01〜転生〜
またまた新作を投稿しました。
増える一方で他のは中々進まない悪循環です。実はもう一つ新しい作品を構成中(><)
投稿するかは未定ですけどね
学校を学園に変更しました。
一人の草臥れた若者がいた。
やる気のやの字もない気怠い無気力な目をした青年はその日も何時ものように同じ時間同じ場所を通り帰宅途中だった。
赤信号の信号待ちをしていると足元をボールが転がっていった。
それを追いかけて小さな男の子が信号が赤なのに飛び出して行った。
その時ちょうど車が走って来たのでこのままでは車に轢かれると咄嗟に自分でも何故この時、人のそれも全く知らない赤の他人の為にこんな行動をしたのかは分からなかった。
子供を突き飛ばし何とか助けたが青年は車に轢かれその生涯を閉じた。
だが最後に思ったのはやっとこんな面倒なしがらみがある社会から解放される。
あの世があるなら寝て過ごしたいと思った。
次に目を覚ましたのは真っ白の空間だった。
そして目の前にはソファに寝転び菓子を食べながらテレビを見てる女性がいた。
関わると面倒くさそうなのでその場をそっと離れようとしたが気づかれた。
「ん?……あっ!しまった」
そう言って慌てて立ち上がり指をパチンと鳴らすとソファやお菓子テレビが消えた。
「コホン……私は女神です。それとおめでとうございます!貴方は私が担当する記念すべき10000人目の魂です。なのでなんと……この世界ではない異世界への転生する権利を与えられます!!」
咳払いをしてこの目の前の頭が可笑しい自称女神は俺に異世界へ行けと言うのか?
「自称ではなく正真正銘の女神です!」
あっそどうでも良いわ取り敢えず。
「そんな権利いらない」
その言葉が余程衝撃を受けたのか目を見開いて口を大きく開けている。
あんな大口を開けるなんてだらしがないな。
「な、何故いらないのですか?」
「怠いから」
「そ、そんなしょうもない理由で……」
この自称女神が落ち込んでいると携帯の着信音が鳴った。
プルプルプル〜
「はい、もしもし……えッ!?ウソ⁉︎マジで⁉︎
旅行今日からだった?待ってすぐ行くから!」
「まあ、取り敢えずこのルーレットを回して下さい!」
「面倒い」
「五月蝿いです!回すのですよ!」
しょうがなくルーレットを回すと大賢者と書かれた所で止まった。
「おめでとうございます!レアなジョブですよ。では私は忙しいのでこれから別の用事があるので後のことは転生したあと、天使を一名派遣しますのでその子に聞いて下さいね。ではでは〜幸多き人生を!第二の人生を楽しんで下さい!」
言い終わると同時に目の前から消えた。
おい、おい俺は転生するなんて一言も言ってないぞ!
急激に眠気が襲って来たので目を閉じた。
■■■
うん?何処だここ?
辺りを見回そうと首を動かそうとするが上手くいかないそれを不思議に思って体に力を入れるが上手く入らない。
イライラすると「おぎゃあー」と赤ん坊の声が聞こえた。
いや、この感覚は自らが発しているのだとすぐ様に理解した。
そして念の為に手を見てみるとそれはとても小さく赤ん坊の手であった。
その時唐突に思い出した。
確か俺は一度事故に遭いそして死んで死の世界(まあ、あると仮定して)に行く筈があの面倒くさい女神とやらに転生させられよくわからない大賢者とやらにされたんだ。
はぁ怠い。また面倒な人生をもう一回しなければならならいのかよ。
そういえば何かサポートを付けるとか言っとけど居ないな
そう思いっていると扉が開き目を見張る様な美人が慌てて入って来た。
そして俺を持ち上げ心配そうに抱き上げた。
普通の世の男子なら飛び上がって喜びそうな金髪碧眼で、髪はハーフアップにしており出るところは出て締まるところはしまっているとても魅力的な美人に抱き上げられたら喜ぶところを彼はあぁ怠い動かすなよと悪態をついていた。
