200文字小説 雲の上の君へ(200文字) 作者: うわの空 掲載日:2011/08/03 僕は今日も空を仰ぐ。 「……死んだらさ、雲の上に乗れるのかな」 病室の窓から見える入道雲を見ながら、君はそう言った。 「乗れる気がするんだ、私。ふわふわーって」 「どうかな」 僕が苦笑すると、君は微笑んだ。そして言った。 「もしも乗れたらさ、その時は――」 僕は今日も空を仰ぐ。 綿菓子のような入道雲が、遠くの方に見える。 僕は今日も空を仰ぎ、そして尋ねる。 「君は今、そこにいる?」 雲の上の君が、笑ったような気がした。