診断
森の中を歩いて話をしているとティルの事や今から行くハーデルのことが少し分かってきた。
ハーデルは非常に栄えている国らしく、その反面スラムもあるらしい。
ティルはスラムに住んでいて冒険者を生業としているらしい。
貴族と平民の差はあるらしいが、結局は金や実力があるものが偉いとの事。
ティルと話をしながら森を歩いてるとアザリーの話になった。
誠は手のひらに風の球を作り出し
「俺は風のアザリーが使えるみたいなんだ」
誠がいつのまにこんな芸当ができる様になっていたんだと驚いていたら、暇つぶしで手に集中していたらできるようになったとの事。
「圭太は何のアザリーなんですか?」
とティルは俺の方を見てきて俺は苦笑いをしていると
「圭太はわかんねえんだ」
と誠が記憶喪失のネタを元にカバーしてくれた。
「アザリーがわからないとは、こまりませんか?」
とティルに聞かれたが
「もともと何のアザリーかが分かっていないから何に困るのかもわからないんだ」
と俺はこたえる。
「最近ハーデルで浸透している赤子に対して行う診断があるのでそれをしてみてはいかがでしょう」
とティルに言われた、
「診断なんてものがあるのか?」
俺は驚きながらも食い気味に質問する。
「ええ、とても簡単なものなのでここでもできると思いますので少し待って下さい」
ティルはそういうと周囲を散策しだした。
「ありました」
ティルは、おもちゃを手にした子供の様な無邪気な笑みを浮かべている。
「なにかあったんだ?」
俺はいてもたってもいられずに聞いた。