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ゴージャスな宮殿

 グリフィンと隻眼の黒龍は宮殿の中庭に降りた。四方を見渡すと、遠くに巨大な尖塔が見える。宮殿は3階建てで、当然ながら非常にゴージャスな造り。中庭も広大で、ベタな例えだけど、東京ドームよりも広いだろう。

 わたしが隻眼の黒龍の背中から地面に降りると、

「帝国宰相に拝謁せねばならぬが……」

 勅使はわたしと隻眼の黒龍を見た。プチドラは勅使の考えを察したか、すぐに子犬程度の大きさに体を縮め、頭が大きめの四頭身、翼は申し訳程度のプチドラの姿になった。

「おお、さすがだな」

 勅使は「隻眼の黒龍」から「プチドラ」への変化を初めて見たせいか、ちょっぴり感動したようだ。わたしにとってはいつものことだけど。

「もう一つ、いくらなんでも、この格好はマズイな……」

 勅使はわたしをじろじろと見ながら、右手を高く上げた。すると、宮殿の玄関からメイドが大勢現れ、ぐるりとわたしを取り囲んだ。

「なっ!?」

 メイドたちは全員で、有無を言わせずにわたしを持ち上げ、宮殿内に連れ込んだ。プチドラはぴょんぴょん飛び跳ねながら、うれしそうについてくるだけ。なんなんだ???


 連れ込まれた先は大浴場だった。お気に入りのオレンジのメイド服をはぎ取られ、体や髪を丁寧に洗われ、浴槽にザブン。次に、こぎれいな部屋に連れていかれ、着せ替え人形のように服を着せられたり脱がされたり。そして、ようやく服が決まると、今度はアクセサリー。こうして、わたしは夜会かパーティーか舞踏会のようなコスチュームに着替えされられてしまった。

 着替えが終わると、メイドたちはわたしの前に一列に整列した。そして、その中で一番年長と思しき人が、一歩前に進み出て、

「カトリーナ様、あなた様が帝都に滞在される間、わたくしどもがあなた様の身辺の世話をするよう仰せつかっております。なんなりとお申し付け下さい。この部屋はあなた様の部屋です。滞在中はご自由にお使い下さい」

 言い終わると、メイドたちはぞろぞろと部屋から出ていった。プチドラはわたしをしげしげと見て、

「マスター、すごく似合ってるよ」

「ありがとう。でも、動きにくいわ」

「それはそういう服だからね。エマは何を着ても似合ってたけど、マスターもだね」

 一応、褒められたと受け取っていいのだろうか。なんだか微妙。


 しばらくすると、メイドがわたし(とプチドラ)を呼びに来た。これから拝謁らしい。帝国宰相を見るのは初めてだ。勝手なイメージでは、白髪でひげが長くて眼光が鋭そうな老人だけど、果たして?

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