「4月8日を迎えた今」
俺たちは4月7日で以って運命が決まってしまった
この運命はもう変えることが出来ない
俺たちは4月7日を以って
ある意味では"破滅"とも言え
別の解釈では"混沌"とも言え
違った視点では"無"とも言える
そんな存在に堕ちてしまった
そんな俺たちは4月8日を迎えた
4月8日となった今、俺たちは
ありとあらゆる皮膚が
4848となっていっている
4を「し」と読み
8を「わ」と読んで
4848となっている
皮膚の皺が目立つような年齢ではないのだが
4月8日を迎えたことにより
4848となっている
これは全て4月7日で起こった件が由来している
だが俺たちはもう受け容れるしかないんだ
4月7日以前に戻ることが出来ないように
4月7日以前の事実を変えられないように
俺たちは4月8日に起きていることを
何も変えることはできない
俺たちは4848となる
俺はというと
見慣れないほど4848となった自分の手を見て
何も思わなくなってしまっていた
もう、感情は棄ててしまった
決められた運命を辿るしかない今では
全ての感情が無意味となる
手の皺が増していくのを
俺は諦めとも悲しみとも言えない
何とも呼べない感情で見つめているだけだった




