少触るだけで、変更出来るそうです」
「これで、テレパシーを使わないで、連絡が出来るわ」
「そうです、あの潜水空母はテレパシーを探して近づいてきます」
「取り敢えず、今上陸しているロボットを尾引寄せて始末しましょう、被害が出ない間に!」
「じゃあ、名古屋スタジアムに集めるのは如何ですか?」
「球場ですね」
「はい」
「そこに行きましょう」取り敢えず名古屋スタジアムに移動する事にする。
有田、香澄、佐藤、南の四人が行く事にしたのだ。
「何体来るか、判りませんよ」と言うと「大丈夫ですよ、三人が居たら!」と香澄が笑う。
球場の中央からテレパシーを発信する香澄は、最大限の力で発信する。
しばらくして殺人ロボットが球場に近づいてきた。
香澄を取り囲む十二体のロボット、一斉に飛び掛かった時、香澄の身体は空中高く飛び上がった。
地上三十メートル位で静止した。
地上からレーザー銃が発射されたが届かない。
その体勢の処に刀を持った有田が、ロボットの胴を切り裂く、佐藤がひねり潰す。
瞬く間に機械の固まりに成って動かなくなった。
上空から、ゆっくりと香澄が地上に降りた。
「ぱちぱち」と拍手をしながら安西課長がベンチから出て来た。
「素晴らしい、香澄さんも飛べるのですか?」
「いいえ、南さんのサイコキネシスです、自分で自分を動かせませんからね」
「そうなのですね」
「それなら、空も飛べますよ」
「もっともです」
「それより、何かが飛んでいますよ」と上空を指さした。
「あー、超人だわ」香澄が叫んだ。
しばらくするとスタジアムに降りてきた。
「鳥人間だ」お辞儀をする男「17998です」と香澄に言う。
「轟翔太さんよ、よろしく」と香澄が即興で名前を付けたのだ。
アメリカ、イギリス、ポルトガルの連合軍の戦いを見て来たと言うので、轟の話しを興味深く聞く香澄はテレパシーで、超人達に(戦闘艦の弱点が見つかったわ、でもまだ内緒よ)と伝えていた。
潜水空母では次の作戦の支持が(アトラン)から届いて居た。
超人達と対決は勝てないので、バラバラに別れさせて攻撃をする指示がされた。
無差別殺人を各所で行えば超人達も別れて応戦をするだろう、そこを狙って新型戦車を出して、捕まえる作戦を指示していたのだ。
(アトラン)は超人の捕獲を考えていたのだ。
A-3の様に自由に下部として使う事も考えていた。
超人達がやがてはムー号を発見して貴重な設備を蘇らせたら、アールに戻れる可能性も無いとは云えないのだ。
アトランティス号は破壊されて沈没させたが、ムー号は破壊された訳では無かったので(アトラン)には驚異だったのだ。
過去には何度かムー号の調査に向かった(アトラン)だったが、場所の特定程度しか成果が無かったのだ。
中枢の部分は硬く閉ざされて、何人も受け入れないのだ。
宇宙船の他の部分はもう海水の中に埋もれて、飛来当時の面影は全く無かったのだ。
(アトラン)の能力ではこの深海の巨大な宇宙船をどうする事も出来なかったのだ。
超人達がこのムー号を作動させる力が有れば(アトラン)の計画は崩れるからだ。




