プロローグ
文字数がかなり多くなることと思います。細かく章で分けるつもりですが、携帯では読みにくいかもしれません。パソコンで読むことをお勧めします。時間があれば携帯用にも編集するつもりです。ちなみにホラーではありませんのでお気軽にお読みください。
修正はすべて誤字脱字のみです。投稿した場合、内容の変更はいたしませんのでご安心ください。
とある日曜、僕は机に向かっている。三日後にはじまる期末試験に向けての勉強だ。初日には数学、社会、英語といきなりの山場。教師陣が何を考えていたのか定かではないが、これではこの三教科の平均点が下がるのは目に見えている。一夜漬けのその場限りの勉強法ではなく、毎日積み重ねるように勉強する人間を評価しようとしているのかもしれない。それなのに彼らは部活動で汗を流すことを勧める。
時計に目をやり、鉛筆を置いた。頃合がいい。休憩にしよう。空になったカップを手にして階段を下りる。僕の部屋は二階だ。
一階には誰もいない。僕は一人っ子であり、両親は共働き。いまどき珍しくもない家庭だ。電気ポットからお湯をもらい、インスタントコーヒーを作ってリビングのソファーに腰かけた。ふと気づくとテレビがついていた。僕はテレビを観ないから、たぶん母親が消し忘れたんだろう。テレビ画面にはどこかの国の祭りで賑わっている。とても騒がしそうで、楽しそうだ。
けれど僕にとっては無縁の世界。僕はテレビを消した。
二階に上がって再び勉強を再開しようとする。
「………………っ」
耳鳴り。きょうは一段とひどい。
たまにこういうことがある。何の脈絡もなく津波のようにおとずれる。こうなってしまっては仕方がない、しばらく勉強はお預けだ。ベッドに飛び込んで耳を押さえた。外部からの音を退けようとも、耳鳴りは防げない。わかってはいても、気休めにはなる。
「――――――――!」
叫んでみたが声にならない。もしかしたら声が出ているのかもしれないが、隣のおばさんが苦情を言いに来ないのだからきっと出ていないのだろう。いや、どうせ苦情を言いにきたところで、僕にその言葉は届かない。
ここは無音の世界。