表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子供が出来たからって勝手に親にはなれない。  作者: うらの陽子
赤ちゃんが教えてくれたこと
5/7

家族を育てる2

随分と長い間が空いてしまいました。

よろしくお願いします。

旦那さんが私の苦しみの根源なんじゃないかと考えが至った頃、私は大好きな旦那さんに対して距離を置く方が良いのではないかと思い始めていた。

実は出産も里帰りはしなかったし、出産後の里帰りも3週間で切り上げて自宅に帰ってきた。

それは、一重に旦那さんと一緒に過ごすためだ。

母親にはもっと実家にいてゆっくりしなさいと言われたが、とてもそんな気がしなかったのだ。

旦那さんも寂しがっているように見えたし、

私も寂しいと感じた。


実家で香が夜中に泣いて祖母のお小言を聞くのが嫌っていう理由も多少あったけど、、、


実家に帰るにしても、私だけで決めることじゃないから、どうしようか迷っている内に1か月ほど過ぎた。

何となく調子はいいけど、高原先生の「香に向かっている怒りは本来別の人に対する怒りですよ」という言葉が気になっていた。

きっと、旦那に向けるべき怒りが弱い香に向かったのだと感じているけど、、、

ちょっと自信がない。


そういえば、、、

フっと思い出した私の携帯の中に高原先生のLINEがあった。

継続してカウンセリングを受ける人にLINEでのフォローがあったはずだ。

ほんの少しだけだから、聞いてみよう。


すがる思いで、LINEを打つ。

『高原先生ご無沙汰しております。以前一度カウンセリングを受けた響と言います。一つお聞きしたい事があり、LINEさせて頂きました。

前回のカウンセリング中に赤ちゃんに対する怒りは本来別の人に対する怒りなんですよと教えて頂きました。あのカウンセリングから子供に対する怒りはなくなってきたのですが、旦那に対する怒りが溢れかえっています。それで、少し距離を取るために実家に帰ろうかと思っているのですが、、、』

そこで一旦文章を終わらせる。

その続き、、、

『それで間違ってないですか?』

何か違う気がする。

『それでいいと思いますか?』

書いては消して、書いては消してを繰り返していたら、高原先生から返信があった。

『大きな勘違いをされているかもしれません。LINEではお伝え出来ませんし、旦那さんへの怒りも教えて頂ければと思いますので、カウンセリングに来られた時にしっかりお話しませんか?』

私はこの文章を読んでひどく動揺した。

『勘違い』という言葉に胸が締め付けられる。

何かを私は間違ったということなのだろうか。

間違いは正さなければならないという思いの強い私は、すぐにカウンセリングの予約を取った。

次回の予約はとってあったが、早めてもらったのだ。

旦那には事後承諾だ。


旦那に、近々、またカウンセリングに行くと伝えると、あまりいい顔をしなかった。

前回は、彼の方が「行ってきたら」と言っていたのに、、、

「前は直さんが行ってきたらって言ってたのに、なんで今回はそんな顔してるの?」

彼は大きく息は吐きながら、

「最近怒りっぽいとは思ってたけど、それって夫婦の事で、僕が悪いみたいじゃん」

そんな風につぶやいた。

私は目が大きく開くのを感じながら、息を飲んだ。

旦那に怒ってはいた、でも、その怒りを極力抑えていたつもりだった。

私の怒りは漏れ出ていたのだ。

「気づいてたんだ、私が怒ってること」

「当たり前だろ。夫婦なんだから、気付くだろ」

少し大きくなった声。

何で分からないんだ、という怒りが見え隠れしている。

「カウンセリングに言ったら怒りっぽいの改善するかもしれないし」

旦那は少し頷いた。

「そうだな、話をするっていうのは大事なことだ。分かった、行って来たらいいよ。」

畳の上で寝ている香を見ながら、「香は託児所?」と尋ねてくる。

私は頷いた。



「家族を育てる」はいったんここまでで、次回はカウンセリングの話です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