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第1話:見知らぬ異界にて……

 鬱蒼と茂る木々の隙間から陽光が土を照らしてごわした。


 ところどころにある草原には、名前も知らぬ異国の花々が色とりどりに咲き乱れ、大変きれいで、みやびでごわす。


 けど、そんなものを鑑賞している余裕はなかったでごわす。

 なぜなら、追いかけられてるから――得体の知れない連中に!


「ぬごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!? なんでごわす!? なんなんでごわす、お前らはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 おいどんは肩に担いでいるものをしっかと抱いたまま全速力で走ってごわした。


 ちなみに、おいどん、訳あって()()()()()()()姿()でごわす。


 いや、まあマゲはちゃんと結ってるし、回しも巻いた状態なので、厳密にはそうじゃないのでごわすが、今の状況を鑑みれば、それはあまりに無防備な格好でごわした。何しろ、矢とかが飛んでくる! それも四方から、ぴゅんぴゅんと、おいどんの白いもち肌を危なげにかすっていくのでごわす!


「とりあえず、まずは話し合いっ! 話し合うのが重要がごわすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」


 叫ぶ、おいどんの首筋を返答代わりの矢じりがかすめる。


 ――ああ、駄目でごわす、通じないっ!

 ――対話とかできる空気じゃないっ!


 絶望に嘆くおいどんは、しかし逃げざるを得なかった。

 その原因となっているもの――蒼白な顔でぶるぶる震える娘っ子の体――を背後からの矢が当たらぬように、胸に抱き直したおいどんは、地面を裸足で踏みしめながらとにかくまっすぐ駆け続けたでごわす。


 すると、開けた場所に出る。

 ほっとしたのもつかの間のこと、そこは断崖絶壁となった谷間の片側部分でごわした。


 咄嗟に止まったおいどんは、その向こう岸を見渡したでごわす。

 おいどん一人ならなんとかなるかもしれない。けど、この娘っ子を抱いた状態では、明らかに、それはままならない。


 おいどんはぐっと歯を噛みしめる。


 追い詰められたおいどんは、じりじりとにじり寄ってくる軍勢を前に、なぜ、こんなことになったかを、にわかに回想し始めたでごわす――――――


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