第6話 洞窟、そしてボス
ゴジルと共に歩くこと約5分
やはりというかなんというか
桁違いなパワーだ
話を聞けばなんと
Sランクの大剣を引いたという
なので今回も大剣使いとしてやっていくらしい
さっき17ダメージだったためそんなかもと思ってたけど良く考えればあれは軽くしか当たってない
(…それで17って冷静に考えたら直撃したら1発でキルされてた可能性があるな…)
冷や汗ものである
ゴブリン相手になんと脅威の35ダメージ与えている
「そういえばルーラー、あんたレベルいくつだ?」
「今3だ」
「うーむ、厳しいだろうか、今俺が感じた程度ではあるがベータ版よりも全体的に強くなっている、適正レベルはベータ版の時より数レベル上だと仮定した方がいい、となるとウルフのボスの適性は7~8くらいだろうか」
「た、高いな、ゴジルはれべるはいくつなんだ?」
「俺はずっとゴブリンとウルフを狩ってたからな、レベルは5だ」
「街にはよってないのか?」
「低いレベルでよる意味がそこまでないからな、クエストは沢山あるが特に今日はあんたみたいな新規のプレイヤーが沢山いる、街は人でごった返しだろうよ、そんでもってもう少しするとさらに今のあんたみたいにプレイヤーがクエスト受けてここに向かってくる、そうしたらレベル上げが捗らないのでな、今のうちにあげようってことさ」
「なるほど…流石ベータ版をやってた人だ…」
「まぁな、伊達にやってないさそれよりほらついたぞ、ウルフのボスのいる洞窟だ」
一見するとただの洞窟だ
…だが感じる
オーラというのだろうか雰囲気というのだろうか、そういった類のものを
「よし入るか」
「おう」「はい、マスター」
洞窟の中は人が5人ほど横に並んで歩ける位の広さで天井はだいたい4m程だろうか
結構大きい洞窟だった
「結構広いんだな」
「そうか?むしろここは狭い方だぞ」
「ここより広い所もあるんだな」
「そりゃあな、大人数攻略を想定されてるようなダンジョンとかはもっと広いな」
そんなのもあるのか
いつかはやってみたいものだ
「マスター、前方よりウルフが3匹です」
「洞窟で直線ならクラフィの餌食だな、やっていいよ」
「かしこまりました」
クラフィに指示をして即爆散するウルフ
「ひゅぅ〜っ!やっぱ強いねぇ!当たらなくて良かったぜその矢に」
「そうだな、今のところクラフィの矢が当たらなかったのはあんただけだよ」
「つってもゴブリンとウルフだけだろう?なんか他に戦ったのか?」
「あんた以外に人と1回戦ったな」
「ふむ、勝っただろう?」
「どうしてそう思うんだ?」
「俺の持ってるS武器ですら一線を画す強さだからな、ましてプレイヤー自身のスペックに依存せず勝手に動くSS精霊、知らずともとんでもない強さってのは簡単に理解できるさ、それに加えてあんた自身もかなり戦える、なら負けんだろうよ」
「そういんもんなのか」
「そういんもんさ」
「マスター来ました、また私がやりましょうか?」
「ん、なら任せたよクラフィ、やってくれ!」
「はい、マスター」
クラフィのおかげでどんどん経験値が入る
こりゃ楽でいい
が俺も戦わないと鈍る
「クラフィ、ボス戦は俺が参戦を頼むまでは手出し厳禁で頼むよ」
「かしこまりました」
「おいおい、どうしてだ?」
「俺も戦えるようにならないとね、ずっと頼りっぱなしってわけにもいかないからさ」
「はっはっは!!こりゃ手強い!ここで気を抜いてくれればいつかまた戦う時に少しでも楽になるのに楽になる気配ないじゃねぇか!これはこれで楽しみだ!」
「戦闘狂かよ、大会みたいなのもあるのか?」
「あぁあるぜ、早いと来月とかかな、公式が開くデケェ大会があって、称号と装備が貰える、それもかなり優秀な物がな」
そう話してるうちにレベルが4になり
さらに洞窟の深部だろうか、広い所に出た
奥でそこそこでかいウルフが寝ている
「ついたな、あれがスモールウルフのボス、ウルフソルジャーだな」
ウルフに近付いていくと
ウルフが目を覚ました
「ガルルゥ…ウオオオォォォン!!!」
【ウルフソルジャーLv9】
【スモールウルフLv6 ×5】
「思ったよりレベル高いな…」
「さっき言ったろうに、それに周りのウルフも道中の奴らよりレベルが高い、気をつけろよ」
「わかった、行くぞ…!」
スモールウルフが左右から挟むように両側から飛びかかってきたのを
「はぁっ…!」
左のウルフに接近し刀を斜めに振り首を落とそうとする
が
「ちっ…さすがにレベル6!1発じゃ首が落とせないか…!」
道中の奴らはレベルが2とか3だったが倍もある
簡単にはいかせてくれないらしい
ゴジルは
「はぁっはっはぁ!!おい来いよリーダーさんよぉ!!!」
既に1匹を真っ二つにして
2匹目をはじき飛ばしていた
(流石に負けてられん…!)
