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やるせない感情で、滑りそうになったグリップを掴み直した。

一体、何がおこったのかと自分の周りを見回した。

あかいうみ。

あかぐろいうみ。

鈍く光る刀身を見、

先ほどまでと違うことを理解した。


あの訳のわからない少女―里沙―の声が、至極遠くにきこえる…




事の発端は少女が空から降ってきたところからだ。


最近、異常気象やら猟奇事件なんかが多発していた。

漠然と

「地球もそろそろ危ないかな」なんて考えてた。

そして、空から里沙が降ってきた時点で確信した。

あ、終わった。と。


まさか始まりだったとは…

里沙は自分の下にいたオレを確認し、言った。

「貴方は勇者への道を歩くのよ!」

そして日本刀を差し出した。

受け取らないと刺されそうな勢いが怖かった。




ごつん。

「聞いてるの、勇太?」


後頭部に受けた適度な痛みと、里沙の声でオレは現実へとつれもどされた。

「意外と冷静ね。」

「いやいや、パニクっててわけわかんないだけよ?」

血の池地獄に浮かぶ犬の化物の死体を見ながらオレは返す。

「もっとこう、叫んだりしながら倒すかと思ってたわ。」

里沙はそう言いながらオレの手から刀をもぎ取った。

「その暇もなく必死だったんだよ。」

そう言いながら、オレは里沙へと視線を移す。

「そんなものかしらね。」

里沙は刀の血を脱ぐっていた。

「まぁ、さすが木枯らし丸よね。あんな使い方でも刃こぼれしないなんて。」

「あんなで悪かったなぁ。」

里沙が鞘に戻す刀が鈍く光った。

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