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奇跡の治療

 9-12

的場と愛知県警の捜査課長が病院に到着して、直ぐに小林達が病院に到着した。

車から今の季節には不似合いの姿の美人が二人降りてきて、三人の刑事と香澄、輝、村中が揃って病院の入り口から病室に向かった。

病院の看護師が「此処からは、立ち入り禁止です」と止めたが、急に「どうぞ、お入り下さいに」変わった。

慌てて飛んで来た医者も「こま。。治せますか?」に変わった。

輝は凄い、香澄の成せる能力に感心してしまうのだ。

水谷姉妹が男の側に行き瞳が身体に触れて、しばらくすると洋子が手を身体に当てる。

そのまま全身を撫でる様に手を翳すと、瞬時に火傷の状態が回復してゆく。

ガラス越しに見る課長の顔色が変わって、身体が震えている。

「な、ん、だ」横に居た的場もその光景に唖然とする以外に無かった。

しばらくすると寝ていた男が目を見開いて、身体に付いた酸素マスク、点滴の針を次々と抜き取った。

その後ベッドから、立ち上がった全裸の姿に、輝と看護師が顔を手で覆った。

「キャー」立ち上がった男の身体は、直ぐに筋肉隆々の体型に変わった。

「ああ、貴方は何者ですか?」ようやく、質問する的場。

香澄が「話せません、彼は石山誠さんのガードをする佐藤浩三さんです」

「あの身体なら、プロレスラー?」と小林が言うと香澄が「そうですね、怪力人間です、彼の案内で、石山さんを探しに行きましょう」

「石山さんって?何者?」

「天才科学者ですね」この現場に居た全員が手品の様な光景に目を疑ったのだ。

「課長、約束通り有田さんの釈放をして下さい」

「判った、上に話してみる、あの二人は何者だ?もし病気を治せるなら、頼みたいのだがな」名古屋の安西捜査課長が懇願する。

「何を?ですか?」

「私の母が末期の癌で、この病院に入院しているのだよ!もし助けられるのなら助けて欲しい」その話を聞いていた香澄が「有田さんを解放して貰えるのなら助けましょう」

「本当か?もし治せたら約束する、直ぐに釈放する」香澄は無駄なトラブルを避けるのと、今後警察の協力も必要に成るので快く引き受けた。

安西はもう母は助からないと医者に宣告されていて諦めていた。

余命半年でもう既に四ヶ月を過ぎて、ベッドに寝ている状態で、全身に癌が転移していたのだ。

半信半疑の安西課長は看護師の案内で水谷姉妹と的場刑事、香澄を連れて母親の病室を訪れた。

殆ど意識が無い状態の母親に「お母さん、今から助けてくれるらしい、失敗しても恨まないで下さい、もうお母さんが助かる術はこの人達しか居ないからな」と話しかけた。

微かに目を開けて頷く母親、瞳が手を母親に翳すと、やがて洋子が頷いて交代をした。

しばらくすると、母親の顔色が見る見る変化をしてきた。

「何!」と課長が叫んだ。

次の瞬間「泰三!」とマスクの中から大きな声が聞こえたのだ。

看護師が驚いて床に座り込んだ。

何か幽霊でも見た様に、見る見る若々しい顔に変わって行く。

そして起き上がると二人は抱き合って喜んだのだ。

「課長さん、この事は言わないで下さいね」

「判った」

「混乱しますからね」と香澄が笑う。

母親は普通よりも元気な姿に成って「この人達は何方?」

「お母さん、神様ですよ」と安西課長は泣きながらそう言ったのだ。

それからしばらくして、大きなワンボックスの車が二台用意されて、運転は愛知県警の刑事が担当して、全員が乗り込んで石山を探しに出発した。

佐藤の記憶を香澄が取り出して、場所を特定していた。


石山は普通に話が出来るから、一般人として生活をしていたが、同じく足を火傷して病院に入院していた。

それは親切な女性に助けられて、佐藤と石山は殆ど近くに飛来していた。

伊良湖岬の近くに落下したのだ。

