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「在宅勤務だと詩が湧かないのは皮肉ね」


4月下旬だけ

在宅勤務を行っていた

在宅勤務を行ってわかったのは

意外とこの形態だと

詩が湧いてこないということだ


詩を量産するようになったのは

会社勤めを始めてからだ


それ以前にも詩はつくっていたが

ここまで数は出していなかった


きっとそれは社会生活を経て

産みだすことをやめた先人たちを見て

恐れを抱いたからだと思う

「この熱を失いたくない」

「捨てたくない」

だからどんな質であろうと

詩をたくさんつくっていったんだろう


で、話を戻して4月下旬

新型コロナウィルスの感染拡大の抑制を受け

勤め先も在宅勤務制度を導入することになり

もれなく在宅勤務が始まった


家にいていいのだから

社会人なので仕事や時間の制約があるとはいえ

学生時代の環境とほぼ等しいだろうから

詩をつくり放題だろうなと思ったら大違い

テレビも観れるし動画も見放題で音楽も聴き放題

満たされた環境に居続けることで

詩をつくろうという気持ちが湧かなくなった

いくつかの詩はできたが

その数は以前の程ではなかった


時が経って5月中旬

緊急事態宣言の解除が近づく中

試験的に通常の勤務体制に戻すことになり

在宅勤務が終了した


解除が近づいているとはいえ

まだ緊急事態宣言は続いているのだから

なぜ感染のリスクを冒してまで勤務しなければならないのかと

疑問に抱いていたのだが

今の体制の方が詩をつくる数が多い


なんという皮肉

失いたくなったこの熱は

社会生活によって維持されていたものだったとは


捨てずにいられたのは

社会生活のおかげで調整が済まされていたからなのか


もしかしたら先人たちが産みだしていた「それ」と

今こうして産んでいる詩は

種類とか性質とか産みだすための環境が異なるという点も

あるのかもしれない


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