第6話:ウチら、ギャル道と仏法でいくんよ♡
流沙河を後にした一行は、穏やかな丘を越えて次の街道へ。
初めて外の世界を歩く悟浄は、目をきらきらさせてあちこちを見回していた。
「うわ~!外の世界ってこんなに広いんだ……!地面がどこまでも続いてる……!」
八戒はクッキーをかじりながら笑った。
「悟浄ちゃん、めっちゃテンション上がってる~!かわいい~~!」
悟空は如意棒を肩に乗せながら、にっこり笑った。
「ウチ、昔いろんなとこ旅してきたけど……今がいちばん楽しいかも!
ギャルって、思い出より今を盛る生き物だから!」
悟浄はふと立ち止まり、三蔵法師の方を見て言った。
「ねえ、三蔵様。ボク、ずっと川の底にいたから……
こうやって旅するの、初めてなんだけど……
みんなって、何のために旅してるの?」
三蔵法師は静かに答えた。
「私は、天竺へ向かっています。仏法の真理を求めて、正しい教えを持ち帰るための旅です」
悟浄は首をかしげた。
「仏法……って、ギャル語じゃないの?」
八戒が笑いながらフォローした。
「あーしらはギャルだけど、三蔵様はお坊さんだからちょっと違うかな~!
でも、どっちも“人を癒す”ってとこは似てるかも~~!」
悟空がにっこり言った。
「そうそう!ウチらはギャル道で、三蔵様は仏法だけど、
“煩悩と向き合う”とか“人の心に寄り添う”って、めっちゃ共通してる気するんよね!
ギャルって、悩んでる子に“それもアリだよ!”って言える生き物だから!」
三蔵法師は少しだけ目を細めて、優しく言った。
「人の苦しみに向き合い、心を照らす言葉をかける。
それがギャル道であれ仏法であれ、慈悲の心に違いはありません」
悟浄は目を輝かせて言った。
「じゃあボク、ギャルとしても仏法としても、がんばる!」
三蔵法師はそっと微笑み、悟浄の方を見て優しく言った。
「ええ、悟浄。共に学んでいきましょう」
しばらく歩いたあと、悟空は三蔵法師の隣に並びながら言った。
「ねえ三蔵様、ウチ、ずっと気になってたんだけどさ、
三蔵様って、なんでお坊さんになったの?」
三蔵法師は少しだけ歩みを緩めて、空を見上げた。
「……そうですね。幼い頃、私は人の争いや苦しみに触れることが多くありました。
その中で、“人はなぜ苦しむのか”という問いが、ずっと心に残っていたのです」
悟空は首をかしげながら言った。
「それって……ギャル的に言うと、“なんでみんな病んじゃうの?”ってこと?」
三蔵法師は少しだけ笑って、静かに続けた。
「ええ。病みや悩みの根源を知り、それを癒す道を探したい。
その思いが、私を仏法へと導いたのです」
八戒が目を輝かせて言った。
「え~~!三蔵様、そういうとこマジ尊敬なんだけど~~!
あーし、ギャルでテンション上げてるだけじゃなくて、もっと深いとこも見てみたくなった~~!」
悟浄はうなずきながら、ぽつりと言った。
「ボクも……そういうの、ちゃんと知りたい。
ギャルで人を元気にするのも、仏法で癒すのも……
なんか、根っこは似てる気がする……」
三蔵法師はうなずいて言った。
「人を癒したいという思いがあるなら、道は違えど、心は通じるものです」
悟空はにっこり笑って、如意棒をくるりと回した。
「じゃあウチら、ギャルと仏法のハイブリッドでいくしかないっしょ!」
八戒が両手を広げて叫んだ。
「この旅、ギャル的に伝説になる予感しかない~~~!」
四人の声が山道に響き、風が草を揺らした。
そのまましばらく、笑いの余韻を残したまま、静かに歩き続ける。
やがて、悟浄がふと八戒の手元を見て、ぽつりと言った。
「そういえば、八戒ちゃんがさっきから食べてるそれ、なに?」
八戒はクッキーの袋を差し出しながら言った。
「これ?あーしが焼いたやつ~~!悟浄ちゃんも食べる~~?」
悟浄は嬉しそうに受け取って、ひと口かじった。
「……おいしい……!こんなの食べたの、初めて……」
八戒はにっこり笑って言った。
「それね、クッキーっていうんだよ~~!よかったら今度、作り方教えてあげる~~!」
悟浄は目を輝かせて、ぱっと顔を上げた。
「本当!?ありがとう、八戒ちゃん!」
悟空が笑いながら言った。
「八戒ちゃん女子力高すぎ!」
八戒は得意げに笑って、クッキーを差し出した。
「せやろw 悟空っちと三蔵様も一枚ど~ぞ!」
悟空はぱっと受け取って、にっこり言った。
「サンキュー!」
三蔵法師は静かに手を合わせて言った。
「ありがたいのですが、私は肉食を禁じていますので……気持ちだけ受け取っておきます」
八戒は「あっ」と声を上げて、すぐにうなずいた。
「そっか!卵使ってるもんね~~!ごめん三蔵様~~!」
三蔵法師はやさしく微笑んで言った。
「お気遣い、感謝します」
悟空はクッキーをかじりながら笑った。
「ウチ、三蔵さまのストイックさ、マジ尊敬してる~!
