言葉の意味を追いかける楽しみについて
冒頭の意味不明な誤用をご指摘いただき修正しました。ありがとうございます。
言語警察さんは、有名な人にも無名な人にも分け隔てなくご高説を垂れていたわけですが。彼ら最近元気なくない?
私のとこに来なくなっただけかも知れませんが。
そりゃ確かにね。明らかな誤用もありますけどもね。
だいたい警察さんは間違ってるから困るのよね。
正しい人までが間違ってるほうに知識を上書きし始めたりとか、一時期酷かったですよね。
小説で普通名詞や肩書きを変だなと感じたら、とりあえずコトバンク先生に聞いてみればいいのに。用例付きでいくつもの辞書辞典事典の記載事項がすぐに読めるから。と思ってました。
最近静かになったのは、みんな調べるようになったからだろうか。いいことだ。調べるって楽しいですしね。用例で未知の作品と出会うこともあるし。
大昔の翻訳では、「細切れ芋の揚げたん」(フライドポテト)とか「軽焼きパン」(マフィン)とかありましたが。そういう表現も間違いではないし、無知から来るものでもない。
最も、昔も今も誤訳ってやつも存在しますが。
なろうでも時々、名前知らないアレ、みたいな表現があります。作者が実際に知ってるかどうかは不明ですが、少なくとも作中では名前知らないアレとして登場するもの。
そういうのには、言語警察さん食いつかないのも不思議でした。嬉々として「これよ!」と感想に書きそうですけど。「チガイマス」とは別のカテゴリーだからか?
以前ね、薙刀という名前の武器を小型投擲武器として書いてる作品を見かけたことあるんです。
作品世界で実在名称を使うなら、作品世界での定義や外見を書いといてくれないとびっくりする。
当時は感想欄で指摘する人もいて、それに対してソンナノシルカ的な返信もあり、さらに驚いた記憶があります。
まあ、武器関連はね。定番の誤認識とか色々ありますんでね。わかりゃいい気もするけどね。
あんまりへんな用法が普及しちゃうと、ソレムリ!と指摘するマニアが出てきて鎮火する印象。
私自身、そういう誤認識はあるかも知れない。
見つけた人は教えてください。
時代や地域によって定義が違う語もありますしね。元の言葉が複数あるけど訳語はひとつだったりなんてのも。逆に、ひとつの言葉に幾つもの訳語が当てはめられてたり。ヨーロッパ風でもアジア風でもありますよね。
日常語でも、昭和人が背広といったものを現代人はスーツと言うとかね。そこでまた、誤用も起きる。
随分前ですが、背広=スーツと語義だけ知ってる若い人っぽい作者さんが、女性のおしゃれセットアップスーツを背広って書いてたことあるんですよね。
まあ、そういうのはわりとあります。
あるんだけどもね。
何でもかんでも間違ってると言われても困る。
一時期、「伯爵令嬢」「公爵令嬢」が日本語として間違っているというデマが蔓延ってましたが、いつのまにやら鎮火しましたね。
そりゃあ、英和辞典の編纂者や執筆者にケンカ売るとかありえんわな。
それに、ヅガファンとかも怖いからね。
そういういい加減なことで、チガイマス言い張るのはやめたほうがいいよね。
児童文学を含む翻訳文学で育った人は、自信を持ってウソを無視していたでしょうし、映画や演劇が好きな人もスルーしていたと思うので、いつの間にか静かになりましたよね。
ただ、彼らの主張していた「伯爵家令嬢」や「公爵家の令嬢」も間違いではない。
この関連で面白いのは、英語では時に「伯爵夫人」「女伯爵」「伯爵令嬢」が全部おんなじ単語(countess)だったりすること。
なんか伯爵さんちの女の人、くらいの適当さ。
伯爵令息はcountて言わないでしょ?
どの国でも、女性は見下されていた(いる)んでしょうね。制度や表面上のマナーはどうあれ。そもそも身分制度に関わる単語だから、女性云々以前の差別意識がある時代と地域の言葉ですけど。
更に面白いのが、dame。これは肩書きじゃなくて敬称だからちょっと扱いは違いますけど。
呼びかけとなると、平民と結婚した貴族女性が〇〇夫人じゃなくてlady 自分の名前のまんまとか、時代や地域によって色々と複雑ではあるようですが。
最近言語警察さんが大人しいのは、もしかしたら、新たな特殊単語が現れないからでしょうか?
警察さんが調べるさんに進化したんなら、喜ばしいことでありますが。
なんでもなさそうな単語が、調べてゆくととっても面白い歴史を持ってたりしますよね。
言葉って、ほんとうに面白いです。
お読みいただきありがとうございます