紅葉
「「あ~きの~♪ あ~か~いぃ~♪」」
季節はすっかり秋。
校庭には、赤や黄色の葉っぱが沢山落ちてるね。色鮮やかですっごく綺麗だよ。
「美香ちゃん、綺麗な葉っぱだね。秋って素敵」
「うん! 赤と黄色と混じってて、見てるだけで楽しいよね」
あの赤い葉っぱがもみじだよね。それから、この黄色い葉っぱがイチョウかな?
さゆりちゃんの言う通り、凄く綺麗で素敵な景色だと思うよ。
「うむ……うむうむ……」
おやや? ヨミヤちゃん、落ち葉の真ん中で一人ポツンと、どうしたのかな?
それにしても、今日はヨミヤちゃんがいつもの何倍も可愛く見えるよ。
だって、色鮮やかな落ち葉の中で、真っ白なヨミヤちゃんが凄く綺麗に見えるんだもの。
何だか秋の妖精さんみたいだね。そのまま動かず何にも話さず、じっとしておくと良い気がするね。
「この葉っぱたちは、まるで血しぶきのように真っ赤に染まっておるのう」
うん……やっぱり何にも話さずに、じっとしておいて欲しかったよ。
何て残念な感想を言うのかな、ヨミヤちゃんは。
こんなに綺麗な葉っぱを見て、血しぶきだなんて怖い感想が出てくるのが不思議だよ。
「見事な……見事な美しい血色だのう……」
はて? 綺麗だとは思ってるんだ?
でも、綺麗なものを表現するのに血で例えるなんて、独特すぎるよヨミヤちゃん。
「美香よ、紅葉とは良いものだのう! 素敵だのう!!」
「うん、血しぶきみたいではないけど……素敵だよね!」
ヨミヤちゃん、すっかりはしゃいじゃって。
「うむむぅ! 何やら血が騒いできたのうっ」
血は騒がないよヨミヤちゃん。どちらかというと気持ちが落ち着いてくると思うんだけど。
「よぉし、この紅葉たちにダーイブなのだよ!!」
わぁ!? 突然葉っぱの上に飛び込むなんて、ビックリしちゃったよヨミヤちゃん。
いくら綺麗だって言っても、お洋服が汚れちゃったりするでしょ?
ほらほら、赤や黄色の葉っぱが沢山ついちゃってるよ。
それから、黒い点々も沢山ついてて……
黒い点々?
「ヨミヤちゃん、その黒いのって何?」
「うむ? 黒い?」
何だろう? 小さな黒い粒が沢山ついてるけど……よく見るとザワザワ動いてるような気が……
って、これは!
「ヨミヤちゃん、それアリンコだよ! アリンコが沢山ついてるんだよ!!」
「何だと!?」
ヨミヤちゃん、葉っぱの下にあったアリの巣に乗っちゃったんだね。それでアリンコさんがビックリして、ヨミヤちゃんにくっついちゃったんだ。
偶然アリの巣の上に飛び込むなんて……すっかりアリンコまみれになっちゃってるよ。
「紅葉にこんな罠が、痒い! あったとはのう、痒い!」
罠でも何でもないよ、調子に乗ったヨミヤちゃんが悪いの。
「かっ、痒い! アリが服の中にっ、痒いのだよ!!」
ほらほら、ちゃんと取ってあげるからじっとして。
紅葉が綺麗だからって、調子に乗らないようにしようね、ヨミヤちゃん。
ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