でも八戒ちゃんのスイーツも、ギャル的には誘惑レベルMAXなんよね!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
悟浄はクッキーを見つめながら、ふと顔を上げて言った。
「ねえ、八戒ちゃんも悟空ちゃんも……なんで三蔵様の旅に同行することになったの?」
八戒はちょっと照れながら、笑った。
「あーしはね~、“桃源恋宴”ってホストクラブ経営してて~~!」
悟浄は目をぱちぱちさせて、首をかしげた。
「……ホストクラブ?それって、なに?」
八戒はにっこり笑って言った。
「あ~、そっか!悟浄ちゃん、川の底にいたんだもんね~!
ホストクラブってね、かっこいい男の人が接客してくれるお店なの~~!
お客さんとおしゃべりしたり、飲み物出したりして、癒し空間をつくる感じ~~!」
悟浄は「へえ~」と目を輝かせながら、クッキーをもう一口かじった。
八戒は続けた。
「でね、村の若者をスカウトっていうか……ちょっと強引に連れてきて、ホストにしてたの~」
悟空が笑いながら口を挟んだ。
「ウチらがその村に泊まったとき、三蔵様が“ひと晩のご恩、必ずお返しいたしましょう。”って言っちゃって、
それで“イケメンさらうとか、ウチと同じギャルじゃんw”ってなって、調べたら八戒ちゃんがギラギラしてたのw」
八戒はちょっと照れながら続けた。
「あーし、悟空っちと同じブランドのジャケット着てて~!“え、それあーしも持ってる!”ってなって、
そこからギャルトークで意気投合したの~!」
悟空はにっこり笑って言った。
「で、三蔵様が八戒ちゃんに“あなたの好意が、誰かを苦しめるものになってはいけません”って説法して……
ウチ、マジでそれな~!って思った~~!」
八戒は目を伏せて、静かに言った。
「それであーし、改心したの。ギャルって、自由で癒しじゃなきゃダメだって思って……
村に謝りに行こうって言ったら、みんな“実はこの仕事、楽しくなっちゃって……”って言ってくれて~~」
悟浄は目を輝かせて言った。
「村の人たち、そのお仕事気に入っちゃったんだ!」
八戒はうなずいて笑った。
「そうなの~!だから経営はマネージャーに任せて、あーしは旅に出ることにしたの~~!」
悟空はクッキーをかじりながら、にっこり笑って言った。
「そんじゃ、次はウチの番ね!
ウチさ、天界でちょっとやらかしちゃって~、
お釈迦様に封印されちゃってたんよね~。
それで、三蔵様の旅に同行することを条件に、出してもらったって感じw」
八戒が手を止めて、目を丸くした。
「え?封印?どういうこと~~!?」
悟空は肩をすくめて、ちょっと笑いながら言った。
「ちょっと長くなるけど、いい?w」
八戒と悟浄は顔を見合わせて、ぱっと目を輝かせた。
「聞きたい、聞きたい!!」
悟空は、如意棒をくるりと回して言った。
「じゃあ、ウチの“天界ギャル伝説”聞いてもらおっかな!」
八戒が笑いながら言った。
「え~~!ギャル伝説って何w タイトルからして強すぎww」
悟浄はわくわくしながら言った。
「“天界ギャル伝説”ってかっこいい……!」
三蔵法師は静かに微笑みながら言った。
「過ちを悔い、道を歩む者には、慈悲の光が差し込むものです」
悟空はちらっと三蔵様を見て、にっこり言った。
「三蔵様、それめっちゃありがたいけど、ウチの“やらかし”わりとガチだったからw」
八戒は再び爆笑した。
「ギャルって、反省も笑いに変える生き物なんよwww」




