ティルの事情
何とか短期間で投稿できました。
よかったら読んでやってください。
森を抜けると、遠くの方に壁に囲まれたような町が小さく見えてきた。
「あの遠くに見えるのがハーデルです」
遠くに見える街を指さしながらティルは俺たちに教えてくれた。
額に手を当てて目元に影を作りながら誠は
「遠くから見てもわかるくらいでけぇ町だな」
「確かに大きいな」
俺も誠の問いかけに答えた。
というか実際に俺も大きいと思って自然と言葉が出ていた。
俺たち3人はハーデルへ向けて歩き出した。
道中でティルは、なぜ森の中でなぜ木を殴っていたのか教えてくれた。
「実は、私にはお付き合いしてる人がいたんです。
いつも通りに採取の依頼を終わって彼の家に向かったのですが・・・」
ティルは少し苦笑いをしながらこっちは向かずに話す。
「で、その彼の家には女性がいたと」
誠は間髪入れずに答えた。
「・・ハイ」
ティルは下を向きながら答えた。
「家にいただけ?」
俺は何かはっきりしないなと思い聞いてみた。
「なんといいますか・・・家で二人で笑顔でお茶を飲みながら談笑していて・・・」
ティルはまだ下を向いている。
「それだけ!?俺はてっきり寝室にいたのかと思ったぜ」
誠はため息をつきながら答えた。
その瞬間俺は誠の頭を叩いた。
「なにすんだよ圭太」
誠は頭を押さえながらこっちを向いてきた。
俺は誠の耳元で小さな声で答えた。
「ティルさんやこの世界では一大事なのかもしれないだろ。それにお前にはデリカシーってものはないのかよ。」
誠は俺の言葉にはっとしたような顔をして、ようやく自分の発言の阿呆さに気付いたようだった。
すぐにティルさんの方を向くと、ティルさんは顔を真っ赤にしながら下をむいたままぶつぶつと何かを言っている。
「寝室だなんてそんな・・・ワタシモマダケイケンナイノニ・・・」
「ハーデルに帰ったらその彼氏とちゃんと話をしてごらんよ。
その状況だと勘違いかもしれないしさ」
俺はティルさんの反応を見ていると一大事ではなくて、ただの勘違いな気がしてきて言ってみた。
「そうだな、俺もそんな気がするよ。」
誠は間髪入れずに答えてきた。
「そうなんですかね・・・そうだといいですが・・・。」
ティルはそう言いながら浮かばない表情をしている。
俺たちが何度も言うもんだからティルさんもまんざらじゃなくなってきて元気に答えてくれた。
「そうですよね!私の早とちりかもしれませんね!帰ったら彼ともう一度話をしてみます!」
そんなこんなで俺たちはハーデルの町の手前までやってきた。