「どうしたのベル?」
後で知ったが俺の正式な名前はベルホルト・ヘルゲ・フォン・オルトランドでベルは愛称らしい。
何でもないと言いたいが言えないので態度で示すと、彼女は徐ろに上着をはだけさせその乳房を晒し先端の部分をベルホルトの口に近づける。
どうやらお腹が空いて泣き出したと思ったらしい。
まあ、実際に空いていたので有り難く頂戴した。
不思議と恥ずかしいとは思わなかった。
お腹いっぱいになると彼女は優しく背中をさすってくれたのでゲップをした。
多分彼女は俺の母親だろう彼女の腕に抱かれてると安心するからだ。
扉が開けられてそこからこれまた美形の男性が入って来た。
身長も高く(まあ、今の俺は小さいから多少の誤差はあるだろうが)185cmぐらいはあるだろう。
こちらも母親とおもしき女性と同じく金髪碧眼である。
髪は男性にしては長く後ろで短くポニーテールにしている。
そして一見したら細身だがそれは無駄な筋肉がない絞りきった鋼の肉体であることが伺える。
そう言えば母親とおもしき女性も身長は高いな。
そして2人は笑顔で何やら話し始めた。
この親密度から多分この男性は父親だろう。
何を言っているのかはあまりわからなかったが辛うじて母親(暫定)の名前はアンネリースで父親(暫定)の名前はディルクとわかった。
もう少し話を聞きたかったが睡魔には逆らえず寝てしまった。
■■■
転生してから3年が経った。
どうやらこの家、オルトランド家はシュリンガル王国に所属する伯爵家らしい。
母親のアンネリースと父親のディルクは貴族にしては珍しく大恋愛の末に結ばれたらしい。
母はこの国有数のアンブロス公爵令嬢で父は男爵家の三男坊だったが父は武勲をあげ自力で新たな伯爵に叙され漸くそれでアンネリースの父のアンブロス公爵も折れて結婚を認めたらしい。
伯爵家としては領地はあまり大きくはないが兵士は精鋭揃いで後ろ盾にはアンブロス公爵がいるのでおいそれと新興貴族とはいえど手出しは出来ない。
父の現在の役職は第3軍団第一師団長である。
これは軍では偉い方らしく毎日忙しそうにしているが必ず自宅に帰って来て家族の面倒を見てくれる良い父親だ。
そして普通の貴族の親なら子供に母乳をあげたりするのも専用の乳母に任せる所だがそれを頑なに母親のアンネリースが断り自身であげていたのだ。
それとどうやら俺は一人っ子ではなく上に姉が2人に妹が1人居るらしい。
念願の嫡男の誕生にオルトランド伯爵家だけではなく母方のアンブロス公爵家や父方のエーミル男爵家も喜び沢山の贈り物を頂いたらしい。
♢
そして俺は気怠いながらも今現在頑張って過ごして居る。
どうやらここは地球で言う所の中世に酷似した世界であるが最大の違いは魔法に多種族それに魔物がいる事だろう。
俺は側仕えの天使に何て面倒な世界に転生させたんだ!と言う恨みの込めた視線を送る。
側仕えの天使は俺が生まれた後に俺専用の側仕え見習いとして選ばれた侍女の正体が天使であった。
名前はラミエルでどうやらあの女神の指令で俺のサポート役をする事になったらしい。
まあ、天使と言われるだけあり非常に整った顔立ちの美人て金髪金瞳である。
一応設定としてはまだ年若いと言うこのなので体はまだ未発達である。
確か今は8歳の設定で俺の側仕えのミーネの助手の様な扱いで俺のお世話の仕方を学んでいる。
ある程度動ける様になると面倒だが一応この世界の事について調べとかないと後々困るために、渋々本当に渋々と本が置いてある書斎へミーネに抱き抱えられて連れて行かせる。
中に入ると取り敢えず片っ端から本を取り出し読んでいく。
初めのうちは両親や使用人達も驚いていたが流石は我が息子と喜びミーネに無理しない程度にする様には言ったが、許可を出してくれた。
まあこうやって知識の体得をしてても邪魔をする輩は現れる。
上の2人の姉達だ。
