第1話 購入、そしてチュートリアル
俺は今年15、卒業間近になる中学三年生の
九天隆良だ。
今は2月の12日
今日は待ちに待った新作MMORPG [Last mine online] 通称『らすまお』の発売日だ
このらすまお、昔からシリーズ物のRPGを制作してるスコアニという会社が一念発起し、5年かけて開発したゲームで1年前に発表、半年前にPVを公開した、そのPVはたった2日で再生回数100万再生を突破、1週間で1000万再生を突破という異例のスピードで再生され今では3億再生に近い再生数までいっていた
そして俺がこのゲームを買うに至った経緯だが俺は中学3年間剣道部にかなり専念しており剣道の全国中学校剣道大会で個人戦『優勝』団体戦『準優勝』という成績を収めており、部活で高校の内定を貰った
その際に親に「好きな物を買ってやる」と言われたのでクラスメイトが話をしていたのを耳にしていたこのらすまおが欲しいと言ったのだ
ゲームを小学生以来やってないため今のゲームがどんな風に動くのか、ちゃんと操作は出来るのか心配ではあるが兎にも角にもやってみるしかない
そう思いながらゲーム屋さんで超行列を並んで待つ
後ろの人も前の人もらすまおを予約、もしくは欲しくて買いに来てる人なのだろう
PVを見たり一緒に来てる人と話している
後ろの2人の話に耳を傾けてみる
「らすまお楽しみすぎるなぁ、MMORPGは最近種類増えてきたけどらすまおのPVとか事前情報とか見てる感じこんなに自由なゲーム無いよな」
「あぁ、ほんとだよ、なんだよあの職業の数、おかしいくらいあるだろ」
「しかも隠し職業とかもあるんだろ?楽しみすぎるな」
「称号システムもいいよな、特別称号とかいうの取りたいな」
『早くやりてぇー!』
なるほど、特別称号とやらがあるのか
後ろの話をさらに聞いてる感じだと
特別称号とは
・何か偉業を成し遂げた
・1番最初に何かを発見した
・イベントで上位に入賞する
等で貰える称号で最初に初めて頑張らないととりあえず無理かもみたいな称号らしい
ゲーム歴が浅い俺にそんなの取れるだろうか……
とぼんやり考えてるうちにゲーム屋さんの開店時間の10時だ、整理券番号は41、さらに少し待つことになるだろうが後からやれる
楽しみにしよう
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無事に買うことができ、家に帰って1週間前に買ったPCを起動、そしてVRをセットしゲームをインストール、そしてゲームを起動して初めてのVR世界へ
頭がふわふわする感覚と共に
目の前にウィンドウが出る
『ようこそLast mine onlineへ』
喋った!
かなりリアルに耳に残る声
『まずは貴方の名前と姿を決めてください、姿はPCカメラを利用し現実の姿に近づけることも、1から作成することも可能です』
そんなこともできるのか…
まず名前だが
クラスで隆良→りゅーら→ルーラーと呼ばれていたためルーラーにした
名前は深く考えないでいこうと思う
そして姿だが…
あまり姿が離れすぎると剣を振る際に違和感が生じるかもしれない、現実の体に近づけてちょっといじるくらいにしよう
『VRを外しカメラの枠に収まるようにゆっくりと3回転してください』
言われた通りVRを外し、3回転しまたVRをセットする
すると
自分の体が目の前にある
あとは色々いじるだけらしい
「うーん、髪色と…目の色…少し身長も伸ばしたいな、肌はちょっと焼けさせて…」
髪色は黒だったのを白色に
目はちょっと紫みのある青に
身長はだいたいちょっと高めの172くらいにした
『見た目は1度登録すると髪、目、身長、体型は変更できません、よろしいですか?
尚見た目に影響の出る装備は例外とさせて頂きます。』
まあ問題ないだろう
そのままはいを押す
『では次に初期初級職を選んでください、初期初級職は全52種類です。』
52!?
多すぎないか
初期初級職だけで52…
生産職や戦闘職、販売職など色々あるから納得の数字…なのだろうか
とりあえず剣を振ることしか出来ないから
剣士を選択
『この世界は自由です、貴方のやりたい事を好きなようにプレイください。
最初のスポーン地点は危険度F以下の場所にランダムで出るようになっております。
ではLast mine onlineをお楽しみください、貴方の人生に幸多からん事を。』
すごい言葉で締めくくってきたな…
そして画面が暗くなり
明るくなると同時に文字が出る
『危険度G アルバスの森』
「森の中なのか…」
俺の初めてのMMORPGの初期リス地は森というなんとも困る場所からのスタートとなった
スタートしてすぐに
『チュートリアルを開始します』
「おっ、なんか始まったぞ」
チュートリアルを聞いてわかったことは
まず
HP、SP、MPの3種類のゲージがあること
HPが0になったら初期スポーン地点、つまり今の場所か最後にスポーン変更した所にリスポーンする
SPは走ったりジャンプすると数値がだんだん減り0になると走ったりが不可能になる
MPは魔法やスキルを使うと減り0になるとそれらが使えなくなる
HP、SP、MPの3種類は微量だが自然回復する
そしてステータス
STR、DEX、VIT、AGI、INT、LUK、CRI、CHA、の8種類からなり、レベルアップとその際貰えるポイントの振り分けで増える
『それでは戦闘の説明です』
どうやらシステム説明はこの辺で終わりらしい
右からグギャギャという声とともに緑色の小鬼みたいなのが出てきた
[ゴブリンLv1]
『戦闘はリアルタイム制です。ルーラー様は現在装備をつけておりません。近くに木の枝が落ちております、木の枝を装備して戦いましょう。』
「は?木の枝ぁ!?」
と、叫んでも意味はなくゴブリンはこちらに向かってくる。
周りを見渡してみると地面に木の枝が落ちている
木の枝[G]STR+1
『アイテム名の後ろについてるのはそのアイテムを入手した所およびそのアイテムのランクです。場所の難易度が高いとそのアイテムや武器防具の効果も高くなります。』
どうやら入手場所によってアイテムの性能が変わるらしい
例えば高ランクの場所の木の枝だとここの木の枝とは全然違う数値になるのだろう
とりあえず拾って装備をしゴブリンと向き合う
木の枝とは言え傘くらいの長さはある
「このくらいの長さなら剣道と同じように振れば!」
「ゴギャッッ!」
ゴブリンの頭に一撃を叩き込む
7という数値が表記されゴブリンがアイテムに変わる
『称号を入手しました』
【初めての狩りを行いし者】
・称号効果 STR+1
チュートリアルでモンスターと戦うならこの称号は絶対入手なんだろうなぁとか思っていると
『これでチュートリアルを終わります、この後はルーラー様の思うように自由に行動出来ます。モンスターを狩るのも建築や生産を行うのも自由です。この世界は貴方を否定しません。では良き、らすまおライフをお楽しみくださいませ。』




