「今日は4月9日だった」
あれから3日間たった
まだ3日間しか経っていない
いや、もう3日も経ったのか
時間の流れに関する価値観も
揺らいでいる
俺はまさに"あの日"に何もかも変わり
一切の感情に意味が失われた
感情が無意味になってしまえば
他のものも追随して価値を失くしていく
俺は時間に対する感覚も棄ててしまった
"あの日"に運命が決まり
俺は4747になり4848になった
避けることも抗うことも許されない
いや
元からそんな選択肢はないから
許す、許さないの議論も起こらないだろう
俺たちは決められた未来を歩むことしかできない
俺もその1人だ
この先も俺は降りかかる災厄に
何もなす術もないまま蝕まれることになるのだ
ふと空を見上げれば
"あの日"を迎える前のと
同じ空をしていた
思えば"あの日"も
こんな空だったような覚えがある
何もかもが変わってしまったのに
何も変わっていないものもあるということ
何も変わっていないものがあるのならば
なぜ何もかもが変わってしまったのか
どこが違っていたのか
どこで選択を間違えたか
どこで何をすればよかったのか
意味のない後悔だけが繰り返される
そこに答えはなく
虚しさだけが積もっていく
ところで今日は何日だったか
ああそうか
今日は4月9日だった