落下するとカプセルは自然消滅するから、佐藤は焼け焦げて、石山も少し足に火傷を負って、飛来した。

石山はホテルの従業員の女性小泉美咲に助けられて病院に搬送された。

火の玉の落下の調査で佐藤は発見されて、警察の手で病院に搬送されたのだ。

カプセルの大気圏の突入角度が悪かったのだ。

これも(アトラン)の妨害の一環だから、数人はこの妨害で燃え尽きたのだ。


車は渥美半島に入って「この先端辺りよね」香澄が言うと「この先にはリドートホテルが有りますね」運転の刑事が言う。

「この辺りには反応が無いわ」香澄がテレパシーで探して言うと「眠って居たら判らないのよね」

「はい」

「ホテルまで行ってみましょう」愛知県警は協力的で、事前にホテルに問い合わせをしていた。

支配人が対応して「当館の従業員の小泉と云う女性が、それらしき男性を病院に連れて行ったと聞いております」

「小泉さんは?」

「本日は代休で休みです」

「自宅を教えて頂けませんか?」小林が尋ねると直ぐにメモで渡してくれた。

二台の車はメモの住所に向かって走って、その時急に車の前に爆発音がして「何!」

「止めて、車から下りましょう」

上空にヘリコプターが飛来して、運転手を残して下りると同時に車に爆弾が命中して、一台が木っ端微塵に吹っ飛んで刑事が即死に成った。

「これは、何だ?」

「判りません、狙われたのは確かです」的場も、小林も銃を出して狙った。

香澄がサイコキネシスでヘリコプターを近づけると、有田が大きくジャンプをして剣を抜いてヘリの尾翼を叩き切った。

ヘリはキリキリ廻って落下して、大破して炎上して辺りが焼けても誰も乗っていなかった。

「何が起こったのですか?」的場が香澄に聞くと「判りません!ヘリには誰も乗っていません」

「えー、無人のへりから爆弾ですか?」

「その様です」ヘリの落下地点は黒煙が上がり炎に包まれて、二次爆発を起こして炎上した。

「運転手の刑事は助かりませんか?」

「無理です、生命が無いと救えません」と水谷洋子が項垂れた。

早速愛知県警に連絡されて、現場検証の一行が出発していた。

小林達は石山を探す為に渥美半島から豊橋の町に入って「反応が有ります」と嬉しい顔に変わった。

「ナビでは豊橋総合病院に成っています」

「入院かな?」

「足を怪我されていますね」香澄がテレパシーでコンタクトをした様だ。

病院に水谷姉妹が行けば、直ぐに完治するから簡単だ。

ワンボックスとタクシーに別れて病院に到着すると「水谷姉妹と私だけで行くわ」と香澄は二人を連れて、病院に直ぐさま入ってしまった。

新しい車を愛知県警が手配して、駐車場に到着したのはそれから直ぐだった。

「安西さん、よほど嬉しかったのだ、手配が早い」と的場が小林に話した。

「でも、あれは何だったのですかね」

「我々では無いな、狙われたのはアール人だな」

「そうだと、何か大きな悪の匂いがしますね」

「無人の殺人ヘリを飛ばせる技術は中々無いですから」

「気を付けないと第二、第三と攻撃が来ますよ」と二人は戦々恐々に成っていた。

病室には小泉美咲が付き添いで居たが、石山が粗方説明をしていたのだろう、驚く様子もなく会釈をした。

唯、綺麗なモデルの様な美人が二人来るとは知らなかった。

早速瞳が足を触ると洋子が手を翳して、一瞬で火傷は回復した。

「あっ、凄いですね、話しには聞いていましたが、目の当たりに見ると驚愕です」

「この二人が揃わないと、出来ないのですよ」と香澄が微笑む。

「美咲さんありがとうございました」とお辞儀をする石山「もう、行ってしまうのですか?」

「私には使命が有ります」と言うと香澄が「美咲さんは石山さんがお好きの様ですわ」と言われて頬を染める美咲だった。





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