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護衛に付く



おっさんグッジョブ!


その朗報を聞いた時、思わずそんな声が出そうになった程である。それは、ついにシャビーテさんに護衛を付くと言う事だった。彼女のカーストや医者としての貢献度を訴えた結果、おっさんの君主にあたる(自分もだが)領主様の許可を得られたとの事であった。さらに嬉しい悲鳴が出そうになったのが...


「その護衛だけどな、しっかりやれよ!」


そう言っておっさんは自分の肩を強く叩く。非番の日にしつこく意味もなくシャビーテさんの所へ通っていた甲斐があったのか、なんと!その護衛に自分が抜擢されたのだ。


「まぁ、アレだ。正直いてもいなくても良い奴が丁度一人いたんでな、剣技の腕ももっぱら上がらんし、そんな奴は女史の護衛ぐらいが丁度良いだろうって、それで城代様も重い口を開いてくれたって訳だ」


なるほど、それは自虐でも何でもなく自分の事で間違いない。だがそうなると城壁の見回りが一人減る事になるが、おっさんならば何ら問題は無いだろう。


改めておっさんの便宜にグッジョブ!!


そして肝心のシャビーテさんの方も熱烈に歓迎してくれた。もうそのぽよよんおっぱいを何度顔に押し付けられたか、数えるのも忘れたぐらいだ。


「本当に助かったわ〜大丈夫だなんて言ってたけど、結構心細かったのよね」


そりゃそうだろう。如何に世渡り上手とはいえ、その豊満なボディを守り抜く武器がおっぱい下に隠された短刀だけでは心許なさすぎる。それでなくてもシャビーテさんの周りには、胡散臭い男が大変目につくのだ。きっと頭の中で良からぬ事を考えてるに違いない。お世辞にも頼れるとは言いがたいが、彼女の盾になれるのならこの命、惜しむ事など無い。


「もう、なにかっこいいこと言ってるのよ!」


そう言うとそんな感じで茶化された訳だが、何となく嬉しそうにも見えた。まぁ彼女はパンツ製作にかけても貴重な相談役でもある。こうしてずっと護衛役に付けるなら、会いにいく手間も省けると言うものだ。


「じゃあさっそく、部屋の方片付けないとね。今日からこっちに来れるんでしょ?」


...え


「えって、護衛なんだからずっと一緒にいるのよね?」


シャビーテさんは部屋の下を指差しながら、さも当然のようにそう言った。


そそそそれってどどどどうせいってやつじゃあ???


「え?わたしはてっきりそうなると思ってたけど。近くに部屋あるの??」


首が捥げるぐらいぶんぶんと横にふった。

確かに今の家から割と距離はあるが、それでも通えない距離では無いと思っていたからだ。

まさかおっぱいと一緒に暮すなんて...


「何言ってるのよ、女性が一番危険な時って夜でしょ?肝心な時にいない護衛って護衛と言えないじゃないの」


そう言いながらシャビーテさんはけたけたと笑う。まぁそう言われるとそうだ。その時、自分の頭の中でシーツ一枚包む裸の彼女と、バスタオル巻いて照明器具を片手に周りを警戒する自分という像が浮かび上がった。これでシャビーテさんが後ろから「あなた」とか言えばもう完璧である。何が完璧なんだ。


まぁ、そんな訳で慌ただしくシャビーテさんの護衛と、ワクワクドキドキな同棲生活が始まったのだ。


.........


ふっふっふ、片時もシャビーテさんの側を離れないで居ると、下心しかない下卑な連中の舌打ちが聞こえたような気がする。シャビーテさんもねっとり絡みつくような、いやらしい視線が遠のいてすっかり安心し切っているようだった。改めて護衛になって正解だったと思う。今や彼女はこの町の大事な医者である。つまらぬ毒牙にかかるような事があってはならない。


だが、心なしか診療所へ通う客も減ったような気がした。自分が一緒にいる事で、後ろめたい気持ちを持った輩が来なくなったのだろう。それについては二人で苦笑する他無かった。だがこれで彼女の身の安全は大分良くなったと思う。何かが起きる前で本当に良かった。


夜になっても当然一緒である。夕食は作ってくれた。悪いから良いのにと言っても若いんだからしっかり食べなさいと、これではまるでお母さんだ。でも悪い気はしない…


こんなエロいお母さんなら一生子供で問題ないからだ!!


