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ぼくのペットはチンアナゴ

作者: 倉本保志

あの、ほら、学校の図書室においてある、ハードカバーの、子供向けの小説、あれってなんていうジャンルなんですかね・・?あの、ゾ○リ とか、比較的さし絵が多いけれど、マンガではないやつ

倉本は、その本をイメージして今回の文体を使いました。倉本が、小説を書くとき、まずはじめに考えるのが、どういう文体にするのか・・?ということです。文体が、さっくりとハマれば、あとは面白いように筆が進みます、逆の場合はさっぱりです。原稿用紙なら、くしゃっと丸めてポーンと放り投げる、おきまりのあのシーンです。まあ、原稿用紙になら、倉本は小説なんて書かなかったでしょうけれども・・

 ぼくのペットはチンアナゴ


ぼくの名はひろし、現在、小学4年生、ごく普通の小学生・・・

・・・と、自分では思っている。勉強はまあまあ、スポーツも、すごく得意

ってわけじゃないけど、みんなの、じゃまになるほど下手くそでもない。

好きなことは、生き物を飼うこと、家には、カブトムシの幼虫やら、とかげやら、

ミドリカメやら、小さな水そうに分けて、たくさんいるんだ。

まあ、これくらいなら、いたって普通・・でしょ?

そんなぼくだけど、実は、ちょっと、変わった生き物を飼っている。

みんなは、は知ってるかな・・・?

チンアナゴっていう魚 海に住む海水魚で、うなぎみたいな細長いんだ。

水族館で、飼われたりしている珍しい魚みたいだよ。

普段は、砂の中に、隠れていて、めったに見ることができないんだ。

えっ・・・?

そんな、珍しい魚をどうして、飼うことができるのかって?

ううん、僕のお父さんは、水族館で働いたりはしていないし、親戚のツテで

この魚を、もらったわけでもない。

どういういきさつなのか、って言うとね・・・

実は・・・

ぼくもはっきりしたことは分からないんだ。

あ、いま、ずっこけたでしょ、

(ほんと・・・ベタなんだから・・)

でも・・・

「おそらく、そうじゃないかな・・・?」っていう、心当たりはあるんだ。

はっきりとは、言えないんだけどね・・・

・・・・・・・・

ぼくがまだ、幼稚園のころ、家族で、海に言った時に・・・・・

え、ちがう、ちがう。つかまえたんじゃないよ。

それなら、いくらぼくだって、覚えているさ、ね、最後まで聞いて。

実は、この話、大きな声では言えないんだけど・・・

海の中で、ぼく、急にうん○がしたくなちゃって・・・

そう、おしっこなら、そおっとそのまま出しちゃうんだけどさ、

そうそう、経験あるでしょ、海パンを、脱がないでね・・

でもさ、○んこじゃ、そおいうわけにいかないじゃん・・?

するっと海の中でぬいで、ふんばったわけ。

そしたらさ、

何か、お尻の穴がムズムズ変な感じなんだ。

ぼくは、まだ、小さかったし、海の中でう○こをしたのが、初めてだったから、

きっと、拭いていないせいだど、勝手に思ったわけ・・・

しばらくしたら、何ともなくなったから、そのまま海から出ていって・・

何気ないそぶりで、ごまかした。

それから、しばらくは、なんともなかったんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・

おしりの穴に違和感を覚えたのは、それから、三日後のこと

ぼくが、お風呂に入っていたら、やっぱり、おしりが、ムズムズする。

ぼくは、お風呂の湯の中に顔をつけて、おしりをじっと見ていた。

そしたらさ、はははは、

あ、ごめん、ごめん、思いだしたら、思わず笑っちゃった。

そしたら、出てきたの・・

にゅう・・とおしりの穴から・・

うん、そう、チンアナゴくんが・・・

・・・・・・・・

でも、お湯が熱かったみたいで、すぐに引っ込んじゃって

「えっ・・なに、なに、なに・・・・?」

「なに、いまの・・・?」

ぼくは、ちょっと、パニクっちゃって、

もう少しで、おぼれるところだった・・

いまは、それが、チンアナゴってわかるんだけど、初めて見た時はさ、

「えっ・・これ、海へび・・・?」

お風呂の中だから、エコーが、かかって、変な声になってしまって、

自分で言ったくせにさ、

「え、どこどこ・・・?」

って、自分で訊き返したんだよ・・ほんっと、バカでしょ・・・

うん、ウソじゃなくて、ほんとの話。

・・・・・・・・・

3分ぐらいたったら、少し落ち着いてきて、

たいへんだ、何とか、おしりから、出さなきゃ・・・

ぼくは、必死になって、親指と人差し指で、こう、キュッとつまみ出そうと

なんども、なんども、チャレンジしたんだけど、

肝心のチンアナゴくんは、

奥のほうに入り込んじゃって、出てこないんだ。

・・・・・・・・・・・

どうしよう・・?

ぼくは、そのときほど、自分が不幸だと思ったことはなかった。

まあ、まだ、幼稚園児だし、まだ、ぬくぬくと生きているからね。

今思えば、たかが、チンアナゴが、おしりの穴に住み着いたぐらい

で・・・・

えっ・・?

