はじめに
小さい頃から、本が好きだった。
本をたくさん読めば褒められるから。
新しい知識を持っていれば認めてもらえるから。
そのまま育った23歳のリアルな日常は、傍から見れば悲惨にも幸せにも見える、「生きる意味」を探す愉快な日常である。
小学校、中学校共に優等生。
推薦入学で入った田舎の進学校では、さぼりがち。スカートの丈で教員に追い回される日々ながら、成績上位のみを集めた特進クラスを三年間キープ。
所属した部活では良き仲間を見つけ、部長も務めた。
「今できることを満喫する」のモットーを掲げた。
スカートを短くしたいんじゃない、スカートが短いだけで叱られるのは今を逃して今後チャンスはないと知っているだけに過ぎない。
恋もした、叱られもした、勉強もした。
そして進学を機に地元を離れ、一人暮らしをした。
慣れない家事も頑張り、バイトもした。小料理屋、農家の住み込み、ホステス、コンビニ。色んな働くを経験し、新卒で就職したのは地元の一宮。
巫女になったのである。
この話は大卒巫女が退職しフリーターになって、焦燥に駆られながらも面白おかしくただ「生きている」だけの話である。