エッチなパンツを履いてる彼女はきっとガードも固くなるだろうと言ったが、どうやらそれは杞憂だった。部屋の中のシャビーテさんはとんでもなくゆるゆるだった。もうそれは役得どころじゃない。さすがに目線がある所でパンツやおっぱいを凝視するとこらっ!と怒られるが、それでもパンツを見る上で何ら障害はない。


特に後ろを向いた時の無防備感はヤバかった。シャビーテさんはよく物を落とす。その度に猫がタマタマを見せつけるような姿勢になるのである。無論、そこに広がるのはタマタマじゃなく太ももに挟まれたもぎたてパンツである。


「もう!なんでそんなとこ見てるのよ!」


シャビーテさんが気がつき慌てて手で隠すも、隠せてないのでまるでエッチなポーズでも取ってるかのようになってしまうのも最早ご愛嬌であった。こんなのいくら血を量産しても足りなくて困る。ホントちょっと自重...はっ!!


そうか、そうだったのか!


もしこれがパンツ履いてない状態だったらばどうなっていたのか?きっと絶対に布で隠すに違い無い。それをしないと言う事は、無意識の中に「パンツだから見えてもいいや」という気持ちが芽生えているに違いないのだ!無遠慮な目線に疎い彼女の事だから余計にパンチラになるのかもしれない。しかし、これは良い傾向である。つまり、多少エロに走ってもパンツだから平気と言う無意識の自覚が芽生えれば...女性たちはパンツは隠さない!見える!これで勝つる!!


そこに気づいて思わずガッツポーズする自分をどこか冷めた目で見ている彼女がいたとか。

そうすると、さっそくイメージが浮かんで来たのでシャビーテさんと相談しながら、改めてパンツのデザインを考えてみた。


一つ紙にパンツを描き、互いに意見を出しながらデザインを付け足していく。


「逆にゆるくしちゃうと間から丸見えになってダメねぇ」


シャビーテさんが現代で言う所のトランクスっぽいものを描く。問答無用で罰点をつける。こんなものはパンツではない。パンツの風上にも置けない。


それなら体にフィットするような感じでと、今度はK-POPアイドルがよく付けてる擬似パンツっぽいホットパンツを描く。悩みながら今度は三角をつけた。これは言うなれば妥協の最終ラインだ。ホットパンツに見えるのでエロさは愕然に減る。自分が思い描く条件には当てはまらない。


仕方なく原点に戻ってショーツタイプを描く。とりあえず太ももの付け根部分にフリルをあしらってみたら概ね好評だった。


「あ、これ可愛いかも」


そうか、可愛いと思わせると女性の心を掴めるのか...何ならこれもどうだと腹周りにもフリルを追加する。シャビーテさんの反応はまずまず、後一息だ。


んーそもそも何故恥ずかしいのか?

現代では水着は見せてOK、下着はNGという認識にある。ならばその水着に習うのはどうだろう?具体的に言えば面積は構図はそのままに、内側を加工して、汚れや透けが目立たないように工夫を施すという感じだ。


「…うん、良いんじゃないかな」


シャビーテさんは何度か頷いて同意してくれた。

ようやく及第点を得られた。後はこの絵を元に新たな試作品を作るだけだ。


「ふぁああぁ〜」


気がつけば夜が更けて、大分時間も経っている気がした。シャビーテさんはすぐに毛布を用意してくれた。互いに向き合うような形でおやすみを言い、明かりを消して目を閉じた。


疲れていたのかすぐにうとうとし始め、意識が遠くなりかけた時、シャビーテさん声がした。


「ねぇ、起きてる?」


「はい」


「気になってる事があるのだけど聞いてもいい?」


「はぃ」


「おっぱい、好きなの?」


「.......」


「その、良く見てるから」


「好きですねはい」


「ふふふ、ホント変わってるよね君って」


「そうです?」


「うん、変わってる」


「じゃあそうかもしれないですね」


眠いのでうまい言い訳も思いつかなかったが、暗闇の中でこういう会話をするのは悪くないと思った。なんだか修学旅行を思い出す。


「ねぇ、まだ起きてる?」


「ええ、起きてます」


「こっちに、いや、私がそっちいくね」


そう言うとシャビーテさんはこっちの毛布に入ってきた。そしてその右腕で自分の頭を支えるように乗せてくれた。腕枕だ。そして最後にあいてる手で自分の体を抱き寄せた。ふくよかな胸が顔に当たる。どこか懐かしい匂いがした。


