ハッピー・バ~スデェ~・ネクロノ・ミコーン
「ハッピ~♪ バ~スデェ~♪ トゥ~ユ~♪」
わあ! さゆりちゃんありがとう!!
そのヘンテコなお歌は少し気になるけど、でもとにかく嬉しいな。
そう、今日は私の誕生日。今日で私も十歳なの。
とうとう二桁になったよ、何だか少しだけお姉さんになった気分?
「美香ちゃん、これ私からのお誕生日プレゼントだよ」
「本当? ありがとう!」
プレゼントだって、さゆりちゃんホントにありがとう!
「見ても良ーい?」
「うん、気に入ってくれると良いけど」
気に入るに決まってるよ、だってさゆりちゃんのくれたプレゼントだもん。
可愛い袋に入ってて凄く素敵だね、中身はと。
「わぁっ……」
ペンだ。タコの模様が描いてあるペン。
日本の昔の絵みたいなタコだね、これは……可愛いのかな?
「どうかな、美香ちゃん?」
「う、うん! とっても気に入っちゃった、大事に使うね」
「うん!!」
ちょっと独特なセンスだけど、さゆりちゃんが選んでくれたものだもん、大事にするよ。
「ハッピィ~♪ バス~デェ~♪ ト~ウ~ユウゥ~♪」
はて? さゆりちゃんよりもさらにヘンテコなお歌が聞こえてきたけど。
もしかしてこのお歌、流行ってるのかな?
「うむ! 美香よ、今日はお主の生誕祭と聞いたのだがのう」
「うん、今日お誕生日なの」
「そうかそうか! それはめでたいことだのう!!」
ありがとうヨミヤちゃん。ヨミヤちゃんもお祝いしてくれるんだね、とっても嬉しよ。
「ところで、生誕祭には贈り物をするのが通例であると小耳にはさんだのだがのう」
「うん、お誕生日プレゼントのことだよね? お友達のお誕生日とかだと送ったりするかな」
ヨミヤちゃん、もしかしてお誕生日プレゼントを知らなかったのかな?
「あ、でも無理して送る必要はないから。ヨミヤちゃんも無理してくれなくても良いんだよ」
「何をいうか、愚か者め!!」
えぇ!? どうして私は愚か者扱いされてるのかな?
「美香よ、お主は私にとって唯一無二の大盟友ではないか! そんなお主に贈り物を用意しておらぬわけがないだろう」
唯一無二の大盟友だなんて……ちょっと重すぎるよヨミヤちゃん。
ただのお友達で良いと思うんだけどな。
「という訳でだ、私からはこれを送ろう」
「ありがとうヨミヤちゃん!」
本当に用意してくれてたんだ、すっごく嬉しいよヨミヤちゃん。
何だろう? 袋に入ってるけど本みたいな感じかな? えっとこれは……
えっと……
これは……
「これは何? ヨミヤちゃん」
「うむ! それはだのう、ネクロノ・ミコーンなのだよ」
ネクロノ・ミコーン……
すごくよく分からないよ、ヨミヤちゃん。
なんだか黒くて紫色で、怖い感じの本だけど、これはどういう本なんだろう?
「ネクロノ・ミコーン? これは本なのかな? どういう本なの?」
「甘いのう美香よ、それはただの本ではなく魔道の奥義書なのだよ」
魔道の奥義書……
とてもよく分からなすぎるよ、ヨミヤちゃん。
「それにはとてつもない魔力が込められておってのう、それを使うと……」
「使うと……?」
「とても勉強が捗るのだよ!」
おぉ! それは凄い!! けど本当なの?
「まぁとにかく、次の授業で使ってみるのだよ」
「うん、とりあえずありがとうヨミヤちゃん」
授業で使うって、大丈夫なのかな?
次は、算数だね。
それじゃあ教科書と、それからこのネクロノ・ミコーンを開いてと。
わぁ、とっても綺麗な方眼書いてあるね。
ページの端っこには目印もついてあって、なんて使いやすそうな……
って、これってただのノートじゃない!!
もう! ネクロノ・ミコーンなんていうから何かと思ったよ。
ノートならノートって、普通に言ってくれたら良いんだよ。
でもありがとう、ヨミヤちゃん。
大切に使うね!!
ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




