QBYMY
「城戸崎さん、お願い!」
「うん、任せて!」
バシィッ!
やった!!
今日の体育はソフトバレーボール、今ちょうど私のスパイクで得点が入ったところなの。
試合は私たちのチームが優勢。もう倍以上も得点が入っているから、勝ちはもらったよね。
相手のチームは何だか上手くいってないみたい、なぜかというと……
「うむぅ、おのれ美香のやつ、なんという鋭いスパイクなのだ!」
そう、相手チームのヨミヤちゃんが全然役にやっていなの。
ヨミヤちゃん、基本的に運動が苦手だから、ヨミヤちゃんを狙えばすぐに点が入っちゃうの。
向こうのチームのさゆりちゃんには悪いけれど、この試合は勝たせてもらうもんね!
「ヨミヤちゃん、どうしてボールを取りにいってくれないの?」
そうそうさゆりちゃん、やっぱりそう思うよね。
だってヨミヤちゃん、試合がはじまってからずっとコートの真ん中で立ってるだけで、何にもしてないもんね。
これじゃあ得点が入っちゃっても仕方ないよね。
「さゆりよ、私はそういうポジションではないのだよ?」
「ポジション?」
「そうなのだよ。私のポジションはクォーターバックなのだ、つまりは司令塔役なのだよ」
はて? クォーターバック? それってバレーのポジションじゃないような……
「つまりだの、私の仕事は指示を出すことなのだよ。なのでボールを取りにはいかぬのだよ」
いやいやヨミヤちゃん。バレーボールなんだから、どんなポジションにいてもボールは取りにいかないとダメだよ。
「そしてさゆりよ、お主のポジションはキャッチャーだ。なのでどんどんとボールを取りにいくと良いのだよ」
キャッチャー? それは野球じゃないのかな? バレーボールが関係なくなっちゃてるよ。
「お主はフォワード、それからお主はポイントガードだの」
ちょっとちょっとヨミヤちゃん。勝手に決めていってるけど、それって全部バレーのポジションじゃないよね?
ほらほら、言われた子たちもキョトンとしちゃってるよ。
「ヨミヤちゃん、スポーツが混ざってる気がするよ?」
あぁ、相手チームだったけど、思わず言っちゃったよ。だっておかしいもんね。
「甘いのう美香よ。これはのう、次世代のバレーなのだよ」
「次世代のバレー?」
うーん? それは一体何なのかな? 今は普通にソフトバレーをしてるだけだと思うんだけどな。
「何事ものう、枠にとらわれず様々な要素を取り入れることが大事なのだよ。つまりは私たちも、ハイブリットでマルチなバレーをするべきなのだよ!」
何ていうか、良くわからないけど……とにかく私たちのチームは普通のバレーをすれば良いよね。
あ、次は私がサーブを打つ番だね。
よーし、今度も点を取っちゃうもんね!
「そおっれ!」
バシィッ!
良い感じ! これはまたまた私たちのチームに得点かな?
「きたぞ! さゆりキャッチャーよ、キャッチにいくのだ!!」
「えっ!? あ、うん!」
パシッ……
「「「「えぇ?」」」」
わあ、皆で声がそろっちゃった。だってさゆりちゃんが、突然ボールをキャッチしちゃったんだもん。
さゆりちゃん、どうしてボールをキャッチしちゃうの? 今はバレーの最中だからキャッチはしちゃだめだよ?
「うむ! さゆりよ、良くやったの。さすがはキャッチャーだの!!」
「うん! ありがとう!」
ダメダメ、ダメでしょうヨミヤちゃん!
さゆりちゃんも、バレーなんだからキャッチはしちゃダメだよ!
「よし! ではフォワードよ、奴らに蹴り返してやるのだ!!」
絶対ダメだよヨミヤちゃん!!
バレーってそんな危ない競技じゃないんだからね。
次世代も良いけど、ルールはちゃんと守ろうね、ヨミヤちゃん。
ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