そんなに軽い問題じゃないって・・?

自分がもし、その立場だったら、世界一、不幸だと思うって・・?

んふふふ、やっぱり、そう・・?

まあ、世界一は大げさとしても、やっぱり、不幸だよね、これって、

当時のぼくは、もう泣きだしそうな顔をして、お風呂から飛び出し、

お母さんのところへ、一直線に駈け出していた。

最初は、お母さんも、ぼくがフザケているんだろうと、相手にして

くれなかったんだけど、あんまり、真剣なもんだから、ついに折れて

そのチンアナゴくんを取り出すお手伝いをしてくれることになったんだ。

まだ小さかったけど、ぼくは、ちょっと恥ずかしかった。

でも、そんなことは言ってられない、

ぼくは、おしりを、天井に向けて突き出した。

お母さんが、じっとのぞきこむ・・・

(ああ、なんか、ちょっとだけ、快感・・・)

・・・・・・・・・

しばらくしても、一向に、チンアナゴくんは、姿を見せなかった。

さっきまでは、かなりマジモードだった、お母さんもついに、

「あんた、のぼせて、夢でも見たんじゃないの・・」

そう、言って、夕食の支度に、戻っていった。

「夢・・・?」

「えっ・・」

「もしかして、そうだったのかな・・?」

ぼくは、急に自信が、なくなってきた。

夢・・と言われれば、確かに、現実ばなれした出来事だし・・・

しかも、幼稚園のころなんて、毎日が、みょうにフワフワした世界

に感じられたりして、現実とバーチャルの区別がほとんどないような

ものだから、あ、これはいま、思うことなんだけれど・・・

・・・・・・・・・

結局、そのおぞましい出来事は、夢ではなかったんだ。

お母さんが、信じてくれないせいで、ぼく一人で、医者に行くわけ

にもいかず、結局、そのまま、ぼくはチンアナゴくんを、おしりの穴

で、飼うことになってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・

でも、一年が過ぎたころには・・・

うん、ぼくと、その珍しいペットは、すっかり仲良しになっていた。

ぼくは、彼を、アナゴン と呼んで、世話をした。

暑いお湯はNGだから、あれ以。ぼくは、みんなの入った後の

すごくぬるいお湯につかって、こっそり、彼にえさをやったりして、

とにかく、その、チンアナゴくんを大切にそだてている。

えっ? なに、

誰かに話したかって・・?

やぼな質問はやめてよね・・・

自分の家族にすら、このことはナイショにしているんだよ、

ほかの人に・・・

たとえば、クラスメートなんかに言えると思う・・?

もし、仮にだけど、きみに彼女がいたりして、

きみは、こんなこと、彼女の前で言える・・?

「ぼ、ぼく、おしりで、チンアナゴ飼ってるんだ・・」

・・・・・・・・・・・

だよね、言えないでしょ、やっぱり

いくら、小学4年生のぼくだって、それはおんなじ・・・

そう、口が裂けても・・ってやつ

・・・・・・・

あ、でも、クラスメートで、思い出したんだけど、実はぼくの

クラスに、もしかしたら・・

あくまで、ぼくの勝手な想像なんだけれど・・

もしかしたら、ぼくとおんなじことに、なっている、幸せな子が

いるかも知れない。

なぜ、そんなことが、わかるのかって・・?

それはまあ、なんというか、その、

おなじ穴の、アナゴ、じゃなくて、むじなってやつだから、

口に出したりしなくても、なんとなくわかるんだよね、

もし、これが、100パーセント事実だとわかったら、

ぼくは、勇気を出して、その子に、訊いてみようと思うんだ。

シチュエーションは、ええと、・・・そうだね、

放課後、たまたま、居残り勉強してて、二人っきりになったとき・・

うん、セリフもちゃんと考えてあるよ・・

聞きたい・・・?

うーん、どうしよう・・・?

・・・・・・・・

ま、最後だから、教えちゃおっかな・・・

いい、一度しか言わないよ・・・

ぼくのイメージはだいたい、こんな感じ・・・

「・・・あの、」

「なあに、? ひろしくん・・」

「あの、きみさ・・・

「・・・・・・・」

「きみ、ペット飼ってる・・?」

「えっ・・・?」

「ええ、飼ってるけど・・?」

「やっぱり、そうなんだ、」

(やったー予想が、的中したぞ)

「それが、どうかした・・?」

「実は、ぼくも、幼稚園のころから、大事に育ててるんだ。

・・・・・・・

「ふうん、そうなの・・?」

「ねえ、」

「なに、・・・」

「いまから、見せ合いっこしない・・・?」

「ぼくたちの、ペット・・・」


                 おわり


このあとには、どんな、シーンをあなたなら持ってきますか・・・

A,過激すぎてちょっと、少年、少女向けの本としては、NGになってしまうかもしれません。

B,大体こちらを選択しますよね、最もベタな、展開です。

というわけで、この小説は、ここで終わらせるのがベストということになるのだと思います。

ちゅうわけで、三島由紀夫の云々・・・倉本保志の小説を読んでいただき、ありがとうございました。

またの機会にお会いいたしましょう、それでは、BYE・・・

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