第7話:ウチ、ギャル魂だけは封印できんかった。
三蔵一行は、ゆるやかな山道を歩きながら、悟空の話に耳を傾けていた。
風が草を揺らし、空は澄んでいる。
悟空は如意棒をくるりと回しながら、肩に乗せてにっこり笑った。
「それじゃ、孫悟空の“天界ギャル伝説”のはじまり、はじまり~!」
悟浄はぱちぱちと拍手しながら、目を輝かせて言った。
「楽しみ!どんな伝説なの!?」
八戒も笑いながら手を叩いて、テンション高く言った。
「待ってました~~!語って語って~~!」
悟空はちょっと照れくさそうに笑って、語り始めた。
「それじゃ、まずはウチの誕生から…
東勝神州の花果山ってとこで、
ぽんって石が割れて、ウチが出てきて、周辺の猿の王になって~…」
八戒が急に立ち止まって、目を丸くして言った。
「え?ちょっと待って!石から出てきた!?
それって……石から生まれたってこと~~!?」
悟空は笑いながら、さらっと返した。
「そだよ?w」
八戒は爆笑しながら言った。
「石から生まれたって悟空っち、生き物じゃなくて鉱物!?www
あーし今まで“猿ギャル”だと思ってたけど、“鉱物ギャル”だったん!?www」
悟空も吹き出して言った。
「それなwww ウチも時々思うんよw “ウチ、元素的に何なん?”ってw」
悟浄は笑いながら言った。
「ギャルって……石からでも生まれるんだねwww」
三蔵法師は静かに微笑み、穏やかに言った。
「天地の理により生まれし者は、縁に導かれ、道を歩むものです。
出自がいかに奇異であろうとも、心が正しければ仏の道に至るのです」
悟空は振り返って言った。
「三蔵様、それフォローになってないw “奇異”ってww」
八戒は再び爆笑した。
「やめてお腹痛いwww 石から生まれた奇異なギャル、強すぎwww」
悟空は笑いながら、如意棒をくるりと回して言った。
「じゃ、続けるね!」
「ウチ、爆誕したあと猿たちの王になって、
“ギャルの頂点”目指して仙人のとこで修行したの!
メイクも変身術も、ギャルスキル全部磨いて~!」
「で、ある日スイーツ巡りしてたら、
“天界でパーティあるらしい”って噂聞いて~!
ウチ、ギャルとして行くしかないっしょ!?ってノリで乱入したの!」
「ドレスコードガン無視のギャルファッションで
桃のスイーツつまみ食いしながら、
バイブスぶち上げで踊っていたら
天界の神様たちが“誰このギャル!?”ってザワついてさ、
そんで、警備員につまみだされそうになって、
ウチ、反射的に返り討ちにしちゃって~!
最後にお釈迦様が出てきて、“ちょっと落ち着こっか”って言って、
ウチ封印されたのwww」
八戒は地面で転げまわりながら爆笑した。
「落ち着こっかwww封印wwwマジでギャルすぎwww」
悟空は満面の笑みで続けた。
「でさ、お釈迦様に封印された上に、
観音様から頭にこの輪っか、緊箍児ってやつつけられて、
岩の下に封印されたんだけど、ウチのギャル魂は止まらなかったから、
毎日メイクをバッチリキメてネイル整えながら
“ウチ、反省してるってば~!誰か~!助けて~!
この輪っか、マジでファッション的に微妙なんだけど~~!!”って
500年くらい叫んでたら、三蔵様が現れて、
ウチが旅に同行することになったの!w」
八戒は爆笑しながら言った。
「500年間岩の下でメイクにネイル死守ってwww
映えの執念エグすぎ~www」
悟浄は緊箍児をじっと見ながら言った。
「その輪っかって…アクセサリーじゃなかったんだ」
悟空は爆笑しながら言った。
「それがさ~、ウチがやんちゃすると、三蔵様が経文を唱えて、
この緊箍児がきゅっと締まるんだよw
すっごい痛いからw ギャル的には“罰ゲームアクセ”って感じ!」
三蔵法師は静かに微笑み、真顔で言った。
「それは……あなたの心を正すための、ありがたい輪です」
悟空は一瞬沈黙してから吹き出した。
「三蔵様、それ言い方www ありがたい輪ってwww」
八戒はお腹を押さえてヒーヒー笑いながら言った。
「やめて~お腹痛い!ありがたい罰ゲームアクセwww
ギャル界でも聞いたことないwww」
悟浄も笑いながら頷いた。
「でも……なんか似合ってるよ、悟空ちゃん」
悟空はにっこり笑って、如意棒を肩に乗せた。
「でしょ~?ギャルは何つけても着こなすの~!」
八戒はお腹を抱えながら爆笑し、悟空の背中をぽんと叩いた。
「それな~~!でも、石から生まれて封印されて罰ゲームアクセって、
悟空っちのギャル人生ヤバすぎwww」
こうして、悟空のギャル人生が語られ、
笑いの中に、少しだけ深い絆が芽生えていた。




