ウイルス
キーン コーン カーン コーン……
「おはよう、美香ちゃん!」
「うん! おはよう、さゆりちゃん!」
今日も一日がはじまるよ。
すっかり寒くなって、お布団から出るのが少しおっくうだったけど、とってもお天気が良くて素敵な一日になる予感がするなぁ。
それに、最近は学校がすごく平和なの! それはなぜかと言うと……
「美香ちゃん、ヨミヤちゃんってまだお休みなのかな?」
「うん、インフルエンザらしいから、もうしばらくお休みかもね」
そう、ヨミヤちゃんがインフルエンザにかかってしまったの!
先週様子がおかしくって、ずっとボーっとしてたんだ。
話を聞いてもぽやぽやしてて、体が痛いとか、熱っぽいって言ってたんだけど、まさかインフルエンザだなんて。
すっごく心配だよ、ヨミヤちゃん。
でも、ヨミヤちゃんには申し訳ないけれど、ヨミヤちゃんのいない学校はとっても平和だったよ。
だって授業をかき乱す人もいないし、ヘンテコなことで騒ぐ人もいないし、とにかく平和な毎日だったよ。
もちろん早く治ってほしいけど……でもでも、もう少しだけ休んでてもらっても良いような……そんな複雑な気持ちだよ。
「うむ! 久しぶりだのう、皆の衆!!」
おやや? この声はもしや!
「あ、ヨミヤちゃん、おはよう!」
「うむ、元気にしておったかの? さゆりよ」
やっぱりヨミヤちゃんだったよ。インフルエンザ、治ったんだね。
うん……嬉しいよ……本当に……
「おや? 美香よ、せっかく私が復活したというのに、あまり嬉しそうではないのう?」
ギクリッ!
「そ、そんなことないよヨミヤちゃん。元気になってよかったよ!」
「そうであろうな、盟友の復活なのだからのう」
危ない危ない。ヨミヤちゃん、時々変に勘が鋭いから困るよ。
「インフルエンザはもう良いんだ?」
「もちろんなのだよ! あの程度のウイルス連中、私にかかれば瞬殺だったのだよ」
そっか、瞬殺だったんだね。
一週間近く休んでたけどね……
「昨日などはすっかり元気だったからのう、あてどもなく商店街をブラブラとしておったのだよ」
それはダメだよヨミヤちゃん。学校を休んでるんだから、お家でゆっくりしないとだよ!
まあでもとにかく。
「元気になって良かったね、ヨミヤちゃん」
「うむ……うむ?」
あれれ? 何だか突然歯切れが悪いよ。
それにお顔がぽやぽやして少し赤いような?
「ヨミヤちゃん、どうしたの?」
「うむ……何やら体の節々が痛くてのう……インフルエンザの後遺症かの?」
はて? そんな後遺症は聞いたことがないけど。
「それに、なにやら熱っぽい気がするのう。インフルエンザを思い出すのう……」
熱っぽいって、何だか嫌な予感がするよ。
ちょっとおでこを失礼して、どれどれ……って、熱!
「ヨミヤちゃん、凄く熱いよ!」
「はっはっはっ、何を言っておるのか美香よ。そんなはずはないのだよ?」
ヨミヤちゃん、本当はインフルエンザが治ってないんじゃ?
あ! もしかして……
「ヨミヤちゃん、またインフルエンザにかかったんじゃない?」
「いやいや、治ったばかりなのだよ? それはないのだよ」
うん、それは知ってるよヨミヤちゃん。でもね……
「ヨミヤちゃん、インフルエンザってA型とB型があってね、どっちもにかかる人もいるんだって」
「なん……だと……げほっ……!?」
咳までしてるよ!
体が痛くて、熱があって、咳までしてて、もう確定だよこれは。
弱ってるのに、外に出たりするからそうなるんだよ。
もう! お騒がせなんだから。
インフルエンザには気をつけようね、ヨミヤちゃん。
ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




