Sweep the floor
「美香ちゃん、こっちは終わったよ」
「うん、じゃあ机を動かそっか」
今はお掃除の時間。
今週私たちは教室当番で、教室をお掃除しているの。
皆で机を教室の片側にまとめて、開いた場所から雑巾がけをしていくんだ。
クルクルクルクル拭いていって。終わったら机を反対側に寄せて、またクルクルクルクル拭いて。
雑巾がけってすごく大変だけど、お掃除が終わった後は床がピカピカになってて、とっても気持ちが良いよね。
だから一生懸命やらないと!
「ぜぇ……次は……ぜぇ……反対側か……ぜぇ……」
おやや?
ヨミヤちゃん、ちょっと雑巾がけをしただけでそんなに息が切れちゃうだなんて、あまりにも体力がなさ過ぎるよ。
まだ半分しか終わってないのに、疲れて動けなくなっちゃってるじゃない。
「ヨミヤちゃん、あと半分だから、もうちょっと頑張ろう?」
「うぅむ……そうは言ってものう……もはや限界なのだよ」
少し雑巾がけをしただけで、限界だなんて大げさだよ。
それにヨミヤちゃん、自分の周りのほんのちょこっとしか雑巾がけしてなかったじゃない。
ほらほら、男子たちが机を動かしてくれたよ、残りの半分も頑張ろうね。
「美香よ、ちょっと待つのだよ」
はて?
まだ休憩が必要なのかな? 十分休憩はしたと思うけど……
「どうやら私は、画期的なアイデアを閃いてしまったみたいなのだよ」
「画期的なアイデア?」
画期的なアイデアって何だろう? またよからぬことを考えてなければ良いけれど……
「まずはのう、こうやって雑巾を踏むのだよ」
うーん、それはお行儀が悪いよヨミヤちゃん。そして、何をしたいのか大体察しがついたよ。
「そしてこのまま──」
スイ~ スイスイ~
ほらやっぱり!
画期的なアイデアってそれなの? 踏んづけたまま足で雑巾がけをするだけなの?
「見るのだよ、コレならば体力も使わぬし、素晴らしい方法であろう!」
「ヨミヤちゃん、それはとってもお行儀が悪いから、良くない方法だと思うよ?」
「お行儀? 良いか美香よ、そのような固定概念にとらわれていてはダメなのだよ。より画期的な方法を模索し、常識に縛られずに実践していくことが大事なのだよ」
またまた難しいことばかり言って……雑巾は踏んづけちゃダメに決まってるんだから。
「さゆりちゃん、私たちはちゃんと手でやろうね」
「うん」
クルクル~ クルクル~
ほらほら、手でやった方が綺麗になっていく気がするよ。足でやったって綺麗になんてならないんだから。
「美香よ、まだそんな方法を続けておったのか? 私の編み出した足かけ式雑巾方に勝るやリ方などないというのに……」
足かけ式雑巾方? そんな言葉ないでしょ! もう、勝手なことばっかり言って。
「調子に乗ってズルズル滑ってると、いつか怪我とかしちゃうよ?」
「ふふんっ、私に限ってそんなことになるはずが──」
バッシャンッ!
「あぶふぁっ!?」
ほら! 言ったそばからコレだよ。よりによってバケツをひっくり返しちゃうなんて。
「冷たいのだよぉー……臭いのだよぉー……」
きっと罰が当たったんだよ。
ずるはダメだっていうことだよ、ヨミヤちゃん。
ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




