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白の向こう側にある世界  作者: 吉田 みゆな
13/18

黒の星

受付のお姉さんは

「少々お待ち下さい」

と言いながらドタバタと受付の奥に入って行った。


俺と誠はポカンとしながらお互いを見合って立ち尽くしていた。


誠の星の数が5つだったのと何か関係があるのだろうか?

そうこうしているうちに奥から強面で白髪を後ろで纏めている60代と思われるおじさんが現れた。

「お前さんが星5つの兄ちゃんか」

腰に手を当てながら俺たちを見下ろす。

2メートルはあるだろうかそのガタイの良さは歴戦の戦士を彷彿させる。


「この方はギルドマスターです」

お姉さんはそう言いながら紹介してくる。


誠がキョトンと見上げながら聞く。

「ギルドマスターってここで一番偉い人が?」



「ああ、一応そういうことになるな」

白髪のギルドマスターはそう答えた。



ギルドマスターはお姉さんを指差しながら答える。

「俺はハーデルのギルドマスター、ラディンだ。お前さんたちは?」



誠はニカッとしながら答える。

「俺は誠でコイツは圭太だ。よろしくな」

本当コイツは物怖じしないなと感じながら俺は誠の隣で聞こえるか聞こえないか小さな声で「よろしくおねがいします」と答えた。


ラディンさんはため息をつきながら頭を片手でかき俺たちに告げた。

「ここじゃなんだ上で話をしよう」


俺たちは2階に案内された。


2階は応接室のようになっており俺たちとラディンさんは向かい合わせで座った。


「さてにわかには信じ難いが情報をもう一度見せてくれ。」

そう言いながら俺たちの前にあの水晶のようなものをドンと置いてきた。


誠は手をかざせばいいんだよなと言いながら水晶に手を向けた。

そうすると一階で見たように青い資格の物が現れ緑色の星5つが現れた。


ラディンさんは「ほう」といいながらまじまじと情報を見ている。


俺は恐る恐る聞いてみる。

「これは何かヤバいのか?」

一回の連中の反応といい、このラディンさんの反応といい何か引っかかるものを感じる。


「お前たちは一体何処から来たんだ?」

俺たちを見ながらラディンさんは聞いてくる。


俺たちは記憶が無いことを前提にした上でここまでの経緯を話した。


ラディンさんは途中口を挟まずにじっとこちらを見ながら話を聞いてくれた。


「何か思うことがないと言えば嘘になるがひとまず信じようか。ここに来るまで何のアザリーなのか知らないっていうのは本当みたいだしな。」

ラディンさんはそう言いながら椅子の背もたれに寄りかかった。


「お前たちのために話しておこう。」

ラディンさんはそう言いながらまた前屈みになった。

「下の連中の反応で気づいてるかもしれないが、星5つなんてそうあるもんじゃない。ましてや貴族でもない限り。でもお前さんたちがお忍びで来ている貴族なんかにも見えない。まぁ俺たち庶民なんて、せいぜい星0.5こか2つまでと言ったところだ。星2.5こにもなればまた一番と言われるほどの実力だ。俺が知っている奴でも剣聖の星4つといったところだな。」



その話を聞いて俺たちは星5つがどれほど貴重で珍しいものなのかを認識できた。

きっとラディンさんはお姉さんが嘘をついてると思ったのだろう。だが、それを嘘と決めつけずちゃんと別室にて話をしたこの人は相当人としてできた人なのだろう。


「ところでお前さんはどうなんだ?」

ラディンさんは俺の方を見ながら聞いてきた。


「どうなんだとは?」

俺は意味が分からず聞いた。


「この坊主は星5つなんだろう。まさかお前さんもなのか?」

ラディンさんは首を傾げながら聞いてきた。


「圭太はまだ情報を見てないぜ。俺の相棒なんだ、すげぇに決まってるだろ」

ふんふんとしながら誠はラディンさんに答えた。


「そうなのか、登録の途中だったもんなそれはすまない。お前さんもついでにここで測定してしまえ」

そういいながらラディンさんは目配せをしてくる。


俺は「あっ、はい」と頷きながらそっと水晶に手をかざす。


そうすると青い四角いのが現れたと同時にパリンと水晶は破裂した。


「えっ」

ラディンさん含め俺たち3人は固まった。


俺はその後一瞬でこの水晶がいくらする物なのか、弁償なのかいろいろなことが頭に浮かんできて冷や汗が止まらなかった。


ラディンさんは「こんなこと初めてだ」と言いながらポカンとしている。


「すげぇな圭太!ガイムの葉っぱの時も弾けたもんな!すげぇ!・・・けど結局のところ慶太のアザリーは何なんだ?」

誠は純粋な意見を述べてくる。


ラディンさんは頭をかきながら言った。

「ガイムの葉っぱが弾けただと。それも俺は聞いたこともないぞ。全くわかんねえな。水晶の事は気にしなくていい。だが星はわかんねえからどう登録したものか・・・。」


ラディンさんは

「おいっ!入ってこい!」

と大きな声で扉に向かって叫んだ。


扉からはさっきのお姉さんが顔を出してきた。

「はいギルドマスター、何でしょうか?」


「ギルドの方針では星が確認できなかった場合どうすることになっている?」

ラディンさんはお姉さんに聞いた。


「星が確認出来ない?何をおっしゃってるのでしょうか?」

お姉さんはキョトンとしながら答える。


「これを見てみろ」

ラディンさんは割れた水晶を指差しながら答える。


「えっ」

お姉さんは先ほどの俺たちのように少し固まった。


少し固まったあとお姉さんはあたふたしながら答えた。

「本来星がない方は存在しませんし水晶もこの状態なら最低の0.5で登録されてはいかがでしょうか?0.5の方はあまりいいクエストは受けられませんが星5つの方とパーティーを組まれるのでしたがその問題もないでしょうし。」


ラディンさんも「うむ」といいながらお姉さんの話を聞いている。


「俺たちはお金の為に登録できるのならばなんでも構いません」

俺はギルドからやっぱり弁償しろだのなにか厄介ごとに巻き込まれるのは御免だと思いながら答える。


「まぁお前さんが0.5でもいいというのならそれでいいが・・・。」

そう言いながらラディンさんは渋々俺の提案に応じた。


俺はふぅ、と心を落ち着かせながら思った。

水晶が割れる瞬間に俺には誠の星より遥かに多い黒色の星の数が見えた気がしたが気のせいなのだろうか。


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