「九天流…交楼!」
ウルフが噛み付く直前まで引き付け
俺の眼前で口を閉じようとした瞬間にウルフの顔を刀が2回交差する
ウルフはX字に切られアイテムになる
それを拾う間もなく
もう1匹のスモールウルフが飛びつきに来ていた
「くそっ…!」
刀を降った直後でまだ体勢が直ってない状態で避けきれず左腕を噛まれてしまう
『10ダメージ』
食らった直後
「ヒール」
クラフィから回復が飛んでくる
『HPが10回復しました』
クラフィが回復技を使ったためか
ヘイトがクラフィに向く
ウルフがクラフィに飛びつこうとした時に
「背中を向けるとは舐められたな!」
下から思いっきり切り上げウルフの尻尾から胴体までを真っ二つにする
ゴジルが合計3体倒してくれたおかげで
5体のレベル6のスモールウルフは片付いた
そして残るは
「ボスだけだな」
「はっはっは!レベル9!楽しいぞー俺は!うおぉぁぁあ!」
ゴジルが笑いながらウルフソルジャーに突撃し思いっきり剣を振る
ぼごぉぉぉん!
地面を破壊するほどの威力だが
「当たってないぞ!ゴジル!」
「おう、分かってるぞ!おるぁぁぁ!」
ジャンプして回避したウルフ
だがその位置はまだゴジルの剣の可動域だ
叩きつけられ地面に埋まってるにも関わらず無理やり引っこ抜いてそのまま宙に飛び上がっているウルフに切りかかる
『22ダメージ』
(体力も多いな、さすがボスって感じか)
ウルフはまだ余裕そうにしている
「俺を無視ってんなぁ!抜…刀!!」
ゴジルを注視していたウルフの右後ろから思いっきり抜刀を浴びせる
直撃しクリティカルヒット
『30ダメージ』
「ガルルァァ!」
ウルフがこちらに噛み付いてくるが
既に俺はバックしているしなんなら
「よそ見は厳禁だぜワンちゃん!」
大剣を溜めたゴジルが跳躍してウルフの真上にいた
ずごぉぉぉぉぉん!!!
『55ダメージ!』
【ソルジャーウルフ、スモールウルフ5体を倒しました】
52の経験値を獲得しました
レベルが2上がりました
ステータスポイントが【3】配布されます
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「ありがとうゴジル」
洞窟の前でゴジルに礼を言う
「おう、気にすんな、もう街戻るんだろ?」
「そのつもりだよ」
「そうか、なら気をつけて帰れよ!」
「…?あぁ、ゴジルはどうするんだ?」
「俺はもう少しレベリングしてくぜ、レベルはいくらあっても困らんからな」
「はは、ゴジルらしいな」
ニヤッと笑い
「じゃあまたいつかな、ルーラー」
「あぁ、助かったよ、またな」
俺たちは握手をして別れた
そして俺は街へまた戻る
「マスター、レベル5を超えました、私の権能が1つ解放されました」
クラフィから告げられた権能の解放
かなり凄いものだった