特に長女は面倒だ。次女はオドオドしながらも必ず付いてくる。
「ベル!また書斎に篭って!外で遊びましょうよ!」そう扉を開けて開口一番に告げたのは長女のクレア・エブリン・フォン・オルトランド5歳である。
金髪碧眼の美幼女で勝気な顔立ちをしており髪をツーサイドアップにしており動きやすいハーフパンツと上は白のトップスを着ている。
「ク、クレア姉様、邪魔してはそ、その迷惑では?」オドオドしながらも注意したのは次女のグレース・エラ・フォン・オルトランド4歳である。
こちらも同じく金髪碧眼の美幼女で髪はツインテールにして花柄のワンピースを着ている。
この2人の他にまだ1歳の妹がいる彼女現在お昼寝中だ。
「大丈夫よ!何せ私なんだから!」と根拠もなく自信満々に胸を張るクレア。
その姿に「はぁ」と深い溜息をもらす。
クレアとグレースの後ろにも側仕えの侍女達がこちらにお辞儀をする。
それに軽く手を上げて答えながら心底めんどくさそうに「何故そこまで自身があるのですか?クレア姉上?」と3歳にしては見事な言葉使いのベルホルト。
そんな言葉使いに周囲の者達は驚かない。
ベルホルトの事を皆天才だと理解しているのだ。
「えっ?何言ってんのベル私だからじゃない?」と心底理解出来て無さそうに問いかけてくる。
再び深い深い溜息をする。
「そういえば今日は魔力測定検査の日では?」
ここシュリンガル王国では5歳になると魔力測定検査をする。
貴族は一台は必ず家にあるが平民の子達は教会に行き測定してもらう。
そして、クレアは5歳になる今日の夜会で魔力測定検査のお披露目会をするのだ。
クレア以外にも近隣の領主の子供が今日この屋敷に集まり検査をする。
これは5歳の子供達の初顔合わせと披露を伴っている。
これは重大な式典でこの結果により将来が決まる大イベントの一つとして数えられる。
出来が悪い貴族の子供だと悲しいかな廃嫡される事も珍しくはない。
この魔力測定検査は大まかな情報を得るだけで詳しく知りたければ魔導ギルドか冒険者ギルド、傭兵ギルドの測定器か入学予定のシュリンガル王立学園の測定器で判別できる。
大体がこのシュリンガル王立学園で自分の適正を知る。
シュリンガル王立学園は7歳になると貴族の子弟は皆入学する事になる。
これは人質の意味合いもあるが将来の国を支える人材の育成の意味合いもある。
どちらかというと後者の意味合いが現在は強い。
このシュリンガル王立学園の建立当初は前者の意味合いだったが世情も安定した現在は後者の意味合いに変わっている。
「あるわよ?それがどうしたの?」
不思議そうに首を傾けるクレアにベルホルトは頭痛がする様錯覚に見舞わられたが堪えて。
「どうしたのってその為の準備が色々あるじゃないですか?」
いつも気怠くて目が半分くらいしまっている状態の目を鋭くさせてそう問いかける。
「そんなの後で良いわよ!ねぇサラ?」
問いかけたのは彼女の侍女のサラである。
彼女は困った様な顔をしながら「お嬢様ベルホルト様の仰る通りやる事がありますのでお部屋にお戻りください」と言われ。
「ウゥ〜わかったわよ!戻るわ!でもベル明日は外で遊びましょうね!じゃあね」と言い慌ただしく部屋を出て行った。それを侍女のサラが追いかける。
残されたグレースはどうして良いのかあたふたとしている。
「グレース姉様はここに居ても良いですよ」
と優しく問いかけると彼女は嬉しそうに頷きベルホルトの隣に腰掛ける。
彼女はクレアと違い静かで楽なのだ。
「ベルは良くこんな難しいの読めるのね?」
とグレースに問いかけられ。
「まあ、一度文字を覚えれば簡単ですよ」
と答えた。
それにグレースはやっぱりベルは凄いねと言いその後は静かに寄り添うだけで何も言わなくなった。
クレアももう少し静かにしてくれれば良いのにと切に願いながら本を読み進めていく。
読んで頂きありがとうございます。




