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覇王竜は暇を潰す  作者: コミネカズキ
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満月の海域と渦潮の水扉

さてさて各各云々で魔王軍が解体され、表向きは世界に平和が訪れた感じになったのは良いのだが、それだけでは完全に清算しきれた訳では無い。


店を締める時も現状復帰までして初めて綺麗な閉店である様に、魔王軍が人間達に与えた被害も極力元に戻すのがスジであろう。


前にも少し触れたが、俺は決して正義の味方では無い。

しかしアルトと向き合うにあたり【俺がスッキリしない】ので問題は解決してしまいたい。

「と、言うわけで魔王軍に殺された人間共を全員生き返らせます!」


高らかに言い放った俺の言葉を勇者アルト、大魔神官パーデス、執事の赤竜の3人はポカーンとした表情で聞いている。


「はい、よく解らないよね?そ〜言う顔してるもんね!では今からそのプランを先生が説明するから良く聞くように!」


全くついてこれない3人を置き去りにして俺は話を続けた。


「初めは一人一人に蘇生魔法をかけて復活させる方法を考えたんだけれども、この方法は凄く地道で面倒臭い上に時間もかかる事に気が付来ました。ご存知の通り先生は面倒臭い事が大嫌いです。しかーも、よくよく考えると殺された人間達の一人一人を把握していないと蘇生も出来ない事に気が付いたので、このプランは完全に没ですね~。そろそろ敬語キャラ辞めて良い??」


コクコク頷く3人。


「つー事で、困った時の神頼み!創造神にしてこの地下世界の女神様であるルナティックに全投げする事にする!」


全力ではてなマークを浮かべる3人。


「いや、300年前の大魔王の時も最後に使った奥の手なんだけどな。あの女神、数百年に1度だけ奇跡を起こせるチート技を使えるんですわ!マジ引くよね?………で、前回から300年も経ってるし、そろそろゲージ?的なアレも溜まってるかなーと思ってな。」


ああ、成程的な表情をする3人。


「そう言う訳なんで今からルナティックが居る海底地下神殿に行きますよ~~」


OK~見たいなポーズを取る3人……コイツら今回まだ全然喋って無いけど大丈夫か?


「あ、ちなみに海底神殿には海上の渦潮の上から飛んで侵入するから空を飛べないパーちゃんはお留守番だよ~」


「!?工エエェ(゜〇゜ ;)ェエエ工!?」


あ、やっと喋ったwww


仰天顔のパーデス君を地上に残し、俺とアルトと赤竜は地下世界ミッドナイトの南に位置する海で絶えること無く渦を巻き続ける【満月の海域】に向かった。



ーーー数刻後。

俺とアルト、赤竜は風魔法を身に纏い目標の海域の上まで到達していた。


「うわっ!物凄い渦ですね……こんなのに触れたらひとたまりもありませんよ。」


まあ、俺はこの程度の渦潮軽く吹き飛ばせるのだが、そんな事をしたらルナティックが眠っている海底神殿まで海の藻屑になってしまう。


「この渦潮の真ん中、台風の目ならぬ渦潮の目の部分をすり抜けていく。」


渦の中央部分だけ流れどころか水すらない空間か有る。

恐らくルナティックの魔力……もとい神力だろう。


「覇王竜様、アルト様、気を付けて下さい!意外と渦の中心細いですよ!」


走行しているうちにどんどん細くなった渦潮の目は、俺よりも一回り大きい赤竜の侵入を拒んだ。


「仕方ない赤竜、お前は海上で待機していろ!ここからは俺とアルトで行く!」


「畏まりました!ご武運を!」


渦の勢いにあてられたのか、赤竜が仰々しい送り出しの声を上げる。

別に闘いに行くわけじゃねーんだけどな。


赤竜と別れ暫く進むと渦潮の目が少し開けた空間にでた。


「あ!?……コレは……!」


開けた空間の100メートルほど下に海底神殿が見えた。

だがその手前にあからさまに自然と摂理に反した渦潮の扉が出来、俺達の侵入を拒んでいる。


「この扉……ですか?水の扉を形成してる渦は今までの渦潮の非にならないくらい勢いが強いです。しかも渦潮の目がココで途切れちゃってる……。これじゃ進めませんよ?」


流石の俺もこの扉を強引にこじ開けるのはちょっと骨が折れる。

……だが。


「この水の扉はルナティックの神力で形成されている。ちょっとやそっとじゃ通れないだろうな。」


アルトの顔が曇る。


「だが、アルト。お前は持っているだろう?

ありとあらゆる攻撃も呪いもブレスも魔法も無効化する物を。」


「あっ!」


ハッとして自分の左腕を見るアルト。


「フルキャンセルシールド……真月の盾!」


「そう、その盾はあらゆる自称を打ち消す効果が有る。たとえそれが神の神力でも例外じゃ無いぜ!」


盾を腕から取り外し右手で構えるアルト。


「ぶち壊せ!アルトっ!!」


覇王竜撃斬(ドラゴンスラッシュ)!!」


真月の盾と水の扉がぶつかった瞬間、扉に渦巻いていた魔力が掻き消え……ついでに渦潮の目も消えた。


「げっ!?」


「うそっ!?」


……そーでした。

渦潮の目もルナティックの神力でした。

空気があった空間は消え、周りが海水で満たされる。

神殿まで後100メートルほどだが、100メートルは100メートルでも【下に】100メートルである。

不意のことで十分な空気も無く、浮力もハンパなくかかって来た。


「「モガガ!!!モガガガガッ!!!」」


その後の数分は二人とも必死に泳ぎ過ぎて記憶が曖昧である。


後から冷静に考えると風魔法や水魔法を応用すればなんてことは無かったのだが……。


冷静さってだいじだね(笑)


唯一の救いはギリギリでたどり着いたり海底神殿にルナティックが神力で空気を生成していた事だ。


呼吸って大事だね(笑)


まああの女神も呼吸はするから当たり前といえば当たり前なんだが。。。


こうしてやっとこさ地下神殿の女神ルナティックの元にたどり着いたり俺達だったが、

神殿の奥底に待っていたのは全知全能の創造神の姿では無く……


だらけ切った自堕落駄女神のだらしない寝顔だった。


つづく……

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