日光彼女
羨ましかったんだと思う。
一人でいられる彼女が。
いつも教室の隅で、一人で読書をする彼女。
一人でも強く。
周りに人がいないと怖くなっちゃう私とは違った。
着飾らない素朴さ。
私には彼女が眩しかった。
私とは真逆だったから。
周りからは少し避けられてた彼女かもしれない。
それでも羨ましかったんだ。
強くて素朴で着飾らなくて、ありのままで本当の自分で。
いいなぁってずっと見ていた。
彼女自身が自分をどう思ってたのかもわからないのに、こんな言い方は良くないんだろうけれど。
それでも私は彼女が眩しくて仕方なかったんだ。
いつだって影の存在だったけれど、その目にはしっかりとした光を持っていた。
変わらない思いがあるって語ってた。
あの芯から強い瞳に憧れた。
あぁ、生まれ変われるのなら彼女になりたい。
誰にも何も求められなくていい。
周りに囚われたくないよ。
完璧なんてないんだよ。
演じるのは、疲れたよ。
「もう、いらないわ。こんな人生」
飾らない、自由な彼女が羨ましくて、憧れでした。