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七並べ風

美香ちゃん視点の、ヨミヤちゃん観察日記のような、感想文のような、そんなお話です。


今回はトランプで遊ぶだけの回です。


※順不同なので今回から読み始めていただいても大丈夫です。


挿絵(By みてみん)

「うむ……ううむ……」


「ヨミヤちゃん、まだ?」


 難しそうな声を上げているヨミヤちゃん。さゆりちゃんが心配そうに声をかけているね。


 今はお昼休みの時間。ヨミヤちゃんとさゆりちゃんと一緒にトランプで遊んでるの。


 七並べのルールなんだけど、ヨミヤちゃん、はじまってからずっと難しそうな声を上げてばっかりで、中々次のカードを出してくれないんだ。


 おかげでまだ何枚かしかカードが出てないよ。全然ゲームが進まないよ? どうしちゃったのヨミヤちゃん。


「うむ……出せるカードが……もうない……」


 えぇ? 嘘でしょうヨミヤちゃん。まだまだゲームははじまったばかりなのに、もう出せるカードがないの?


「口惜しいっ、何故私のところには使えぬカードばかりが集まっておるのだ!?」


 わあ、ビックリしたよヨミヤちゃん。急に大きな声を出さないでね。


 それにしても、この様子だと本当に出せるカードがないみたいだね。なんて運が悪いのかな、ヨミヤちゃん。


 こうなったらパスするしかないよ、そうしたら次の番でカードが出せるかもしれないからね。


「ヨミヤちゃん、パスならパスって言ってね?」


「何だと! 美香よ、この私にパスを宣言しろというのか!?」


 あれれ? なんだかヨミヤちゃん、ずいぶん怒っちゃったみたい。もしかして私、おかしなことを言ったかな? 


「この私が、そのように屈辱的なことを言えるはずがなかろう!! なんという侮辱なのだっ」


 待って待って、今やってるのは七並べだよ? ただの遊びだよ? 全然屈辱的なことじゃないよ。侮辱もしてなからね?


 このままだとゲームが進まないんだから。早くパスをしてしまった方が良いよ、ヨミヤちゃん。


「ヨミヤちゃん、そういうことじゃなくてね。これはただのゲームなんだから、それに次の番になったらカードが出せるかもしれないから、ここはパスにしておこう?」


「うむぅ……美香よ、私は思うのだよ……」


 はて? 何やら腕を組んで目をつむってるよ? どうしたのかな?


「これからの世の中はの。独り占めばかりしていては、先に進むことはできぬのだよ。大切なことはの、与え合い、そして共に分かち合うことなのだよ」


 ??? どういうことなのかな? またまたヨミヤちゃんが難しいことを言い出しちゃたよ。でも七並べだから、そんなに難しく考える必要はないと思うんだけどなぁ。


 ほらほら、さゆりちゃんも首をかしげちゃってるよ。


「つまり言いたいことはだの、お主ら出せるカードを持っているのなら、私にも分け与えるべきなのだということだよ、そういった行いや考え方が大切なのだからな」


 ええぇ!? ヨミヤちゃんってば何を言ってるの? それはもう七並べじゃなくなっちゃうよ。ゲームなんだからルールは守らなといとダメだよ!


 さゆりちゃんもおかしいと思うよね? ほらほら、何とか言って上げてよ。


「え……うん、じゃあ私のをヨミヤちゃんに上げるね」


 ダメだよさゆりちゃーん!! ヨミヤちゃんに騙されちゃってるよ! 出せるカードがなくて悔しがってるだけなんだから。


「おぉ! さゆりよ、お主は中々見どころがあるのう。それに比べて美香よ、お主は……」


 ちょっと! なんでそんなに残念そうな顔で私を見てるの?


 なんだかとっても気分が悪いよ!


 分かった分かったよ、もうヨミヤちゃんの好きなやり方で遊んで上げるから!


 この後、皆でカードを交換し合いながら、順番通りに埋めていくだけの、謎の遊びをしました。


 もう! いったい何の遊びなのコレ!?

ここまで読んで下さりありがとうございました。次話もよろしくお願いします。


また、ブックマークやpt評価、感想も喜んでお受けしております。


執筆の励みとさせていただきますので、応援よろしくお願いします。

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