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だから僕は左目なんかいらない。  作者: 日暮 絵留
19/45

19 GW後半・三日目

         1

 翌日は僕の家に芹沢さんと高野さんが遊びに来た。

 お目当てはもちろん、すももちゃんだ。

「衣装を作るのにサイズを測らせてもらおうと思って♪」

 高野さんは鼻息を荒くしながら、すももちゃんの頭のてっぺんからつま先まで、念入りに、丹念に、じっくりと、ねっとりと、

 ―――って、

「た、高野さん? 気持ちは分かるけど、ちょっとやり過ぎじゃない…かな?」

 ぎろりと睨まれた。普段は控えめな高野さんに。怖くて泣きそうになった…。

 その後は四人でトランプをしたり、みんなで遊べるテレビゲームの「桃鉄」や「マリカー」などを楽しんだ。


         2

「えーっ!? すもも、颯太と一緒のベッドで寝てんのっ!?」

「え? ええ。」

「颯太…あんたまさか変なことしてないでしょうね……」

 芹沢さんがまるでぼろ雑巾でも見るかのような視線を寄越してきた。

「すっ、するわけないでしょ」

「ホントにぃ~? どもるところが如何にも怪しいんだけど~」

「本当だよ! ね、ねぇ? すももちゃん」

「はい。颯太は優しくしてくれますよ?」

 ちょっ! それ誤解されるやつ!

「颯太…」「颯…ちゃん!?」

 僕は確かに見た。

 笑顔を貼り付けたまま青筋を立てる芹沢さんと高野さんの背後でゴゴゴゴ…と燃えさかる、怒りの炎を。

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