「寝れそう?」


「..........」


「おやすみ」


眠気が頂点に達した所でふと思い出した。

護衛が一緒に寝たらダメだろと。



----------



可愛い寝息をたててすやすや眠る顔を見ながら、

ライカンさんがこの子を紹介してくれた時を思い出した。


長い間戦災孤児院に預けられ、体はとても小さく見えた。無口で反応も乏しく、見ているだけで可哀想に思えた。職を継ぐ為に兵士にさせられると聞いてさらに悲しくなった。できれば引き取ってあげたいとさえ思ったけど、それも叶わぬ願いだと諦めていた。


時々様子を見に行く事にした。医者としてこの子の力になれるなら、出来る限り協力しようと思ったからだ。仕事の方は幸い辛いものでは無いらしく、それを聞いてホッとした。色々聞いて見るも相変わらず無口で、返事する声は小さいままだったけど、心無しか前より顔色は良くなっていた。「ちゃんとご飯食べている?」そう聞くと、大きく頷いてくれたのが嬉しかった。少しは心を開いてくれたのかな?


そして三ヶ月前になる。


この子が自ら診療所へとやってきたのだ。

それだけで嬉しかったが、その口から「記憶がなくなったらしい」聞いた時、ショックで思わず抱きついてしまった。こんなおばさんに抱きつかれて嫌われたら...と思ったが、心無しか喜んでいるように見えたのでさらに強く抱きしめてしまった。


その時からこの子は見違えるように元気になった。良く喋り、良く笑うようになった。記憶に関しては全くの無知だった為、その事に対して何もしてあげられないのが少し辛かったけど、元気なこの子を見てると、このままの方が良いのかも、とさえ思うようになる。全く困った情けない医者だ、でも、次に私の事をもっとよく知りたいと言われた時は、思わず有頂天になって記憶の事が何処かに飛んでいった事に関しては恥ずかしく思うばかりだ。


それから、休みの日になると必ずここへ遊びにきてくれた。初めて会った時とは考えられないその劇的な変化に、最初は戸惑いもしたけど、正直に言えばやっぱり嬉しかった。私は一番下で、兄弟といえば上しか居なかったから尚更かもしれない。新しい家族が増えたような気分だった。私の事を本気で心配してくれてると知った時は、思わず我も忘れて泣きそうになった。そう言う時は、何時も強引に抱き寄せて誤魔化すようにしていた。時々胸の辺りに強い視線を感じのは、母を恋しく思ってしまったからかもしれない。記憶が無いとはいえ、家族の事を思うときっと辛いに違いない。それからいきなり抱きしめるのは控える事にした。それでも胸や腰のあたりをじーっと見る事は続いていた。その度に自分の軽質な行為を振り返って、反省してしまうのだ。


そしてある時、この子の口から突拍子も無い言葉が出たのである。それは、女性に下着を広めたいと言うものだった。さらに血で下着が汚れないような方法は無いかとも聞かれ、二重に驚いたのはまだ記憶に新しい。一体この子は何処でそんな知識を知ったのだろう?不思議に思ったりもしたが、自分としてもその問題は重要だと思っていたので、喜んで協力する事にした。さすがに用意された下着履く時は恥ずかしかったが、この子の、今まで見た事も無かったその情熱、下着の事になると周りが見えなくなる程熱中する様子に押され気味になり、その羞恥心を奥に引っ込めた。


そして、今日から私の護衛としてずっと一緒に暮らす事になったのだ。叶わぬ夢がこうして実現したした事を、私は神に感謝した。


「これからもずっと一緒にいようね」


安らかに眠るその顔にそんな言葉を投げかけ、私も眠りについた。



神よ、願わくばこの幸せが永遠に続きますように...



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