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ズレているようで合っているようで

タイトルが意味不明だったので分かりやすくサブタイトルを付けました。


美香ちゃん視点の、ヨミヤちゃん観察日記のような、感想文のような、そんなお話です。


今回は漢字の書き取りをするだけの回です。


※順不同なので今回から読み始めていただいても大丈夫です。


挿絵(By みてみん)

 カリ……カリ……カリ……カリ……


 皆が紙に鉛筆を走らせる音が、静かな教室に響いている。


 今は漢字の書き取りをする時間、四年生になって難しい漢字も出てきたね。


 この後テストもあるから、一生懸命書き写して覚えなきゃ。


 えーと、次の漢字は"変"だね。これは"かわる"って読むんだね。


 よしよし、書き順もしっかり覚えたし、テストもばっちりなはず!


 それから次の漢字はと……


「うむむむ……」


 おやや? なにやらヨミヤちゃんがうなっているよ? 


 ある意味いつも通りだけど、今は皆が静かに集中している時間だから、変な声を上げてると目立っちゃうよ。注意した方が良いのかな?


「ヨミヤちゃん、今は書き取りの時間だから静かにしないとダメだよ」


「うむ? 美香よ、私は今難解な問題にぶつかっておるのだ」


「難解な問題?」


 はて? そんなに難しい漢字があったかな? ちょっと複雑な漢字はあったと思うけど、そんなに悩むものはなかったと思うけどなぁ。


「美香よ、私は思うのだよ。なぜ私たちは漢字の書き取りなどさせられておるのだ?」


 わお、またヨミヤちゃんが不思議なことを言い出したよ。


「ヨミヤちゃん、この後漢字のテストがあるんだよ、だからしっかり覚えないといけないんだよ」


「私が解せぬのはそこなのだよ、なぜ私たちはテストなど受けねばならぬのだ?」


「えぇ? だって私たちは小学生だから、勉強してテストを受けるのは当たり前だと思うけど」


 私、間違えてないよね? 小学生なんだから、きちんと勉強しないとダメだよね? なのにヨミヤちゃん、どうしてそんなに難しそうな顔をしているの?


「美香よ、良いことを教えてやろう。勉強とはただ暗記をすればいいというものではなのだよ。ただ暗記しただけの知識など、所詮時間と共に古くなっていくのだからの」


 あれれ? 何かまた難しいことを言っているのかな?


「勉強において真に学ぶべきは、知識ではなく考え方なのだ、そして行動の在り方なのだよ。分かるか? 美香よ」


「ううん、良く分からないよ……」


 まったくサッパリだよヨミヤちゃん。周りのクラスメートも皆首をかしげちゃってるよ。ところで皆いつの間に私たちの話を聞いていたんだろう?


「ならば分かりやすく教えてやろうかの。つまりだの、漢字の書き取りなど意味はないのだ。故に美香よ、サボろうではないかと私は言いたい」


 わあ、なんて分かりやすい! そしてなんてダメダメなのヨミヤちゃん! 色々難しいことを言って結局はお勉強がしたくなかったんでしょ? 真面目に聞いてて損したよ!!


「もう、難しいことばかり言って。ホントはサボりたかっただけなんだね」


「そうではないぞ、私の言っていることは学びについての核心なのだよ」


 何が核心なのかな? もう放っといて私はお勉強を続けようっと。


「凄えぜヨミヤちゃん! なんてイケてる考え方なんだ、ヨミヤちゃんの言う通りだぜ!」


 ってちょっとちょっと男子!? 何を突然言い出すの? ヨミヤちゃんに乗っかっちゃダメだよ。


「そうだぜ、漢字なんか覚えたって意味ねえよな!」


「ああ、俺達はヨミヤちゃんについていくぜ!!」


 ちょっとちょっと! 他の男子まで乗っからないでよ。どうせ皆お勉強がしたくないだけでしょ?


「もうっ、ヨミヤちゃんのせいで大騒ぎになっちゃったよ、私知らないからね?」


「そうか、美香は漢字の書き取りを続けるのか……なんと愚かなことよ……」


 ムッカー! 愚かって? 絶対私間違えてないもん!!


 もうヨミヤちゃんも男子たちも知らないもん! 皆一緒に先生に怒られたらいいんだよ。


 このあと、騒いでいた皆はもちろん先生に怒られました。


 テストも当然、ヨミヤちゃんと男子は赤点でしたよ。


 ほらやっぱり、お勉強はしっかりしなくちゃね!

ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。


また、ブックマークやpt評価、感想も喜んでお受けしております。


執筆の励みとさせていただきますので、応援よろしくお願いします。

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