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200文字小説

雲の上の君へ(200文字)

作者: うわの空

 僕は今日も空を仰ぐ。


「……死んだらさ、雲の上に乗れるのかな」

 病室の窓から見える入道雲を見ながら、君はそう言った。

「乗れる気がするんだ、私。ふわふわーって」

「どうかな」

 僕が苦笑すると、君は微笑んだ。そして言った。

「もしも乗れたらさ、その時は――」



 僕は今日も空を仰ぐ。

 綿菓子のような入道雲が、遠くの方に見える。


 僕は今日も空を仰ぎ、そして尋ねる。


「君は今、そこにいる?」


 雲の上の君が、笑ったような気がした。  


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