表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/53

ドッジ・ボール・Ω

美香ちゃん視点の、ヨミヤちゃん観察日記のような、感想文のような、そんなお話です。


今回はドッジボールをするだけの回です。


※順不同なので今回から読み始めていただいても大丈夫です。


挿絵(By みてみん)

 ぐぅ~


 おっと、お腹が鳴っちゃった。


 今はお昼前の四時間目。体育の時間で動き回ってるし、少しくらいお腹が鳴っても仕方ないよね?


 今日の体育はドッジボール、皆が大好きな競技だ。私もドッジボールが大好き、だってとっても楽しいんだもん。


 今はクラスを半分こにして試合をしている真っ最中。私のチームで内野に残ってるのは二人だけ、そのうちの一人が私なの。


 よけるのはとっても得意だからいつも最後まで残っちゃう。最後の方になるとドキドキするけど、でもやっぱりドッジボールは楽しいな。


 そして、もう一人残っている内野の子が。


「うむおぉ!? 何をする、危ないではないか!!」


 大声を上げて怒っているヨミヤちゃんだ。


 でもヨミヤちゃん、さっきからボールが飛んでくるたびに怒ってるけど、ドッジボールってそういう競技だよ?


 ほらほら、あんまりヨミヤちゃんが怒るから、皆もヨミヤちゃんにボールを投げづらくなっちゃってるみたい。


「うむ、ドッジボールとはかくも恐ろしいスポーツであったか、少々甘く見ていたようだの……」


 恐ろしいスポーツ? 違う違う、ヨミヤちゃんが勝手に怖がってるだけだよ、ホントはとっても楽しい競技だよ。


「しかし! この恐怖のスポーツを制することにこそ意味があるのだ、故に私は勝たねばならぬ!!」


 だから、恐怖のスポーツなんかじゃないってば。もうちょっと気楽にプレーしようよ。


 あ、ほら! 相手チームがボールをパスして回ってるよ。しっかり見てちゃんとよけないとね。


「うむむ、なんという超高速連携攻撃……あまりの速度に目が追い付かぬ」


 全然超高速じゃないよ!? 皆軽くパスしあってるだけなのに、運動神経もダメダメなのかなヨミヤちゃん。


 そんな端っこに立ってたらボールが飛んでくるよ。


「美香ちゃん、後ろ!」


「え?」


 ボンッ


「あぁっ」


「美香!?」


 ヨミヤちゃんに気を取られていたら、私が背中からボールをぶつけられちゃった。悔しい!


 でもチャンスかも。ぶつかったボールが転がってヨミヤちゃんの足元に。相手チームも喜んでばっかりで全然気づいてないみたい。


 今ならチャンス! 今のうちにアウトを取っちゃえヨミヤちゃん。


「うむむぅ、なんということだ美香よ……お主の死は無駄にはせぬ!!」


 うん? ちょっと待って、私まだ死んでないよ?


「覚悟せよお主ら! 我が盟友の仇、このヨミヤが取ってくれよう!!」


 ちょっとちょっと、そんなに大きな声を出したら相手チームが遠くに逃げちゃうよ。あと私はいつから盟友になったのかな?


「うむおぉ! 今! 盟友との誓いに打ち震えるこの手が! 友情の熱き輝きを放つ! 食らうがよい、必殺の一撃! ヨミヤ・オメガティック・トルネードスマッシャー・オメガ!」


 いや、長っがいよ!!


 いつまで叫んでるのヨミヤちゃん? 相手チームの皆、もう逃げちゃってるよ。それに何その必殺技、オメガって二回言ってたよ? もう全然意味が分からないよ!


 ヒョロリ……


「「「弱っっ!?」」」


 長いと思ったら今度は弱い!


 何そのボール、全然相手まで届いてないよ。思わず皆と声が揃っちゃった。名前負けにもほどがあるよヨミヤちゃん! ほらもう地面にポテンッて落ちちゃってる。


「くうぅっ、あと一歩、届かずか……っ」


 一歩どころか百歩くらい足りてないからね? それより相手がボールを拾っちゃう、地面に項垂れてる場合じゃないよ!


「すまぬ美香よ、お主の仇、取れなかったぁっ」


「だから私、死んでないってば!!」


 つい大きな声が出ちゃった。ヨミヤちゃん自分の世界に入りすぎだよ。


 もうちょっと周りを見て、今後は気楽にドッジボールしようね。


 ちなみに試合は、このあとすぐに負けちゃいました。

ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。


また、ブックマークやpt評価、感想も喜んでお受けしております。


執筆の励みとさせていただきますので、応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